パステルチャイム3 バインドシーカー

(執筆:2013/12/24 最終修正:2014/03/03)

メーカー

Alice Soft
(ゲーム系エロゲの老舗。ユーザーフレンドリーな経営方針で支持も厚かったが、近年凋落が不安視される。頑張れアリスソフト!)

属性

発売時期:2013年2月
ジャンル:戦術SLG&恋愛ADV
用途:ゲーム
舞台:現代世界風のファンタジー世界にある冒険者育成学校が主な舞台。
顕著な性属性:めがね
プレイのきっかけ:存在すら知らなかったけど、本作が丸ごと発売日前にネットに流出するという事件に同情して衝動買い。(プレイ前の期待得点…4点)
プレイ進捗状況:コンプ

テキスト:4

あらすじ:腕利きの冒険者「カイトス」はとある事件に巻き込まれ、身体が若いころのものに戻ってしまう。仕方なくその体のまま知人のいる冒険者育成学校にて学園生活をして潜伏をする。その後、同じく体が若がってしまった魔法使い「リリアム」と再会し、「バインド」と呼ばれ人々に取り憑く異世界の魔獣を封印することに。

「冒険者学校が主な舞台の学園もの恋愛ADV」という言葉から想像できる通りの、オーソドックスなシナリオ展開です。またそれに加えて「バインドという異世界の神々を封じる」、という秘密任務があるわけですが、それがやがて世界の命運を賭けた闘いに繋がっていくということくらい主人公ならともかくプレイヤーなら誰でも想像つくわけで、その辺のシナリオ展開について特に語ることはないです。悪くもなく、良くもない。

で、そんな本作の最大の特徴と言えるのが、主人公が見た目は学園生、頭脳はおっさん(三十路)であることですね。元々は腕利きのプロ冒険者だったわけですから、学園生活をしててもヒロインや仲間と絡んでいても基本的に余裕がある。言うならば「強くてニューゲーム」です。誰でも一度は妄想するでしょう。今の記憶を全部持ったまま学生生活をやり直したら… みたいな。そんな妄想全開ではなくもっとスマートでスリムに描写されてますが、基本路線は同じですね。その辺りの学園生活は、読んでてもまぁ楽しい。

ヒロインとの個別ルートは、1人目は割と楽しいのですが、周回プレイが前提の作りになっている割に、そこまで大きくシナリオ展開が異なるわけでもなく、全く同じというわけではないですが「これと似たようなの、前のヒロインルートでも見たな…」みたいな印象を抱いてしまいました。ただここまでプレイも進んでるとCtlボタン長押しもあまり躊躇しなくなってましたので、ストレスなくサクサク進めることは出来ましたかね。

ゲームパートとセットになってるADVとしては、まずまずの出来栄えです。メチャクチャ面白いわけでもないけど、そうつまらなくもなく、たまに笑わされたり。ただ、ドキドキワクワクはほぼ全く無かったのは残念ですね。ジャンル的に、また「ぱすチャシリーズ」的に、仕方ないのかもしれませんけど。

ゲーム性:5

至って普通の戦術SLGです。キャラクター一人ひとりが1ユニットとなり、ターン制でユニットを動かして敵を倒す。それだけ。似たような作品はエロゲだと「幻燐の姫将軍」シリーズや「妖獣戦記」シリーズ、「すめらぎの巫女たち」あたりでしょうか(やだ…このラインナップ加齢臭が…)

で、大事なのは難易度等のバランス、そして私は重要要素だと思ってる、戦闘を持ち上げるシナリオですが…。
1巡目は、とにかくかったるい!私もこれで一度完全に投げ出した!
だって簡単すぎてつまんないんですよ。ユニットはもっさり動くし!(注:コンフィグで高速化出来ます) 戦闘と言っても大半はギルドで与えられたクエストという名のお使い戦闘ばかりですし。
ユニット戦闘不能によるペナルティ無し。クエスト失敗のペナルティ無し。クエストからはいつでもどこでも撤退&やり直し可。敢えて言うなら、初プレイのクエストに限り、戦闘不能キャラには達成後の好感度UPボーナスが無いくらいですか。とにかく、バカにしてんのかっていうくらいぬるい。

そして、本作の特徴と言える、バインド。各キャラには、2種類のバインドまで、選択して付けることができます。このバインドというのが極めて重要な意味を持っていて、各種ステータスに少なからず影響を与えるだけでなく、使えるスキルも(結果としてそのユニットの特性も)半分くらいはこの2種類のバインドで決まります。例えば、戦士系ユニットに攻撃力強化バインドをつけてアタッカーにしたり、あるいは魔法強化バインドをつけて遠近/物理・魔法両用タイプにしたりと、その辺りのさじ加減はプレイヤーの自由自在です。このシステムは非常に良いと思います。
問題は、やはり序盤、バインドが与える影響力が低すぎて、さっぱりプレイにメリハリが出ないことですね。
以上2つの理由により、本作を投げ出すか否かは序盤が山場となります。

ただ、中盤以降になると難易度も上がってきますし(それでも簡単ですけどね)、バインドも強力になってくるし、これまで育成したバインドが本領を発揮し始めるし、色々とプレイに幅が出てきます。ですので、中盤以降は結構楽しいです。
終盤あるいは周回プレイ時は、難易度が緩すぎて完全に「強くてニューゲーム」ですね。そんな時のためにハードルートも用意されてますが、残念ながら少し苦戦する程度で大して変わり映えもありません。

ゲームシステム自体は結構良いと思うのですよ。多様なバインドを集めて、それを育成していくのはコレクター心をくすぐりますし、実際楽しかった。
ただ、難易度が・・・ これも「ぱすチャ」シリーズの宿命か・・・ 緩いんですよねー・・・。
あとクエストも、言うなればドラクエのレベル上げずっとやってるみたいなもんですから。変なスパイス効いてない単純作業が逆にいいって人にはいいのでしょうが・・・。

実用性:6

各ヒロイン4回ずつかな?長くもなく短くもない、実用に耐えるレベルのHシーンあり。塗りも綺麗ですしシナリオも王道ですし、良いんじゃないですかね。(私は基本的にCtlキー押しっぱなししてましたけど)
どのキャラにも必ず着衣というかコスプレHが1つずつあるのは、これ最近のトレンドか何かですかね。大歓迎なのですけど。あと全キャラ1回ずつフェラもあり、かな。ちゃんと咥えてます。

ただ、そこに行き着くまでがかなり長いですので、「Hシーンは当分後」と割り切ってプレイする必要があります。最初から鼻息荒くプレイしてるとサガオ先生のお力を借りることになります。

音楽:7

まず主題歌がいいですね。あと主題歌のoff vocalバージョンも何パターンかあって、それぞれ結構良い感じです。
主題歌と言えば、本作の主題歌(OP曲)は大和さんがギター演奏!アリスボーカルコレクションへの招待ギタリストがこちらにも参加してくれた、という経緯でしたよね、確か。大和さんはこの動画がマジでかっこいいので、大和さんが誰か分からず戦国ランスプレイ済の方は是非。

で、肝心のBGMですが。シナリオとゲームパートが全体的に今ひとつ盛り上がらないので、音楽の評価もそれに引っ張られてプレイ中の評価は低かったのですが(5点)、プレイ終わってから音楽だけ聴き直してみると、「あら良いじゃない」。これは音楽だけの方がむしろ楽しめるわというお得感。
何曲かは、プレイ終わってから割と経っても、結構ズルズルと楽しく聴いてられます。裏は取ってませんが、この辺絶対Shade氏作曲分だろうなぁと確信してます。

あと、ボーカル曲が割と多いのですが、この辺については今のところ特に語ることもないです。

ボーカル曲:4曲(民安ともえさんも歌ってるよ!)

キャラ:4

主人公:本名カイトス、偽名エイジ(名前変更不可)。明るく頼りになる。
リリアム:ロリ枠ピンク髪。でも擬似ロリ(中身は大人)。そのくせ性格は一番幼い。
エミリィ:教師。主人公の元カノ。お姉さん枠。しかしカイトスの後輩。
マリ:同級生。いちおう巨乳で、明るく家庭的な性格で怪力。
蒼生:後輩。ナナギと呼ばれる東方の国の帝を守護するための剣術の家の跡取り娘。引っ込み思案。
シャーリー:お嬢様。ツンデレ枠。

特に語ることもないです。無難なキャラ設定だとは思うが、破壊力もない。

声:男女

フルボイス。…と言いたいけど、泡沫イベントは声無し。
少なくともメインキャラ達の演技には文句一つございません。男キャラも含めてね。

時間:5

コンプ目指してるとプレイ時間80時間くらいにはなるんじゃないかなー?私がのんびりやりすぎなのもありますけど。あと、2巡目3巡目くらいまでの周回プレイはそうストレスではありません。しかしコンプはやはり面倒であった…。

その他

システム:概ね良いのですが、一点だけ。ウィンドウの透過率いじれたらなぁ…という。CGがウィンドウで隠れて、ウィンドウを消すのに2クリック必要なのが面倒でした。

演出:全13章あって、各章でOPムービー有り。分かるな。
…できれば、途中で1回でいいので、また一部だけでいいので、OPムービー差し替えてほしかった…。最初から最後までずっと同じってのはなぁ…。(13回分全部見た)
あと、「蒼生」っていうキャラ設定的に全然めがねっ娘じゃないヒロインがいるんですが、この娘が何故かめがねを付けたり外したりしてて、しかもコンフィグで「めがねを付けっぱなし/外しっぱなし/イベントに合わせる」の3択で選べるというTADA得仕様。

その他: 本作に登場するバインド達が、キャラ設定含め結構見てて面白かったです。

お勧め度:4

うーーーーん…
いや、全体的に、どこもクオリティは低くないと思いますよ?雑な仕事って感じも全然しないし。
けれど、パステルチャイムシリーズ好き、アリスソフト好きでもない限り、特に勧めようという気にもならない。やりたい人だけやればいいんじゃないですかね、くらいの投げやりな感じが一番しっくりくる。
一応お断りしておくと、前作までと同じ世界設定ですし、前作までのキャラがたまに現れたりもしますが、本作が初プレイでも全然問題無いです。

ゆるめの空気、ゆるめの難易度で、余裕綽々とゲームをしたい(&ヒロイン達と適度にキャッキャウフフしたい)っていう社会人ゲーマーには、良いかも知れませんね。本作にかぎらず、ぱすチャシリーズってそういうものですからね。

あ、ここまで読んでおいてそんな人はいないと思いますが、「俺はもっと硬派でやりごたえのある戦術SLGがしたいんだよ!!」っていう人には、「妖獣戦記」っていう作品をオススメしますよ(ニッコリ)


気に入り度:5

ブーブー言いながらプレイしつつも、なんだかんだでコンプまで到達した、数少ない作品ですからねぇ…。
私ほんとこういう収集&育成系のゲームに弱いわ…。



<(この作品については、攻略プレイ後用レビューにても触れております。)

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