赫炎のインガノック -What a beautiful people-(プレイ後用レビュー)

赫炎のインガノック -What a beautiful people-

(執筆:2012/05/24)


ランドルフ爺さんが地下で語る、真実についての話が素晴らしかったです。

穴を掘る。硬くてそれ以上掘れないところへ当たる。それこそが真実。それを掘ろうとしても、落盤によって生き埋めになるだけ。ならどうすればいいか?回り道をすればいい。
大切なことは、結果として何が残るかということ。つまり、自分が通った後には穴が残る。自分の穴に対して真実が立ちふさがるなんて、笑止千万ではないか。
そもそも真実とは何だったのか?さぁ、どうだったか。そんなことはどうでもいいことだ。

なんという賢者。愚者。


さてさて。
最後まで終えて。


なるほどーーー。
ギーが10年間ずっと追い求めていたのは、10年前に救えなかったキーアであり、 キーアがギーの側でずっとギーを見ていたのは、10年前に自分を救おうとしてくれた唯一の人だからなのですね!
キーアがギーの側にずっといたのは、10年前に最後まで諦めず自分を救おうとしてくれたギーに、 ありがとうと伝えたかったからなのですね!
私だけじゃなく多分ほとんどの人がそう思ったとおもいますが、特に11章終わってそう思ったと思いますが、
「なんでアティじゃなくキーアなんだよ!」っていうわだかまりも、これでようやく少し解放された気分。 そういうことなら仕方ない。
アティは確かに、この10年間ずっとギーの側にいたし、ギーはこの10年間のいつの頃からか アティに愛情を感じるようになっていたけれど、 それでも、ギーが本当に求めていたのはキーアで、 キーアは10年前に命を落としたけれど、それでも、最後まで自分を懸命に救おうとしてくれた人を ずっと忘れはしなかったのですね。
10年前、ギーがキーアに約束したこと。命を救うという約束、そして青空はまた見れるようになるという約束。 どちらも果たすことができないまま、ギーはその悔恨を胸に10年間ずっと生きてきたのでしょう。
ギーは中盤から、「償う」という言葉を使うようになりますが、ギーの10年間は、まさに償いの日々でした。 10年前の償いを、彼はずっと続けていたのでしょう。
償いが必要だとすれば、本当に償うべき存在はすでにいない。だからこそ、ギーはその代償として 無数の下層民に償いを続けていたが、一方で、無数の下層民に償いをしても、彼の心は決して晴れることなど なかったのでしょう。そう、側にアティがいても。

作品を読んでいて違和感を覚えたのは、ギーほどの「徳の高い」人間ならば、下層民から絶大な支持をされていたはず。 本来自分達には手の届かないような治療を、僅かな手間賃で施してくれる。
最後にキーアも言っていましたが、それはひょっとしたら正しいのかも知れません。
「気狂い医師ギー」と変な目で見られてもいたかも知れませんし、彼の行動理念が不明で、かえって 不気味がっていた人間もいたでしょう。しかし一方で、彼に感謝していた人間もまた多数いたでしょう。 しかし、そんな描写は全て本作において無意味ですし、またギー自身の目には入らなかったことでしょう。
彼は確かに心底他人を救いたかったのでしょうが、一方で、彼が本当にしたかったのは、 他人を救うことなどではなく、ただ10年前の償いをしたかっただけなのですから。


えらそうで堅い話はこれくらいに。

最後にキーアとギーに命を与えられた「ぼく」。誰か分かりました?私よく分からなかった…。 ポルシオン?道化師?「喝采はない喝采はない」の騎士?この3人のどれかかなーと思いますが、 今読み返したら、これ、多分ポルシオンなのですね。失われた41の命の一人。 ずっとギーとキーアを見守っていた奇械が、二人(?)の命と引換に、その身体を得たのですね。

うーん。
ポルシオンが、大公爵の娘の子っていうのは、さすがに考えすぎですかね。
そのあたりとか、人物関係、細かな描写、やっぱり初読じゃ分かりませんね。 すみませんどうしようもない感想文で。


アティの話でもします?
アティねー。地の文がひどいでしょう彼女wというか声優さんw普段の声が実にいい分、 地の文になると途端に棒読みというか、はっきり言ってAVで出てくる地の文聞いてるレベル。
ただこれは、声優さんに文句言うのも少し違うかもですね。このライターさんの文章に、特に地の文に、 感情込めて声あてるのはかなりむつかしいのだと思います。
それでも、中にはいい感じのところもあったので、そのあたりはさすが声優さんですね。
日常での黒猫アティの声と、地の文でのアティの心の声とで、ギャップがすごく大きかったのが、かえって良かったというのもあるかも知れません。あまり感情込めて読みすぎると、黒猫アティになりますからね。そういう意味で、あの棒読みは演出と言えなくもなかったのか…?

で、アティ。可愛いですよね。ギーのこと大好きってのが端々に見え隠れしてて、上のキーアのところでも書いたけど、それでも怖くてそれ以上の一線には踏み越えて来れない。「友達だから」と言いながらセックスするのが精一杯。皮肉にも、作中で最も人間臭いキャラですよね。
しかしまぁ… あの結末なら…。 アティは、ギーのことを忘れて2層に住むのが一番幸せなのでしょうね。やっぱりもやもやした感じが残るけど。

こんなところかなー?
あとはあれだ、2巡目開始してからのキャラ達や物語への親近感がやばいってことくらいか。

特に良いのは、やっぱり大公爵ですよね。
喝采せよ!喝采せよ!おお!おお!素晴らしきかな!盲目の生贄は未だ死せず都市にある!現在時刻を記録せよ!クロック・クラック・クローム!(御意) 黄金螺旋階段の果てに、我が夢、我が愛の形あり! (レムルの煽り) 黙れ、黙れ、黙れ! 黙れ…

大公爵熱すぎてヤバい。ほぼ毎章このやりとりやりながらブツブツ螺旋階段上ってるんだから半端ない。

ギーの台詞は逆に中二っぽくていかん。遅い。喚くな。なるほど、確かに、人は君に何もできないだろう。けれどどうやら― 鋼の"彼"は人ではない。鋼のきみ。我が奇械ポルシオン。僕は君にこう言おう。
…って、こんな感じですよね。うん段々暗記してきたよ。まぁ後日答え合わせしたら細部色々間違ってて、恥ずかしくて修正したからだいたい合ってて当たり前なんだけど!喝采はない。喝采はない。 黙れ…



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