FifteenHounds-フィフティーン・ハウンズ-

(執筆:2010/04/08 2010/04/15微修正・微追記)



いやー、ともあれやっとのことでラストまでいった時の2つの衝撃が印象的でしたねぇ。
一つは、まさかの第4のチームの存在。
エンドだエンドだとホッとしたところに新たな謎、というのはまぁ某同人ゲーとかでも使い古された手はあるのですが、それでも実に心地よい驚きでした。私は大好きだな。
そしてもう一つは、CG解放率。やっと終わったと思ったらまだ33%だなんて!!まだ1/3かよ!やってくれるっ!

大きくルートが3つに分かれているというのも、個人的にはベストでした。この手の一本道作品は、2ルートでは物足りないし(某健速乙作品とか)4ルートではさすがにダレるし(某菌糸類作品とか)、やはり3ルートがベストだと思うのですよ!(某菌糸類作品とか)すっごい主観的意見ですが。

あと、1ルート目はラストの辺りの盛り上がりがやばかったなぁ。完全ターミネーターでしたけどね。敵も味方もボロボロになりながらも、なお終わらない死闘。15人もいたのに、ほとんど生き残りがいない中続くあの闘いは、個人的にもかなり好きな空気です。
2ルート目が、真ん中ということもあって、一番どんなお話だったか記憶が曖昧です。が、なんだかこのルートプレイしている時が最も楽しかった気がします。理由は2つで、まず、登場人物達のキャラや設定がだいたい私の中でも消化され、愛着もわき、物語に思う存分没頭できたから。そして、後で書きますけど、私クリスが結構お気に入りなのですよ。だから1ルート目であっさり死んだクリスが活躍して、かなり嬉しかったです。(好きになったのは2ルート目からですが)
あと、ラストシーン。死んだはずの冬香が最後に出てきて、終わり。これも好きですね。

最後のルートは、私が2ルート目途中から私が密かに期待していた「3チームの協力」というのが実現して、嬉しかった… のですが、こちらはあれだ、対立する存在である水島家の兵力が、どうにも強さがパッとしないのが問題でしたね。新兵ばかりでパッとしないのだけど、武器はいいし力押しはできる。…どうも、未来人達の敵役としてはいささか役者不足な感じが…。楽団の皆さんも、二人は裏切ってるし、一人は終盤まで正体明かさないし、結局まともに敵役として成立してたの2人だけでしょう。しかも一人は最強と呼ばれた人ではなく偽物だったし。…と、あまりパッとしない割に未来人達もバタバタ死ぬし、どうにも不完全燃焼なシナリオだったなぁという印象です。あくまでわがままをいえば、ですが。ええ、普通にのめりこんでプレイしてましたよ。

で、ですよ。3ルート目といえば、私にとってもうアレしか無いのですよ。
ずばり、OP。
OPムービー、3ルート目開始の時点で3回見ることになるじゃないですか。初回はよく分からなかったムービーも、キャラの把握が出来てきた2ルート目、3ルート目は違います。
そして最後の、「忘れるな、三十年後、必ずオマエを殺してやる!」。
これですよ。
この台詞が、どの場面で、どのキャラからどのキャラに放たれるのか。
結構楽しみにしており、そして自分で色々想像もしていたのですが…
いやぁ、エンド10は最高でした。「こ、こいつかぁぁぁ…!」と。完全に予想を裏切られました。まさか、暦→主人公 だったとは…。これは、私の常識では絶対に想像つかない。
これも、実に気持ちのいい、予想の裏切られ方でした。
救いの無いエンドも、嫌いではないです。
実際主人公は、やむを得ないとは言え彼らを騙していましたし、また主人公としてはあのギリギリまで正体を明かさないのが最善だというのは私も思いますし、そしてあの瞬間に正体を明かしてこそ、お話として美しいと思います。そしてそして、主人公が悪いわけでもなく、暦達未来人が悪いわけでなく、それでも暦の裏切られたという衝撃とそれに伴なう憎しみ、殺意を想像するのは容易ですし、一方で、あそこで真実を伝えることが主人公の最大限の誠意であるのは間違いないですし、いやー、ああいう、どうしようもない状況、いいなぁ。私は好きだなぁ。


あと、疑問点や不満点も、小さいのは幾つかあるのですが、そういうのはまぁいいですね。最後に、各キャラに対してコメント書いて終わりにします。



チーム=ロメオ
橋本… 私、彼好きです。語尾が割と目障りで、それでいてハマるという変な感じ。嫌い嫌いも好きのうちと申しますか、いや、好きです。彼のキャラも好きですね。リーダーとして好感が持てる。ただ一つ、クリスをもっと有効活用できただろお前はと思わざるを得ない。あの辺と、熱くなると暴走する辺り、リーダー失格もいいとこだと思います。好きですけどね。なんか知らんけどオールバックにアロハにあの口調でリーダーってのがツボったんだよ!男性キャラで一番好きなんだよ!

暦… まぁ普通です。ていうか彼女、タイトル画面に唯一登場する割に、弱いですよね…。誰と戦っても負けるし…。と思ってたら、暗殺・治療がメインで戦闘要員ではないのですね。そしてあの台詞が彼女の口から出たことで、ようやくタイトル画面を飾る唯一のキャラの面目を保ったなと思いました。

藪… 技はかっこいいんだからもっと活躍して欲しかったです…。あとキャラ、このキャラで何で精鋭5人に選ばれるのだ。R軸は人材に乏しすぎるだろ

クリス… クリスー!俺だー! …何もしなくていい。ていうか血がヤバいのは分かりましたが、セックスはできるのですか?ていうか出来ませんよね、破瓜の血で死にますよね。…ほほう、ということは、処女だけは道具でいただいて、それ以降なら…(まさに外道!)
まぁそれはおいといて。クリスはねぇ、超強力かつデフォで気が狂ってる、という私の好みのヒロインキャラなのですよ。ちょうど最近某light作品でがっかりしていたところなので、渡りに船…ではないですが、いやぁ、私の欲求不満も解消されて良かった良かった
自分を人ではないと言い切り、人に対して一切仲間意識を持たず、生死を弄ぶクリス、なかなか素敵でした。そして、完全に人外というわけではなく、主人公にほのかな好意を抱いたり、頑張ってリバーシクリアして分かったのですが、2ルート目では仇役を偽ったり、色々と素敵まくりです。
…そういや全然関係ないけど、何で冬香殺しの犯人について、各陣営が嘘言ってたんですかね?理由が今もよく分からんです。あと、2ルート目でクリスが「三十年後の俺」を殺した理由も分からんです。どこかで正体知ったのですかね。
ともあれクリスは、絵もキャラも私の好物でした。

眉村… 「眉村ってww」と思ってましたが、多分SF小説家さんの名前から取ったのでしょうね。私ったら無教養乙でした。そういや色々とそういった小説・古典の引用があったように思いますが、無教養な私にはさっぱりだったぜ!
で、眉村。彼はねぇ、絵が好きでした。彼が佇む立ち絵が渋くてカッコ良かった。あとCGモード3ページ目最下段のやつとか。
けれど戦わせてみたら普通に武闘派だし奇声あげるしで、どうにも…。
しかも体は大人頭脳は子供だし、普通にクリスに惚れてるし(私憤ではないです)、キャラとしてはマイナスばかりでしたね。いや、嫌いではないですよ?好きでもないのだけど。

チーム=シエラ
長谷川… 割と人気のようですが私にはそんなに…。ただ、絵はカッコいいんですよね。OPとか、CGモードのシエラチームとかで見れる、販促用なのかな?の絵とか。まぁなんだかんだで気さくな良いお兄ちゃんです。ていうかリーダーとしては一番良い気が。

瑠璃香… …私がプレイする限り、この子なんでしゃべれなくなったのか詳しい事情がさっぱりなのですが(弥生がどう関係するのか)。まぁいいや。1ルート目でジョンのパパ的ポジションでしたね(ターミネーター的意味で)。ていうか彼女も、雨合羽ないと割と弱い印象なのですが、それでもかなり粘ってた辺りはさすが精鋭の一人ですか。
誤字ネタは、これ諸刃の剣ですよね~。作中で他に誤字があると「いやお前(ライター)はネタにできる立場じゃないだろ」ってなりますから。
まぁまぁの印象でしたが、リバーシご褒美のキャラ設定読んでなんか幻滅したw
ていうか雨合羽も肉体強化薬も全員分配っとけよと思うのは私だけでしょうか。

藪… 完全にいじられキャラになってましたね。あっちの藪君とは違い愛されているようで何よりです。まぁなかなか良いキャラだったんではないでしょうか。瑠璃香に一途な辺りも、健気で(報われなくて)泣けます。

弥生… 女の子で良かった。私はそう信じてました。個人的感傷で申し訳ないのですが男の娘とか死に絶えればいいのに。髪型はもちろんロングにしました。あれだけ耳と鼻がいいなら精鋭に選ばれるのも分かりますね。

吉良… 吉羅だっけ?まぁいいや。彼は… そうですね、リバーシご褒美のスタッフ間の乖離が、実に頷けるキャラでしたね。個人的にはレクター博士的キャラの方が良かったな。あの油断の多さと楽天的思考は、どうもその能力の高さとズレを感じます。

チーム=エコー
重政… チーム=ヒキョー代表。卑怯です。別に全然いいのですが。中二病キャラが売りなのでしょうが、あのキャラだけ他の彼を形成するキャラと乖離が酷かった気が…。実は半不死身だったり、キャラ設定とかはかなり強いのですけどね。
ていうかなぜエコーの未来のお偉いさん方は不死身手術をチーム全員に受けさせなかったのか。色々と「それは言わないお約束」を言ってる気がします。

左京… 尊大な口調、天才的頭脳と処理能力、しかしロリ。ロリ最高や!

紙谷… 「紙てww」と笑ってましたがこれもSF作家の苗字のパロで… 嘘です、けれどそういう苗字も日本にはある模様。日本は広いわ。それはともかく、神谷は、見た目が最もひどかったですね。私は好きなのですが、リアリティ的意味で。私はこのむっちりとした太ももや腹下辺りに視線が、まぁその話はいいですね。キャラも、オッドアイも、素敵です。結構好きです。特に生い立ちがなかなか壮絶ですね。「こんなベタな厨二キャラいねぇよw」と突っ込んだら負けです。でも彼女の武器ってばライトセイバーだと思うんだ。

田之頭… 彼も、キャラ設定は渋いのに本文中ではそれがあまり活かされてないキャラですね。いいんだけど。両腕の武器がドラえもんの道具を彷彿とさせました(ビッグライトとスモールライトみたいなイメージ)。まぁそれはおいといて、キャラは、まぁ普通ですね。正統派ファイターって感じで、割と好きです。

眞銅… 不器用、じゃねぇよ!これだけ背高かったら普通に足狙われると思うのですがどうなのでしょうか。ていうか病院とか、室内では明らかに頭つっかえると思いました。
彼に暦は、まぁ斬れませんよねぇ。他人とは言え。

その他
連梧(狐)… 傍観者なら主人公として何でも良かったのでしょうが、それにしたって何でこんなのを主人公にしたのだと思う。積極的に悪いとは言いませんが、プライヤーとしてプラス要素を一切感じない。ただ、ライターとしてはシナリオに専念できて書きやすそうですね。

冬香… 惨殺CGが初めて出てきた時は「これ、後々まで何度も出てくるだろうな」と思ったら案の定そうだった。蓋を開けてみれば惨殺ではなく自殺だったみたいですが。にしてもあのタイミングで自殺…?なんかピンと来ないです。それどころじゃなかったでしょうに。
生い立ちがかなり不幸な感じで、それでいて健気で、その辺ちょっと情が移ってます。

多佳乃… 特に言う事ないです

小渚… もう許した(主人公の代わりに)
ていうかこの娘は幸せになってほしかった…でもまぁ主人公より良い男がいますよね。むしろ主人公が釣り合わんわ!

千秋… 口調が少しだけうざかったですがおっぱい担当。

エナ… 主人公のエナさん萌えは冒頭以降一度もなかったですね。ターミネーターターミネーターと言い続けてきましたが、考えてみたらこのキャラでロボットメイドなら圧倒的にセリオでした。(え、何、若い人達はセリオ知らないの)

狐弥太(父)… 3ルート目にはいった途端「実は主人公じゃない」言動連発で笑た。気づけよ主人公。とは言え、2ルート目序盤だったかな?「実は未来の主人公なんだよ!!」の時は「な、なんだってーー!」という感じでした。

彼方… もっと活躍するべき ていうかぜひ続編でも同じ主人公使うならぜひ彼方とタッグでお願いしたい、そう思うのでした。いや続編とかいう話は知りませんが。このキャラは、主人公とタッグで主人公を「ご主人」と呼んでる姿が一番好きです。もちろん戦闘に強いのも。

中屋朝… お絵かき入院患者、結構好きです。


こんなとこでいいですかね。
「割と好きなキャラ」ってのが非常に多いですね。ていうかほとんど全員という。音楽もそうですが、ホームラン級はほとんどないのですが、ヒット率が異常に高い。

あと、おまけのミニゲーム。キャラ設定やら舞台裏がチラ見できるあのご褒美は嬉しかったですね。
一部ではリバーシの晴鍋と恐れられた私で(嘘)、実際ハードまではトントンの勝率なのですが、アルティメットだけは一度も勝てません。
ていうか彼プログラムのくせに思考時間かけすぎ。施工時間10000msとか、何手先まで読んどるんだ。


最後は… そうですね。プレイ前レビューお気に入り項でも書きましたが、ここまで来たらぜひさらに完成度を高めた作品を期待します。色々気になった粗であったり「こうなったらもっと良かったのに」とかいうポイントであったりが解消、改善された作品が出れば、また同人業界に旋風巻き起こると思うのですけどね。
旋風が起こる気配も感じるがまだそこまでには至らない、この塩梅がなんともはがゆいです。ぜひ、このサークルにはもっと羽ばたいていただきたいと思います。

長くなりましたが、最後に好きな音楽を書き並べて〆に代えさせていただきます。我ながらジャンル偏りすぎだと思う。

1.フィフティーン・ハウンズ(暗く、ゆっくりとしたタイトル画面によく合います)
5.自縄の海(ノリがいいです。原曲は「木星」?)
7.三軸の追唱(どう聴いてもカノン(追唱)です)
8.神の抱く果て無き欲望(漬物女王を思い出します)
11.砂の虚像(一番好きな曲です。橋本らR軸によく合うイメージ)
14.狂気の代償(普通に戦闘曲!)
15.13時限りの逢瀬(和みますね。非日常と日常の日常担当曲というか)
18.女神の骸(普通に戦闘曲!割とシリアスな感じが好きです)
19.滅びの一夜(クライマックス!という感じがしますね)
21.ウルフィーはどうしたの?(ウルフィーは元気よ。今どこにいるの?)
22.蝋の翼(EXTRA画面曲。これもかなり好きですね。)
25.雪景色(エロいOP曲よりこっちの方が無難に私好み。ラストを彩る歌ですね)
26.哀しみを統べる花(ピアノソロがいい感じです。)
32.敗北の甘み(アルティメットで8連敗した辺りからハマってきました タイトル通り)
35.戦争の作り方(無難にカッコいいです)
37.晴れ舞台(通常戦闘曲という感じでしょうか。いいですね)
40.人にとっての最大の敵(年甲斐もなくこういう曲好きなのです)


2010/04/15微追記
改めてリバーシやったら勝率五分五分で3勝あげれました。さすがはリバーシの晴鍋さんですね。リバーシのコツ全然しらなくてこんなもんいちいちやってられっかという方、セーブパッチが出てるならそれでもいいかもですが最悪「Thell」でググるといいです。ただし超不毛な作業が必要ですが。


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