暁の護衛

(執筆:2021/04/15)

製作

しゃんぐりら
(あかべぇそふとの下位ブランド。解散済)

属性

発売時期:2008年3月
ジャンル:ADV
用途:読み物
舞台:近未来の日本の一都市・学園
顕著な性属性:
プレイのきっかけ:有名だから セールで買ったから(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:コンプ

テキスト:6

あらすじ:近未来の日本。貧富の差が進み、貧民達は隔離地区に押し込められ、弱肉強食の世界で生きることを強いられていた。一方、資産家達のお嬢様達のボディーガードが花形の職業として成立していた。
お嬢様のための学校であり、またボディーガード養成校でもある「憐桜学園」の学園生である主人公は、入学式をサボっていると、白昼にお嬢様が誘拐される現場に出くわしてしまう。実は超強い主人公は、誘拐先に潜入し悪人達をバッタバッタとなぎ倒しお嬢様を救出する。そのお嬢様は実は超有名な資産家の娘であり、そのお嬢様のボディーガードをできることはボディーガード達の中でも大変なステータスだった。そのお嬢様に気に入られた主人公は、成り行き上そのお嬢様にボディーガードになることになるが…


主人公は、特殊な過去を持っておりとにかく強いです。態度も成績も悪い学園生ですが、顔は良いし実は頭も良い(成績は敢えて低くしている)という、まぁ万能キャラです。で、ジャンルは一言で言えばラブコメです。ラブロマンスではありません。ラブコメです。ただ、ラブよりコメ寄りです。というのも、主人公の友人達(男)との掛け合いシーンが多いのが特徴なのです。
学園と主人公が雇われ住んでいてる屋敷とを中心に話が進む、まぁやや異色学園ものでもあります。それでいて、主人公も仲間もボディーガードですので、少しだけバトルものでもあります。
ずっと軽ーいやり取りが続きます。シリアスシーンも適度にありますが、ドシリアスにはほぼなりません。スパイス程度のシリアスです。
以上を踏まえて、プレイ感なんですが・・・・・・
とにかくチープ!スナックフードのようにチープ!仕事終わった後に頭空っぽにしてチューハイでも飲みながら「ガハハ!」って言いながらプレイするのが丁度いいくらいのチープ!
ギャグは、正直今プレイするにはちょっと古いしヒット率もそう高いわけではないとは思います。ただ、頭空っぽにすれば割と笑えます。これは地味に大事な点です。ギャグって難しいのです。エロゲとしては、及第点以上のギャグ度合いかと思います。
シナリオとしての巧さは、ルートによって割とばらつくかなという感。基本的に絵に描いたようなベタベタシナリオなのですが、かと思っていると驚くほど生々しい展開が出てくるし、それに舌を巻いていたら今度はパクりスレスレのインスパイアシナリオも出てくるし。まぁシナリオについては期待せず…というかくどいですが頭空っぽで楽しんでいればいいのではないかと。そしたら多分かなり楽しめる。
そして何より評価したいのは、サクサクプレイできることです。ラブコメとシナリオ展開とシリアスのバランスがちょうどいい感じで、間延びしていないんです。なので、ある程度までプレイ進められれば積みゲーになりにくい。そして上述のように超チープなので、本当に気軽にプレイできる。これはヒットしますわ。上質なフレンチフルコース1食よりもマクドのポテト10万食ですよ。自分でも何言ってるのかよく分かりませんが。
あと、なにげにすごいのは、プレイヤー達をもてなすエンタメとして首尾一貫している点ですね。職人魂を感じた。
一方で誤字脱字等、細部の作りの粗さもすごかった。ここには職人魂と逆のものを感じた。


ゲーム性:3

王道のADVです。ほぼ詰まることはないかと思います。
隠しヒロインが1人いて、そこだけは事前情報が無いとちょっと辿り着きにくいかも知れません。
私は攻略サイト見て初めてそのキャラが攻略可能(といって良いのか)であることに気づいた。

実用性:3

各ヒロイン(ほぼお嬢様)とのラブラブ和姦ばかりです。
尺はやや短いですし内容はソフトですしシーン数も控えめですので、実用性には乏しい。まぁあんまり実用って感じの作品ではないですし。

音楽:4

特に感想はないです

ボーカル曲:2曲(OP, ED)

キャラ:6

主人公:「朝霧海斗」(名前変更不可),超強く頭も良いが全体的に不真面目なボディーガード学園生。
麗華:主人公の護衛対象。超有名財閥の娘。優秀だが大変気難しく、これまで一人もボディーガードを付けようとしなかった。
彩:麗華の妹。ほわっとした気立ての優しい娘だが、実は相当なゲーマー。
萌:主人公達より1学年上。武術の達人。おっとりした食いしん坊キャラ。
妙:クラスメートのお嬢様。お嬢様の中では飛び抜けてアホの子だが、母親は超インテリなロボット工学者。
ツキ:麗華の屋敷のメイド長。仕事に超忠実だが、独特なキャラで主人公にも普通に毒舌を吐いたりイタズラを仕掛けたりする。
尊徳:主人公と同じくボディーガード学園生。彩のボディーガード。優等生だがプライドが高く態度も大きい。主人公を前にするといじられキャラになる。
薫:主人公と同じくボディーガード学園生。萌のボディーガード。女みたいな名前と顔と声。真面目な性格で、尊に次ぐ優等生。
侑祈:主人公と同じくボディーガード学園生。妙のボディーガード。主人公と成績下位を争ういい加減で陽気で気さくな男だが、実は妙の母が作ったアンドロイドで、ボディーガードとしての性能も極めて高い。

後ろ3人が主人公がよくつるんでいる友だちキャラですね。キャラ萌え的なのは厳しいかも知れませんが、私は2人印象的だったヒロインがいますし、男キャラ達も、最初はどうかと思いましたがそれぞれ良いところがあって良い感じ。キャラゲーですからね、本作。

声:男女

モブキャラまで含めフルボイス。
どのキャラも声優さん達の声はかなりしっくり来ました。あと大波こなみさんは私の中ではなぜか「おまえの夏休み」の印象強くて、良いキャラに巡り会えた感があった。

時間:4

短くもなく、長くもなく、という分量。

その他

システム:これは私の環境がおかしいだけかも知れませんが、オートモードにしてると高頻度でゲームの方がフリーズ起こすんですよね。こんな症状は長いエロゲ歴で初めてなんで、原因は不明ですがまぁ印象は良くない。
その他:申し訳ないけどさすがにコスパの高さというか背景CGの乏しさが気になりました。いかに低予算で回すかみたいな舞台裏が感じられて… いやその良いんですけど、そういうところもあってそこは職人魂というかプロ感が伝わってきて複雑でした。

お勧め度:7

これぞエンタメ。
ノリが若干古くて寒いこともありますが、そこさえ看過できれば「頭空っぽで気持ち良くサクサク進められる作品」としてお勧めできます。
昔懐かしのフレーズ「それなんてエロゲ」とはまさにこれのこと。
ただ、シナリオゲーではなくキャラゲーだと思って臨んだ方がいいでしょうね。
あと、本作は随所にボケとツッコミが散りばめられており、主人公は無敵キャラで割とクールですが悪ノリもするしボケ担当にもなるし他人の身体的特徴いじりもするので、そういう主人公が苦手な人も、気に留めた方がいいでしょう。



気に入り度:6

なんでしょう、私は前情報無しで勝手にシナリオゲーだと思い込んでプレイしたのですが、蓋を開けてみればシナリオゲーとバカゲーの中間というか、基本的にヒロインや男キャラ達との掛け合いばかりで進んでいくが控えめながらもそれぞれのヒロインルートがちゃんとシナリオとして成立はしているという、なんか意外とこれまでに私が触れてこなかった作りで。
そんなわけで、プレイ中はテキスト・シナリオのチープさに散々不平を垂れながらプレイしていた(プレイ後用レビュー参照)のですが、終わってみたら新鮮な体験だったような気がするし、「あーこれはこれで良い作品だなー」ってなっているからすごい。すみません、私の負けです。
続くファンディスク「暁の護衛 プリンシパル達の休日」はファンディスクなのに本作よりも楽しめたり、それもまた新鮮。どんどん沼に取り込まれていってる感ある。
ただね、作中で主人公が頻繁に行う貧乳いじりとか低身長いじりとか短小いじりとか、そういうのが気になるくらいには現代に来たな自分って思います。
時代の進む速度、早いですよね。




(この作品については、プレイ後用レビュー(*ネタバレ多数)にても触れております。)



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