キラ☆キラ(プレイ後用レビュー)

キラ☆キラ

(2007/12/15-12/31執筆)




まず初めにお詫びから。
正直、あれこれくどくど語るような作品ではないと思うので手短に済ますはずだったのですが、結局すごいくどくどと語ってしまいました。
それに、プレイ前レビューと書いていること結構被ってる気がします。どちらも何回か手直ししてたから、もう訳分からん状態です。ごめんなさい。
校正するのも骨が折れるので垂れ流しさせていただきます。
いいんだよ、これで!ストーリーなんかクソっくらえだ。(すみません)



クリアした順に書きます。


まず序盤。

いや、学園生活は実に面白かったですね。何が面白いかといわれると説明できないのですが、ロックやパンクといった騒々しくも熱いものに入門していく主人公達のアンニュイなノリが、妙なギャップと雰囲気を醸し出し、えもいわれぬ味を出していたような。
お茶会での
「くそったれなお茶でした」→ティーカップ落
コンボには作中で最も爆笑しましたし、学園祭は燃えましたし、あの、全国ツアーに出発するところとか本当にワクワクしましたね。
ただ、その後が…


以下、各ルートについて、結構シリアスなノリで感想書いてるので、そういうだるいの嫌いな人は、最後の方の各キャラについてのコメントまで飛ばして下さい。


橿原ルート
…沖縄とか、要らなかったんじゃない…?
完全に惰性で話進んでいたような…。
橿原の別荘に乗り込んでいく辺りちょっと面白かったですが、うーん…
鹿之助の意外な過去・一面が語られていましたが、すみません忘れました。あまり面白いと思わなかったので…。


きらりルート其の一
そう、橿原の次はいきなりきらりを攻略してみたのです。

きらりが死ぬ辺りまでは、なんというか、前情報(「きらりルート1の方がむしろ良い」など)があったのでだいたい想定内だったのですね。泣くだとか感動とかとはあまり無縁で。鹿之助がおかしくなってるところとかも、お話にのめり込みはしたものの、まぁまだ想定内。
あれ?と思ったのが、屋上への扉を開けた後。
屋上じゃない。きらりの家。しかも5年前。何だ?何が起こったの?
まさかの夢オチ。
けれどこれは妙にリアリティあって好きですね。これまで、感情に蓋をして、変な表現だけど死んだようにバンド活動をしていた鹿之助。その鹿之助が、夢と妄想に助けられ、ついに5年間蓋をしていたものを開放してしまう。
起きれば、彼にとってそれはもう5年も前の出来事。彼の涙も、本来5年前に流すはずだったもの。

朝日を浴び、自分がきらりと訣別してしまったことを悟るシーンから終盤にかけては、圧倒的に面白かった。(ここが、特に面白く、特にくどくど書きたくないところです)
作中、名言が出た時は覚えていたらちゃんとメモするようにしていたのですが。特にここから後が名言ラッシュだったですが。
ラストシーン、メモなんか取れない。プレイしているその瞬間を全力で楽しむことにしました。よって最後のシーンは何一つ記録していません。
最っ高に震えた。その一言で不足は無いでしょう。


千絵姉ルート
上で、クライマックス風に熱く語った後に、今度は淡々と千絵姉ルートです。えー、何というか、何だか切ないものがありましたね。千絵姉自身が「自分が本当に欲しいものは手に入らない」「鹿之助と私はちょっと違った道を歩んでいる」(だっけな)と言っているとおり、二人の間にある、生き方?感じ方?の溝は最後までそのままで終わりましたし。
先にきらりルート其の一を見てしまった身としては、二人の断絶感もひときわでした。(貧乏ボロボロロックンローラーと真っ当な社会人)
けれど、千絵姉エンド後の彼らは、そんな生き方の違いも「ロックンロール!!!」で乗り切るのでしょうか。
そうあって欲しいと思う、「本来ならありえないエンド」感が濃厚なエンドでした。その辺がちょいと切ないですね。千絵姉大好きなのですが。3人の中で一番好きなのですが。

で、このルートでの一番の考察ポイントは、多分千絵姉ではなく、きらりが語った幸福論ではないでしょうか。(白神さんも何か言ってた気しますが忘れました)
見所は2つあって、まずは、「理解し合うこと」への懐疑的な見解です。理解し合えば幸せになれるってわけじゃない、理解し合わなくても仲良くできる。
…と語っているのですが、実はこれ、氏の他の作品でも毎回描かれているんですね。彼のテーマなのでしょうか。特にCARNIVAL小説版でしょうか。こちらはこちらで綺麗にまとまっていると思いますので未読の方は興味おありでしたらゲームと併せてどうぞ。(ここ読んでる人の大半は少なくともゲームの方は終わってそうですが)
で、もう一つの見所はこれ。
理解し合おうとすることなんかじゃ幸せにはなれない。なぜなら、この世の中の幸福は、足りていない。人が必要とする分よりずっと少ない。
正直その解釈にはあまり賛同できないのですが、実に面白い考え方だなと思いました。
きらりはその解決法として、「カレーパーティ」と言っています。各人が余っている分が少しずつ出し合って、皆で作って皆で分け合う。皆でやるってことが大事なんだと。バンドもまたそうなんだと。
私の中では、きらりにとってのバンドというものの立ち位置をはっきりさせた言葉だと思っています。
もう少し言うと、こういったきらりの想いを、きらりルート其の一での5年後の鹿之助が継いでいるような気がして、何とも言えない気分になりました。想いを継ぐというか、図らずしも体現してしまっているという方が正確ですね。
この発言は千絵姉ルートでの発言ですが、この考え方は全ルート共通のきらりのものでしょう。きらりルート其の一でもそう思っていたであろうきらり。そのきらりが胸の中に棲みついてしまった鹿之助の5年間。そして夢から覚め、胸の中に済みついたきらりと決別してしまった、どこかとても清々しい新鹿之助。そんな新鹿之助が、実は本人も知らぬうちにきらりの想いを体現しているなんて、ちょっと、キませんか。村上が名づけた「ハッピーサイクルマニア」という、思わず噴き出してしまうような名前に、なぜかちょっとキませんか。


きらりルート其の二
攻略順は、樫原→きらり1→千絵姉→きらり2の順だったのですが。
もうね、きらり2やり終わるまで、ハッピーサイクルマニアの曲聴くだけで胸いっぱいになるのですよ。
本当に、あのきらり1のラストの持つパワーは凄いです。わけもわからぬまま圧倒されます。
でも、このきらり2を終えてしまうと、違うのですよ。「キラ☆キラ」の最後を締めくくるのは、やはりこの曲ではないのです。
終盤のきらりの言葉が印象的でした。
「私の周りの人は、なんだかみんなかわいそう。もう嫌だよ。本当はみんな凄くいい人なのに。だけど、おかげで、難しいことが一杯わかったんだ。悲しいことがいっぱいあったけど、わかったことは、すごくいいことなんだ。私、この気持ちをなんとか形にしたいの」
「ねえ鹿クン、わかる?私だけがわかっちゃったのかな?だとしたら寂しいな。鹿クンにもわかってほしいの。元気を出してほしいの」
そうか、だからきらりの歌う歌ってこんな感じなのか!
ハッピーサイクルマニアの「a song for」、私全曲の中で一番好きなのですが、頭一つ抜けて好きなのですが、これは、涙拭って突き進むような歌だと思うのです。
完成度といい気合の入り方といいそのテキストといい明らかに優れているのはルート1の方です。けれどきっときらりと鹿之助が進む道は、やっぱりこっちなんです。なぜならこれはきらりを描いた物語だから。キラキラとした明日のための物語だから。
そう感じました。





最後に、全ルートを通して
瀬戸口×OVER DRIVE、皆さんはいかがだったでしょうか。
私は、良かったんじゃないかなぁと思います。正直途中の展開とか、背戸口氏が企画に則って粛々と(おとなしく)シナリオ書いていたような、ぶっちゃけて言うと退屈で平板なところも数多くありましたが、作品の根幹であるコンセプトとして、瀬戸口氏の切り口によるロックというのは非常に魅力的でした。私が不勉強なだけなのでしょうが、これまでロックというのは、何でもいいからノれる曲をかき鳴らしてるだけの大衆音楽だと思ってたのですね。(だから嫌いというわけでは決してないです。むしろ好きな部類です。多分よく聴いてると思います。クラシックとかあまり聴けない人間だし)
まぁ音楽は好きなのですが、私、学園祭とかでやるライブのノリが大嫌いなのです。一部の人間のナルシズム溢れるカッコつけに付き合わされるのも見せつけられるのも大音響を否応なしに聴かされるのも。ああいうのは公開自慰に等しく、公開自慰と異なり本人に恥ずかしいという認識がない分公開自慰より酷いと、そう嫌悪していたわけです。
今もその思いは多分消えてませんが、多分その理由は、私が学生時代に見せつけられたバンドというのは、音楽を「目的」としてではなくモテるための「手段」としてやっていたのが気色悪かったのだろうなと思います。(高校時代の、私の、バンドとの初コンタクトがそれ。)
けれど今回、こうやって主人公達、バンドマンの位置からのお話ということで、モテるためでも自慰するためでもなく、バンドをするためにバンドをした(きらり、そうですよね)、あるいは皆で何かするためにバンドをした(残り)、もしくは現実逃避のため(きらり編鹿之助)であったりロックのため(村上)であったり、そういったもののためバンドをした、そういう、何と言うかな、公開自慰ヤーでは勿論無く、「音楽屋」「音楽通」とかよりもっと私に近い位置の人間がやる音楽ということで、非常にすんなりと、これまで嫌悪対象だった「バンド」ものというシナリオに入っていくことができ、バンドやロックというものについて何かしら感じることができたのは、良い機会だったと思います。
序盤の村上や殿谷が語るロックというのが面白かったです。「Don't think, feel」の精神に近いのでしょうが、先のことを小ずるく計算して立ち回るのではなく、瞬間を爆発させる、それがロックだ、というのはこれまでのロック、ひいては音楽に対するイメージに少なからず影響を与えるものでした。
ちょっと話は変わるのですが、最近また吉川英治「三国志」を読み返しておりまして。その中で、強敵(関羽だったかな)に対してとある武将が「強敵に出逢って戦わないというのなら、なぜ武将として生きていようか」みたいなことを言って戦いに挑むのですよね。似たような発言は他にも散見されますが、何を思ったかというと、「三国武将はロックだ。」
もう言うまでもなく、バカです(私のこの発言もそうですが、それはおいといて、この考え方が)。
人間の優れた能力の一つである未来志向的な考え方をせず、進んで心を現在に縛りつけようというのですから。でも、感情ってのは過去でも未来でもなく「今」というこの瞬間のものではないでしょうか。
ロックバンドというのは、「今」という要素ともう一つ、「みんなで一つのものを」という要素があると思うのですが、その辺を、瀬戸口氏が見事に自分の土俵でお話作ってくれたのが良かったですね。理解の不可能性とロックバンドが絡むなんて、夢にも思いませんでした。
発売前は、正直なところ、いくら瀬戸口氏だとは言えこのノリで瀬戸口氏真骨頂のお話が描けるのか甚だ心配でした。SWAN SONG至高主義者としてはあれとは全然方向性もノリも違う、音楽バンドがテーマの物語で、一体どれだけ氏らしさを見せられるものか。「瀬戸口だから買うけど…」という気持ちが強く、「それでも瀬戸口なら…瀬戸口なら何とかしてくれる…!」みたいなことは、言ってみたものの自分であまり信じていませんでした。
結果としては… まぁ、心配していたほどではなかった。けれど密かに期待していたほどでもなかった。 けれどけれど、全然期待していなかったものを見せてくれた。
そんな感じですね。
多分ね、当たり前のことですけど、音楽が無いと、絶対にこの感動は無かったと思うのですよ。音楽も、彼らの作ったこういう曲じゃないと駄目だったのですよ。

瀬戸口氏×OVER DRIVE×milktubに感謝。(あ、絵描きさんの愛くるしい絵も好きです。)


各キャラについて
まずきらり。
この子にはかわいいとかそういうのと違う感情をもってしまいますね。このライターの作品で言うとサオリ(CARNIVAL小説版)に対しての感情と同じような感じです。
あと、決してUR@Nさんが嫌いなわけではないのですが、やっぱり第二文芸部の歌はきらりの人に歌って欲しかった。素人の感想としてはやっぱり少し違和感を感じたのです。が。
最後のきらりルート2を終えると、あぁ、この声でいいんだなぁと思いました。明るいもの。


続いて橿原。
この子、いいですよね。おとなしい顔して実はメンバー一パンクなのかも知れません。お茶会での発言と、携帯投げ捨てるシーン、大好きです。「そうですね。」も、この子が言うとちょっとニヤニヤしてしまいます。

アキ
ここでまさかのアキ登場。村上も殿谷も出てこないのに(村上は出したかった)チョイ役のアキ登場。
いやだって、私この子好きですもの。
この子が好きというか、やっぱりこのルートの雰囲気が好きなんでしょうけどね。
というか登場させといてなんですが特にそれほど語ることないわ。実はヘラ大好きなところと最後の独立しろって言われた時のやり取りが好きなだけ。あ、これ特に好きです。
「そないなこと言うたかて、私は、つまんないこと気にすんのが長所ですやん」
「それは短所だよ」
「ちゃうわ。うちに短所なんかあらへん」
こういう唯我独尊な前向きさって好きです。
ていうかね、あの楽曲回想モードでのHappy Cycle Maniaのジャケット、ちょっとカッコ良すぎですよ。何であんなにこのルートの雰囲気を見事に描き切ってるの。勘弁してくれ。

最後千絵姉。
千絵姉かわいいよ千絵姉…
Hシーンとか、プレイしたのがクリスマスだったりしたものだから悶絶物でした。こういう、愛のある初々しいHシーンはやめてー!!
千絵姉が健気すぎてその辺エロゲー臭がしていたのが救いと言えば救いでしたが、救いの代わりに愚息は反応するし、
…え、どうでもいい?…ですよね。
なんというかこの人、結構アドリブも入ってて、それがまた上手かったですね。結構アドリブ入れてくれる声優さんもいてて、そういうの聞くのは好きなのですが。(アドリブなのか台本にはそう書いてあるのか分かりませんが、台詞にはないちょっとした溜息とか笑い声とかああいうの。)
この人は、3人の中でも特に声が好きですね。日常のちょっとツンツン声があるものだからHシーンの切ない声が
あ、はい。これもどうでもいい。失礼しました。




おまけ
ニコ動とYOUTUBEでOVERDRIVEより色々アップされています。
私はニコ動のラジオ聴いてみたのですが、面白かったです。UR@Nさん好きになりますねこれは。
既にご存知かも知れませんが2008年2月27日、第二文芸部がついにメジャーデビュー!我らが切望のフルver.ソング集!!「KIRA☆KIRA SHOW TIME」発売!!!もう絶対買う。ハッピーサイクルマニア買う。買う、買っちゃう、買います、買うううぅぅぅぅ!!!(「こんなもので買うとは、本当にどうしようもない淫乱だな」)

などなど、色々とキラ☆キラ、milktub、UR@N等の情報もあって楽しいです。
5月3日、何だか知らないけど行きてぇ…

あとあれだ、
bambooさん何やってんすか! (「また本人か」とかいうコメント初めて見た)






2008/05/24追記
なんてこった… 今の今まで気づかなかった… これ久々に自分で読み返してて気づいたんですけど、ハッピーサイクルマニアのサイクルってcycleだから、ハッピーサイクルってのは「幸せの環」なんですね…………!カレーパーティなんですね…………!!

クソ、「何で村上が自転車…?」としか思わなかった自分が情けない…。




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