この青空に約束を―

(執筆:2017/04/04 微加筆微修正:2017/04/09)

■おすすめヒロイン攻略順反省会■
最初はやっぱり凛奈が良さそうですね。メインパートも凛奈中心に進みますから。2回目以降はメインパート全スキップすることを考えると、やはり最初に凛奈をメインパートと併せて進めるのが一番美しいでしょう。
しかしこれをやるには、一つ大きな障壁がある。そう、凛奈エピソードが選択可能になるのは、シナリオがある程度進行してからなのです。
最初の何回かの選択時は、ヒロイン5名の中から選ばないといけない。となると、この時点で気が早い私なんかは、別ヒロインに決定してしまうのですよね。
正直私、攻略予定のないヒロインのエピソードは極力開放したくないのですよ。逆に言うと、そのヒロインのエピソードを開放してしまったのであれば、その巡はヒロインを攻略したくなる。
そうして初回攻略が海巳になった私であった。
この辺、ゲームシステムが悪いとは言いませんが、私には合わないシステムでしたね。

そして、ざっと批評空間とか見る限り、推奨攻略順としては最後にこの海巳を置く人が非常に多いようでした。
全シナリオ開放後、もう一度海巳シナリオをやり直してみてようやく分かりました。つぐみ寮が取り壊しから免れるの、多分このルートだけなのですよね。
これが・・・ねぇ・・・。
グランドフィナーレが海巳なら、私も諸手を挙げて海巳ルート最後を推奨しますよ。でもそうじゃないでしょう。グランドフィナーレは茜ルートで、しかも茜ルートというのはつぐみ寮が予定通り取り壊しされるルートじゃないですか。これが、正直結構気持ち悪い。
何が気持ち悪いかっていうと、仮に6人のうち最後を海巳にしたら、最後の最後にようやくつぐみ寮取り壊しを免れて、やったーと思ってると隠しシナリオ開放されて、約束の日で取り壊し決定していて、その上で茜ルートで取り壊し後のシナリオが展開するという。
こういう隠しシナリオを2本用意するなら、6人のルートでは全てつぐみ寮は取り壊しから免れてはいけなかったんじゃないかなと思うのです。作中で何度も繰り返されるのが、つぐみ寮が取り壊されて寮生がバラバラになるというのが、確定した未来である、という描写。
ルートによって未来が覆されたりされなかったりするよりも、これをもっと厳粛に守った方が、作品としての味わいは増したんじゃないかなぁというのが、私の意見です。正直誰からも賛同は得られなそうですが。
取り壊しを免れるルートは、最終シナリオであるとか、明らかにメインヒロインのシナリオであるとか、特別な位置にあってほしかったなと、思うのです。海巳シナリオは、もちろん割といい話ではありますが、メインヒロインシナリオと呼ぶには(他のヒロインシナリオも十分優れていたという意味で)弱すぎるように思います。


■好きな曲■
MUSIC MODE開いていたら、結構好きと言っていい曲が何曲も出てきて、書いていたら大変なので、特に好きな曲だけ書いておきます。
まず、「さよならのかわりに」。まぁ定番ですね。これは、どこかでも書きましたがChorusバージョンから入って通常バージョンも好きになりました。普段聴くには通常バージョンの方が聞きやすい(というかCHorusバージョンが普段用に向かなさすぎる。喘ぎ声聴きながら朝食食べるくらいきつい)
そしてもう一曲は、会長のテーマ曲「嘘と自転車」。これを挙げる人はちょっと少なそうなので、挙げておきます。通常BGMとしては飛び抜けて好きでした。


■各ヒロインとヒロインルートについての感想■
私の初回攻略順。数字はシナリオの私的点数。

海巳:4
つぐみ寮解体撤回署名を求める海巳の演説、私なら絶対あれ聞いても署名せんなーと思います。ただのリア充のノロケやないか。
海巳はねー…。「淫売の娘」が一気にエロくなるところとか、ちょっとグッとくるものがあってあの雰囲気は実にいいのですが(耽美系実用ゲーで使えそう)、本人のキャラが、どうも。「航ぅ助けてぇ」的なのがどうも。海巳に対する航の態度とかも、なんか好かんですし。
一応、海巳の過去が明かされる辺りとか体育館の演説とかが泣き所らしいのですが、海巳の過去も体育館の演説も、泣きゲー何本もやってる身としては明らかに泣かせテクを使わなすぎて、淡々と読み進めてしまいました。幼少期のトラウマ体験なんかも他ゲーでもっとえぐいのに馴らされてるものでね…。
ただ、最後のフォークダンスで航が泣いていたシーンは、共感しました。良いシーンだったと思います。

凛奈:7
確かに、声には少し違和感を覚えないでもないですが、私は許容範囲。むしろアウトだったのが、コメディパートでの崩れた顔。プンプン顔みたいなやつ。
凛奈は、本当に可愛らしく描かれていると思います。
凛奈ルートは、航君が結構ウジウジ度高めですね。むしろそれにより凛奈の航大好きっぷりが強調されていて、凛奈のかわいさが引き立っていたように思います。ふたりとも、合わない合わせ石に、お互いの願望を重ね合っていて、それを隆史さんが「お似合い」と評していたあたり、好きです。
そして、凛奈ルートをもう一回やり直すと、学園祭のあれこれはなかなか良いですね。
ピーターパンは言うまでもなく。ウェンディこと海巳が、凛奈シナリオでも良い立ち位置ですね。そして、海巳シナリオも済んでいると、学園祭での海巳の言動がなかなか泣ける。特に、最後のフォークダンスでは、最初航は海巳とフォークダンス踊っているんですよね。そして、海巳に促されて凛奈にバトンタッチ。その時、海巳が「さよなら、航」って言うんですよね。

話蒸し返して悪いけど、海巳シナリオでは、「あんなにシャイだった海巳が学園祭で名司会を!」っていう売りがあったようですが、海巳シナリオより、こっちのピーターパンの名ウェンディ役の方がすごいと思うし、凛奈シナリオではこのウェンディ役を途中から(何の描写もなく)割と普通にこなしちゃってたりするから、先に凛奈シナリオやってから海巳シナリオやると、感動薄れるんじゃないかなと思うのですよね。上記2点から、海巳→凛奈という攻略順はかなり有りな気もするけど、上述のように最初はやはり凛奈が良いと思う。ということで、当サイトの推奨攻略順は、簡易攻略ページに書いたように「凛奈から始めて、全シナリオ解放後、まだこの世界に浸りたいならもう一度凛奈」になりました。
あと、ED曲「さよならのかわりに」のエピソードがこの凛奈シナリオで出てくるのですよね。これも、コンプ後に凛奈ルートもう一度やってようやく「ああ、この曲は!」ってなりました。
正直、各ヒロインのED曲、つぐみ寮寮生会合唱団が歌っているって分かりにくいのですよ。ED冒頭に記しておくべきなのに、あろうことか冒頭で記されるのは「ave;new」の文字。いやいやいや。「ave;new作」でしょうが、それよりも大事な情報があるだろうが作品演出的に!と思います。(EDムービー総スキップした者の感想)

静:4
ロリ担当。良いロリだったと思います。正直それ以外あまり覚えていない。子供だと思っていた少女が性に目覚めて一気にエロくなるところにはちょっとグッとくるものがありましたよね。ね?

沙衣里:7
私、実は丸戸さんの年上シナリオには最初からちょっと期待してたのですよ。これもほぼ共感されないでしょうが、パルフェでも年上シナリオ個人的にツボだったので。そしたらどうだい。私の期待、的中。
良いじゃないですか、沙衣里シナリオ!ダメデレヒロインでありながら、やるところはきっちりやる。職員会議で、四面楚歌の状況から主張を積み重ねていき一人ひとり説得していくところが、私的に本作全体を通してもベストエピソード。配置された静もピリリと辛くてgood。そうそうそうなんだよ、ダメヒロインのシナリオというのはこうじゃなくっちゃ。(海巳シナリオを見ながら)
そして、それでいながら年上で教師でガード固めのくせに、陥落したら普段からでもベッドの上でも主人公ベッタリになるところも普通にグッと来ました。

宮:7
一見ただのツッコミ担当サブヒロインなのですが、なかなかどうして、ヒロイン確定してからは堂々とした、高嶺の花ヒロインっぷりでしたね。このルートは、期待していなかった分良かったです。宮が、学園祭を最後に完全に島での生活を諦めていたのが実にいい。こういうの好きです、私。それをひっくり返すため、主人公が身分の違いを物ともせず徒手空拳であがくところとか。
お屋敷の人達を人たらしで籠絡していってるところとか、格好いいですよね。
またこのシナリオでは、宮はお嬢様であり、かつ主人公の奴隷になるかならないか、という対比も映えていましたね。サブキャラの執事さんも豹変有りとキャラが立っており、色々と味わい深い。

奈緒子:7
はい、美味しいものはなるべく後においておきたい私が最後に攻略したのが、この会長ルートでした。
やー、予想外であり、予想以上でもあった。まさかこんな男女のネチネチドロドロルートになるとは。会長、爽やかでサバサバっぽいですが、このルートでようやく全ての本性が出ていましたね。毎晩先輩と星を観に行って、自分を嫌いになってもらうためにずっと嫌な話を続けているところか正直、「こんなやついねーよ!」と思ってしまいましたが、まぁギャルゲなので。
ていうかあの先輩どう考えてもどこからどう見てもかわいそうすぎだろ先輩救済ルート用意しろよ。
それはともかく、会長。主人公が最初に好きになったヒロインであり、主人公の初体験であり、しかもお互い初体験という、もう、これだけ見れば完全に典型的ギャルゲヒロインなんですが、その初Hがただの贖罪というのがね。こんなやついねーよと思いながらも、このぶっ飛びっぷりには正直クラクラさせられっぱなしでした。
悪女、なんですよね。とにかく主人公を手玉に取ってきて、自分の思いを見せない。
個人的には、かなり高評価なんですよ。
「現実にいそう」という意味でのリアリティとしては割と破綻しているけれど、このルートの中だけは許されるような、そういう、作品にのめりこめるという意味でのリアリティが出ている。
○箇条、とかも良かったですね。この○箇条、ルート後半までは伏せられたまま、「しかしこれは○箇条に反する」的な感じでぼかされるのです。それを、ルート後半になると主人公が一人で自転車漕ぎつつ大声で唱えるところで明かされる。この演出も、なかなか胸に来ました。このルートで一番好きなところだと思います。
やっぱり、全ヒロインのうち、ルート突入後に明かされたものの大きさというか、秘めていたものの大きさが一番大きいヒロインでしたし、その分、その他ルートでの会長の言動もなかなか味わいが出ていたと思います。あと、主人公を完全に手玉に取っていたはずのヒロインが何憚ることなく主人公ゾッコンを表明したあたりはやはりグッと来ますね。Hシーンも、この人のHシーンは内容的にもかなり変則的で、普段ラブラブHは粗方スキップする私が最初から最後まで全部読んでしまいましたからね。いいHシーンテキストでした。

約束の日:5
いや反則だろこういうのは。なんでここだけ泣きゲーなんだ。手法的意味で。卒業式的泣きシーン&ヒロインの号泣ボイス×6(かな)も詰められたら、そりゃホロホロもらい泣きするわ。
つられ泣きの無さとかに各声優さんの個別録音っぷりが伺われてリアリティが・・・みたいな感想もきっちりあるんですが、まぁここは力押しで押し切られた。
あと、やっぱりこれ聴いた後だと通常ver.も違って聴こえますね。歌詞もしっかり聴いてしまう。

茜:7
航君航くんわったるく~ん!
↑初回プレイ時は完全に聞き流していたのに、段々ツボるように…。今では本作で一番好きなフレーズに…。
やー、良い娘ですね、茜。このルートで明かされた茜の健気さにはどのプレイヤーもじーんと来たんじゃないですかね。
まさかね。凛奈ルートで妙なことになった合わせ石の、航の方の真の相手とはね。凛奈ルートでは、夢に見た過去の女の子との想い出を頼りに凛奈のために一日中石探しをするわけですが、そう考えると改めて茜かわいそう・・・。
そしてこのルート、茜の明るさとは裏腹に、とにかく暗いんですよね。そう、私好みなんですよ。そして茜は茜で、ただの能天気少女なのではなくて、航を気遣った上での明るさでもある、という。
そして、航があの崖を一人下り、茜をおいて行った後のシーン。
せっかくの浴衣もボロボロの傷だらけで、
「航君、航くん、わったるく~ん…
 会いたかった、会いたかった、会いたかったよ…」
泣ける。
そして茜の胸でついに心の堰が切れて号泣する航。良いシーンだわ…。
この後、ついに航が復活して、反撃の狼煙を上げるんですよね。
正直この後のシナリオをしっかり読みたかったなぁというのが正直な想いなのですが、もはやつぐみ寮も無くヒロイン達も散り散りになった後ですので、ここのシナリオは本作としては蛇足、ということで、結末も明かされることなく綺麗に締めくくられたのでしょうね。打ち切りという意味ではなく、
茜ルートが短めであり、また茜自身もメインヒロインという感が出されていないのも、同様の理由なのでしょう。あくまで、EXTRA、IF的なルート、という扱いなのでしょう。
ちなみに、深夜の埠頭での浴衣でのHシーンには、ちょっとほっこりはしたものの全くグッと来なかった。



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