遥かに仰ぎ、麗しの




クリア順は、
美綺→邑那→栖香→みやび→梓乃→殿子
です。


美綺→栖香で泣きました。この順番だけは本当に無かった。
後は、まぁこんなもんかなと。ただ、人気投票一位だからって殿子を最後においておいたのは若干失敗だったかも。ラストはみやびで締めたかったかなという気がします。実際プレイしてみないとどういう感じか分かりませんが。

さてさて、結局私にとっては地雷寸前だった本作ですが、まずはどこが駄目だったのかについてお話ししましょう。ファンの方、ごめんなさい。



エロゲーを結構数多くやってしまったせいでしょうか。2人目攻略の時点で、全6人のヒロインにそれぞれ春夏秋冬の物語があり、さらに全員ハッピーエンドで終わることはだいたい予想ついてしまいました。その自分の予想にうんざり。

舞台設定、作品の雰囲気、必ず春夏秋冬・10章以上ある冗長な構成、6人もいて並列に位置するヒロイン達、各キャラ一本しかないエンド、安定して高い作品評価、これで悲劇的結末が混在しているはずがない。(例えば5人ハッピーエンドのみで1人バッドエンドのみとか有り得ないでしょう。ボリュームを考えると6人のうち1,2人がハッピー・バッド両エンドあるともかんがえにくいし、そもそも作品の雰囲気からバッドエンドが想像できないというのが最大の理由。)
もうちょっと言うと、必ず四季を巡るということは、"起""承"に位置する春と夏に伏線を埋め込み、秋の"転"で気を逸らし、大団円の"冬(→春)"で一気にカタにはめるというのも容易に想像つきます。この時点で、シナリオ展開は半死と言っていいでしょう。

結局、結末は丸見えで、物語とはそのハッピーエンドに到達するまでに、どのように主人公とヒロインが苦労したか、それを見せられるだけ、という風にとってしまったのですね。
結末が見え透いているから、途中のどんな悲劇的展開にも今ひとつ身が入りません。引っ張るようだと面倒だとすら感じます。
私が偉そうに「見え透いている」と嘯いた結末が、また全く予想もできないようなものなら私も素直に感服して自分の矮小さを思い知ったでしょうが、果たして本当に6人のヒロインのハッピーエンドが並列されているだけでした。勿論それに至る感動的展開は想定外のものもあり評価もしますが、すでに物語に今ひとつのめり込めない私には、粗も目立ってしまいあまり楽しめませんでした。

私は別に最初から粗探しをしようとゲームに臨んだのではなく、むしろこの作品にはかなり期待していたのですね。ここ最近全然エロゲーで良シナリオを読んでないので、本作こそ鉄板だと思い臨んだものです。プレイ開始時は、かなり期待もしていました。(序章辺り)
以下、私が各ヒロインルートで実際にどんな感想を抱いたのか、触れます。
分校編は、プレイ中にリアルタイムに書いてたもので、若干今と温度差ありますね。




・美綺
Hシーン多いなぁ……。
なぜ美綺と栖香だけこんなに多いんでしょうね。シナリオが平板だから?

友情&愛情ルートと言えますね。あとはおまけみたいなもんか。
まぁ美綺萌えもないではありませんけどね。
こういうシナリオは、ツボる人にはツボると思うのですよ。結構いいんじゃないでしょうかね。
それより、美綺みたいな子はパートナーなり親友なりでいたらすごくいいなとリアル直結な感情を抱いてしまいました。明るく、よく気がつく本当にいい子ですよね。友情に愛情がプラスされると無敵という感じですが、友情だけでもすごく良い。そんなキャラだったと思います。声優さんも、気持ちよく声あてできたのではないでしょうか。


・邑那
なんというか、企業の攻防云々の話は、私てんで疎いので「そんなもんか」程度にしか理解できなかったのですが。
滝沢司の阿呆っぷりが特に酷かったルートだと思います。
シナリオも、あまり好きではないですね…。悪くはないですが全て想定の範囲内で終わってしまった…。美綺ルートでもそうですが、ライターの狙いが透けて見えつつもその狙い通りに自分の気持ちは動かず興ざめ…という感がありました。やっぱりあれですか。主人公が、プレイヤー以下の思考回路しか持たないと興醒めするのはエロゲにおける大原則の一つですね。最初のソフトボール大会から、かなり色々ヒントはありましたからね…。
邑那自身は結構好きです。声優さんが色っぽい声出すってのもありますが。というかその度合いが大きいですが。
シナリオも、結構熟読はしましたが、例えば2回目の美術館シーンとかは結構好きですが。
やっぱり、今ひとつ感が…。当サイトで言うなら5点か6点ですね。
最大の欠点は、結局最後まで邑那の持つ二面性のもう一面… 自分ともう一人以外は全て蹴落とす、という冷徹な事業家としての一面が解消されてないということです。
司を手に入れた時点で、邑那は幸せを獲得してしまいます。そのことは、邑那の基本行動指針までをも大きく揺るがすことになると思うのですが…。
司は「人間には見方によって色々な側面が見える」という平凡な真理を掴んだだけで満足し、その見えてくる側面である「他者を切り捨て蹴落とす邑那」と「そんな行動を嫌う自分」との相克について最後までうやむやにしたままエピローグまで突入しました。邑那についても、「二人だけの王国」以外は皆敵、という状況ではなくなったにも関わらずのうのうと「心は痛む」などと言いながら生き方を全く変えないままのエピローグでした(少なくともその辺について言及はなかったですね)。
渉・燕玲の2人が、(乱暴な言い方をすれば)善人から悪人、悪人から善人へとチェンジするという物語展開上の魅せ場のみで、人間の内面についての踏み込みが甘いシナリオだと思います。
何より。
美綺ルートを先にやった身としては。
邑那のおっぱいがたった1シーンでしか活用されず、大層不満です。


・栖香
あああ栖香かわいいよ栖香。(最悪)

主人公は相変わらずあんまり役に立ちませんが(面会日以降態度が硬化してるんだから面会日にヒントがあるって100人いたら99人察しがつくことをなぜ気づかない)、その辺が全て、こともあろうに当の栖香によってフォローされて関係が進展するという超シナリオ。
シナリオとしては糞ですが萌えゲーとしては最高です。
元々、全キャラで一番好みなのですが。これは私に限らず結構な比率でそうだと思うのですが。コロコロとした表情の変化もかわいいし、ツンツンデレデレなギャップもかわいいし、なんですか、私も堕ちたものですが、「げへへへへ、栖香たん可愛いよハァハァ」って感じです。
特に海イベント。シナリオ展開的には全く理解できない強引かつ現実離れした展開ですが、それにも増して栖香がかわいすぎる。元々スク水属性持ってる私にはもう駄目。
初秋。
私「このビッチっ!!ビッチめ!!」(泣きそうになりながら)
なんというか、夏もそうでしたが初秋はさらにドロドロのグダグダですね。まっとうなシナリオ展開なんぞというものは灰燼と帰して、ひたすら栖香の葛藤あるのみ。押しては引き、引いては押し、そればかり。そしてずっと寸止めプレイ!
いやね、お家の長女としての理性、司に頼りたいという感情、その辺の葛藤はもう分かりましたから。お腹いっぱいですから。シナリオこれで食いつぶすにしても、長すぎる。
それでいながら体の関係だけはドンドン進んでいく二人。栖香が「尻穴奴隷」とか言い出した辺りから混沌っぷりは輪をかけてひどくなり、元々無かったリアリティなんぞというものは時空の彼方に消え去り、なんでもありありのフィーバー状態、井村屋ほのか嬢(中の人)も呆れかえりながら熱演しまくり(推測)、淫猥なセリフにもほどがある。栖香、発言も思考回路も身体も何もかも不気味なくらいエロすぎです。男に媚び媚び、まさにエロゲーっていうくらいエロすぎご都合主義すぎキャラ設定破綻しすぎ。テキストゲーとは思えない。実用ゲーのノリです。どっちかというとシナリオもよく出来た実用ゲーという感じです。
非常に残念なことに、CGの方は省エネしすぎで、実用性は今ひとつ足りないのですが。
笑ったのは、フェラシーンで、舐めCGと咥えCGの2パターンあるのだけど、咥えCGは司のイチモツが長くなっただけってところでしたね…。


・みやび
…前情報から予想ついてたとは言え、本校編になってから途端に司が超やり手に豹変して笑った。
特にこのみやびルートは凄いですね。風祭をしょって立つ人間です。まぁグループのトップに向いているかと言われると若干疑問も感じますが、その辺はおいといて。
シナリオも、みやびの成長っぷりが見所だったかな、と。あとリーダさんのビンタ。

最後は絶対3Pだと思ってたのは私だけではないはず。


・梓乃
「お前が掴んでいるのは僕の手なんかじゃない!お前の未来だ!」
痺れました。
けど、それだけでした。

後から思い返せば、「対人恐怖症の梓乃が、愛され恐怖症の司に、震えながら手を伸ばす勇気」という部分が心打つ部分なのでしょうが、そしてこのゲームでも特に感動してしまうべきポイントなのでしょうが、
醒めた私「今度はハンディキャップ使って解決ですか~。」
いや、仕方ないですってこれは。だって、既に4回も、司の「愛され恐怖症解決」シーンを見ている、見させられているのですよ!!特に直前のルートでは衝撃的なリーダさんの「幻の右手」シーン見てるんですよ!そう何度も何度も同じ展開に感動してたまるか!!
ほんっと、6人もヒロインいてそれぞれでワンパターンに「ヒロインと主人公の成長」見せられるとか、もうバカ!バカ!マ○コ!
どう考えても、冗長すぎ。感動相殺もいいとこ。


・殿子
フィニッシュは殿子!人気投票一位の殿子!
他5人のシナリオが微妙だったから、特に良いという優良シナリオは絶対お前のルート!
さぁ、お前の本気を見せてくれっ!!





































  ,j;;;;;j,. ---一、 `  ―--‐、_ l;;;;;;
 {;;;;;;ゝ T辷iフ i    f'辷jァ  !i;;;;;
  ヾ;;;ハ    ノ       .::!lリ;;r゛
   `Z;i   〈.,_..,.      ノ;;;;;;;;>
   ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',.    ,f゛: Y;;f    そんなふうに考えていた時期が
   ~''戈ヽ   `二´    r'´:::. `!   俺にもありました


























殿子の実家が殿子に固執しすぎ無策無能すぎ、始めに設定ありきにしても酷い。
殿子しかいないとしても殿子説得の手法が監禁一辺倒とは、とても名家の当主とは思えません。

で、感動シナリオですが、飛行機=司 空と海=自由 の構図は分かりやすすぎて序盤にして大方のシナリオ展開が薄々想像つきます。
飛行機何機でもって発想は無かったし、溺れるなら泳げるまで練習、その発想で宇宙にだっていけるという勢いやら気概は見上げたものですが、今ひとつシナリオにのめり込めない身としては、理想主義に過ぎるように感じるし殿子シナリオ(本校編)での司が持つその気概の根拠も不明です。裏切らない見捨てないとことん守るけど愛されるのは怖いって設定はよく分かりますが…。

評価できるのは殿子の気持ちの変化描写、特に苦悩部分ですね。けれどこれも殿子が自分で解決してしまうし(きっかけは盗み聞きという棚ぼたに近いイベント)。

あと、殿子と言えばその独特の声も印象的でした。ぴったりでしたね。
ただ、この人生粋のエロゲ声優じゃないのかな。フェラシーン、全く淫音出さなくて笑いました。マニュアルでは唯一インタビューにも応じてないし。



いやね。
最初は、「こんなベタな反復キャラ、エロゲ初心者は萌えても私は萌えんぞ」と思ってたんですよ。
実際、美綺シナリオ辺りでは特に何も思うことなく。
けど、二人目辺りから、反復がツボってきて…。
なんだか必死な喋りと、それと表情!困惑と驚きが混ざったような常連立ち絵!あれがツボですね。


その他、双子の喋りは結構好きですし、名前忘れてしまいましたが本校編での立ち絵すら出てこないサブヒロインのほわほわした喋りも好きです。




まぁ本作が私にちっともヒットしなかった理由は、大きくは以下の2つでしょうね。
・恋愛物・恋人間の絆物、というものに対して最近特に食指が動かない
・先の読めない展開、というのが個人的なツボ
ただの恋愛物に止まる作品ではない、とファンの方は怒りそうでしょうが、「止まらない」以前のところでつまずいた身としては、それ以上考察しても薄っぺらいものにしかならないと思うのでやめておきます。


段々まとまりもなくなってきましたが、最後にお気に入りの台詞(?)を書いて締めとさせていただきます。

「リーダッ!塩撒いといて!」

素晴らしい章タイトルだった。





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