ひぐらしのなく頃に(プレイ後用レビュー)

ひぐらしのなく頃に




(2007/11/20執筆 2007/12/12加筆)
注意:ここは、「解」まで全てプレイ済みの方向けのページです。重大なネタバレを前提に書いてますので、「ひぐらしのなく頃に解」未プレイ・プレイ途中の人はご閲覧回避下さい。












まずは批判

「ひぐらしのなく頃に」は推理できる。そう思っていた時期が俺にもありました。


いやー、本当に、その一点だけが悔やまれる。これで、推理が可能であるなら、本作の評価はもっと上がったんだけど…。

雛見沢症候群。事件の要はやはりこれだと思うのですが、これがどうにもリアリティに欠けるというか設定甘いというか…。ありえないでしょう。冷静に考えて。以下、雛見沢症候群の現実味のなさについて長々と2段落ほど書いてますので、適当にスルーして下さい。


どれくらいありえないって、Fateの設定よりありえない。私Type-Moon信者じゃないので那須ワールドよく知りませんし、ここをご覧になってる方にfate/stay night未プレイの方もおられるでしょうが、fateは一応ジャンル「伝奇」ってことくらいご存知でも良いでしょう。何が言いたいかというと、fateの世界設定は、ファンタジーばりばりなんだけど、私達はそれを「ありえない」と証明できない。常識的に考えて無いに決まってるのだけど、あの世界設定と私達のリアルな世界に、矛盾が生じないんですよね。(私が認識する限り)
雛見沢症候群は、限りなくサスペンスに近いんだけど、おかしい。リアルな世界との間に矛盾が生じる。まずは、寄生虫の棲息領域。雛見沢限定というのがデリケートすぎて荒唐無稽だし(そんなに風土が限定されるなら、季節などその他の要因でも容易く絶滅するはず)、感染者の範囲も意味不明。興宮など近隣地区の住民まで感染してるなら、かなり多くの人数が感染していることになるけど、それらの人が全然病気の進行が進まないのが理解不能。条件は簡単で「女王から遠い」「疑心暗鬼の心」の2点のみでしょう。他所へ引っ越した時点で病気の進行可能性は極めて高くなる。それだけ高いなら世間でも「喉掻き切って死亡」ニュースが多発するはずですが、それも無い。それはありえないと思う。また、鬼隠し編で圭一が発病した理由。これも意味不明。まず、親戚の法事のために雛見沢を出た。これで発病してるらしい。だから、レナ達の台詞に疑心暗鬼を感じ、症状が深刻化したと。ちょっと待て、雛見沢出ただけで発病してるじゃない。などなど。

…とまぁ、「雛見沢症候群」という仮説は、たとえプレイヤーが思いついたとしても、プレイヤー自身の手で棄却して当然の仮説だと思います。ところがどっこい、それが正解って言うんだから。

じゃあ、それ以外の部分は推理可能なのかというと、これもまた怪しい。鬼隠し編でのレナの行動。無言で圭一の部屋の前に1時間立って話を聞いてるのは変でしょう、仲間として。その次の、指挟まれた後雨の中謝罪連呼は圭一の妄想補正入ってると解釈してもいいけど。綿流し編は、多分矛盾無いと思う…というか目明し編は非常に鮮やかで、同じ台詞がこうも違う意味に取れるのかと感心しましたが、続いての祟殺し編がどうにも…。友人に聞いたところ、祭りの日に会場に現れた「圭一」は、村一丸となってのアリバイ作りだという説が最有力という話ですが、それにしたってレナ達が詳細に喋りすぎなんですよね。アリバイ作りにしちゃ「鬼隠し」「綿流し」の事実が含まれすぎてる。これはちょっと「アリバイ作り」という仮説を否定するには十分すぎる気が…。レナ達だけならまだしも、村の年寄り達も祭りでの圭一には感心したとか評判だったとか、いくらなんでも、ねぇ。
さらに罪滅し編ですが、鷹野が作った大量のガセノート、あれを作る理由が全く分からない。鷹野、そんな暇人じゃないでしょう。まぁこれは出題編と関係ないから許せるのですけど。


以上。
「ひぐらしのなく頃に」推理ものとしての批判でした。



ジャンル不明について
推理物として批判を書きましたが、ファンタジー展開については全く問題ないと思います。それもあるからこそ、4回も惨劇やってくれるわけで。色々な側面から事件を見せてくれるわけで。どこかで「これは正統派推理物です」とか明記してあったんですかね?「推理物じゃねー!」とか言って怒る心境が今ひとつピンと来ないのですが。型破りな真相だからこそ物語も非常に面白くなったと思うのです。そして、型破りな真相だからこそ、プレイヤーにも推理可能なのように、出題編だけで4問も与え、解答編も小出しで4話もやってくれたと思うのです。これを「ループものだから論外」などと斬るのは偏狭というものでしょう。
いや、それにしてもこの真相は頂けないと思いますけどね。超設定有りなら有りでいいから、推理可能な(整合性のとれた)超設定にしていただきたかった。本当に。

型破りの話をしますが、プレイ前レビューでも書いたとおり、「ミステリーかホラーか分からない」のはとても上手いと思うのですね。ホラー(ファンタジー)といっても、何でもありなホラーではなく、制約の与えたれた、「厳然たるルールに則った」ファンタジーであり、それが「昭和58年の日本」というリアルと矛盾しないものであるなら、それは立派なサスペンスだと思います。21世紀の現在においても米国国民の多くにとって天動説こそが真実であるように、私達の信じる「常識」「真実」とは、私達が思うほど強固なものではないと思うのです。
ちょっと話は逸れましたが、ひぐらしの「ジャンル不明」っぷりは、私の好みど真ん中でした。



エンターテイメント性について感想
あのアイキャッチというか、話の区切り区切りで画面右下に入る「ひぐらしのなく頃に(解)」のロゴ、あの演出は非常に好きですね。あれでお話に余韻を持たせるのは、非常にグッド。余韻と一口に言っても本当に様々で、癒し・歓喜・恐怖・感動。実に好きです。
カケラ結びの時のアイキャッチは、通常のアイキャッチより高速だったりするのも、プレイヤーのストレス低減への心遣いが伺われて好印象。
中でも最も好きなのが、各編の終わる時に出てくる、画面一面のロゴ(ドゴーンっていう効果音付き)。容赦ない惨劇・BADENDの演出としてこんなに印象的なものがあろうか。一度テロップで「ひぐらしのなく頃に」と出しておいて、ああ終わった終わったと思わせといて、救いようのない結末を見せ「ドゴーン」ですからね。しかも結末、話が進むごとに酷い有様になっていってるし…。
そりゃモニターの前で唖然とするわ。フリーズもするわ。暗澹たる気分にもなるわ。

あと、音楽の使い方・止め方・効果音の使い方、それもこれも絶妙でしたね。マジすげー。



他にも色々と思うことはありますが(祭囃し編のメインメンバーの存在感の無さとか)、結局私がどういうプレイをしていたのか、リアルタイムプレイ日記つけていたので、ご関心おありの方はそちらをご覧下さい。

ひぐらしのなく頃に
ひぐらしのなく頃に解


最後に、各編ごとの私の「お気に入り度」と寸感を。

鬼隠し編:8点
「嘘だッ!!!」
のシーンが、鬼隠し編の怖さを代表するものではないでしょうか。あれを境に、居心地が良く愛着のわいていた仲間達や雛見沢と、主人公サイドのプレイヤーとの関係がぎこちなくなりますね。何が起こっているのか分からない。ただ、異常である。殺されるかも知れない。
序盤の部活も好きですし、レナに案内されて回る雛見沢の各所も、何とも癒されるものでした。それだけに、後半の、どんどん追い詰められていく様は圧巻。


綿流し編:8点
村長が行方不明になり、詩音がその話を聞き涙を流し、翌日、大石さんに、その詩音も実は3日前から行方不明だと聞いた時が、最大の山場でした。圭一に言わせると
「俺ニ毎晩掛カッテキタ、アノ電話ハ、・・・誰ガ掛ケテタンダヨ・・・。」
ですね。きたぁぁああああ!!!って感じでした。祭具殿に入った4人のうち2人は既に死亡、残り2人で頑張ろうと思ってたら、実は1人も行方不明で、味方だと思っていた奴は限りなく犯人に近い奴、という。(真相は全然違いましたが)
ただ、この辺から、圭一の阿呆な行動が目立ったかなぁと。「詩音」に、自分が「詩音」を疑っていることをバラしたり。お話の都合上仕方ないのでしょうが、部活でのキレる圭一と同一人物とは思えない様でした。
あと、最後の大石さんのお話(魅音も鷹野も死亡日時より後に目撃されてる)が、「ひぐらし」各シリーズに幕を引く最高のぶっちゃけ話でしたね。プレイヤーをして、「なんじゃそりゃあああ!!」「どうなっとるんやぁぁぁ!!!」「いやぁぁぁぁ!!」などと、色々な感情こみ上げてきてとりあえず絶叫したくなるような、良いラストでした。


祟殺し編:8点
滅茶苦茶先が気になったのも確かですし面白かったのは確かです。ちょっと沙都子が悲惨すぎですが。叔父殺しという決断に至る心情も十分に理解できます。橋のシーンでの圭一が泣けます。意外とメッセージ性強いかも知れませんね。頑張ったけど、全く報われない。頑張り方を間違ったから。


暇潰し編:7点
いや、普通に面白かったですよ。仲間達とのやりとりに乏しかったのとホラー展開が少なかったのとでそこまで点数は上がってませんが、最後の赤坂の後悔シーンとか、好きですね。そうですよね、あれは悔やみますよね。あと、大石好きな私としては大石と仲良くできるルートで楽しかった。普通に面白かったです。失点無し。


目明し編:8点
何といっても、OPが大好きです。学園を抜け、夜の高速道路をバックに流れる「Thanks」。当時はこれが噂に聞くYOUかと思ってましたが。
なんというか。心落ち着いた詩音は何とも言えない味がありますね。ブチ切れ詩音は色々な意味で怖すぎですし魅音や圭一をいぢる詩音はハイテンションですが、そんな中垣間見える落ち着いた詩音はなかなか良い。音楽と演出がいいだけかも知れませんが。お話は、詩音のブチ切れっぷりについていけなくはなったものの、解答編と呼ぶにある意味最もふさわしい、気持ちよい解答っぷりでした。


罪滅し編:9点
何だか、このルートが一番心地良いのです。このルートだけでしょう。圭一が大勝利を収めたのは。これまでの駄目っぷりを綺麗に清算してくれた圭一、カッコ良すぎる。また、物語もいよいよ真相に迫る、という感じで、真実を虚言とが合い混じり、どれが真か考えながら進めるのも楽しかったですね。苦言は上で書いたしもういいとして、あと、最後の屋上での決闘シーン。私は肯定派ですね。確かにテキストも演出もクサいのですが、全力を尽くすって、ああいうことじゃないでしょうか。レナが目指す未来と圭一が目指す未来、それぞれを示しレナに正気を戻させるあの交渉術も見事だと思います。まさか、序盤での水鉄砲でのやりとりが、レナが正気に戻る演出の一つになっていたとは思いませんでしたしね。
最後の最後は、お約束で画面一面にロゴが出てくる演出でしたが、もう惨劇はお約束ですからね。「まだ駄目なのか!!」と、むしろ少々嬉々としてしまった自分がいます。惨劇が終わらないこと、というより、このひぐらしの世界がまだ先が見えないことに。


皆殺し編:7点
奮闘はしているのにうまくいかない、全力で頑張ったけど最悪のエンドを迎えるという、実に不愉快なルートです。もう、このルートの結末の後味の悪さは、当分忘れないでしょう。
「たぁぁぁかぁぁぁのぉぉぉぉ・・・!!!」と、地獄の底から湧き出るような声と怨み満載の目で、最後の雛見沢全滅を見ておりました。

序盤はまぁ好きなんですけどね。というかご多分に漏れず全編に渡ってほぼ好きなのですが。これまでうまくいかなかったものを、一つ一つ乗り越えていく。梨花が諦観から蘇り、奮闘する。圭一も奮闘する。その辺は好きでした。

まぁ、物語としてよく出来てはいるのだけど、ラストのインパクトが強烈すぎて、好きになれない。そんなルートですね。羽入というエキストラキャラの気持ちだけで、メインキャラ達全員の奮闘が報われなかったというのも何とも納得のいかない感じです。
大石があっさり死んだのも微妙に効いてるかも知れません。
梨花が真性炉利キャラじゃなくなったのも(ry


祭囃し編:5点
これについてはここで述べるよりプレイ日記をご覧下さい。頑張って考察もしたし。(これはスルーして下さって結構です)
何だかね、粗いんですよ。
微妙なテキストの言葉運びとか、演出とか、大きくは主張とかプロットとか。
最後の最後で色々苦言を呈するのも後味悪いのでやめておきますが、やはり、最後までプレイしてすっきりしなかったのが、この作品を「お勧め・お気に入り 共に8点」しか付けれなかった最大の理由です。
楽しかった!あぁ、楽しかったですよ!
けどね、楽しいってのは、期待も多分に含まれているのですよ!「これで一体どのような真相を、私達に見せて、いや、魅せてくれるのだろう!?」と。で、何だか変な真相で、「けど途中楽しかったからいいでしょ」というのは、期待作のエロゲーが地雷だった時に「発売日までワクワクしていたからいいでしょ」というのと同じです!実が伴わないと駄目なんです!
やっぱり、帳尻は合わせてほしかった!これだけ面白いのだから、後半若干面白さは犠牲になってもいい、やはり帳尻合ってほしかった!
祭囃し編に限定すると、もう、「ラストシナリオでこれは無いだろう」の一言に尽きます。何で赤坂と羽入といったエキストラキャラがメインで活躍して、圭一・レナがちょい役なのですか。言うならば、この前の皆殺し編のラスト辺りからの不満ですね。
羽入が普通に登場している時点で不満です。これまでの設定をいきなりぶち壊して、ハッピーエンドのためだけに登場したようなものでしょう。「えーマジ羽入登場ー?!キモーい!!登場不可能キャラの登場が許されるのはファンディスクからだよねー!(キャハハ)」と某2人組も脳内で仰ってます。
さらに、このシナリオで初登場の作者メッセージがありましたが、あれも生煮えなのが納得いかんです。勿体無い。せめて梨花が自分がされたこと全て覚えた上でシナリオ始めるべきだったと思います。
最後に、「you」。この曲を、なぜラストに使わない!!これまでの使用ポイント考えてると、ベタとわかっていても使わないといけないでしょうここは!「解」の要の曲だと思うんですけどね!
いえ、この際本音を言いましょう。私としては、最後の最後は、thanksで締めて欲しかった!山場をyou、ラストをthanksで締めてほしかった(もしくはそれらのアレンジ)!新曲で締めて欲しくはなかった!!

まぁホント…
祭囃し編もまた、竜騎士07さんの手腕によって「面白い/熱いもの」にはなりましたが、それだけで終わってしまったのは、祭囃し編のみならず他7編のためにも、「勿体無い」と言いたい。ここまで頑張ったのなら、発売延期してでもぜひ良作以上のものを目指して欲しかった。
以上、私の、正直な気持ちです。

最後は激昂気味でしたが、ここまでお付き合い下さりどうもありがとうございました。


最後に、罪滅し編が一番好きな私のお気に入りMADを紹介して終わりとさせていただきます。ニコ動でごめんなさい。

「ひぐらしのなく頃に 望絶し編」絶望ビリー×罪滅ぼし編
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2256176



web拍手
 一言メッセージ機能としてもご利用いただけます。
 いただいたコメントには後日日記にてありがたくレスさせていただいております。


  戻る  
  プレイ前用レビュー     攻略     日記過去ログ  
  Top Page