輝光翼戦記 天空のユミナ(プレイ前用)

輝光翼戦記 天空のユミナ

(執筆:2009/04/20,2009/11/02)



メーカー

ETERNAL
(「永遠のアセリア」の生みの親である高瀬奈緒文氏が恐らくXUSEから完全独立して立ち上げた新ブランド。本作が処女作。「ユーザーの皆さんが本当に楽しめる作品を!」みたいなのがブランドコンセプトだったと思う。かぎかっこ付きの割には半分私の妄想です)



属性

発売時期:2009年1月
ジャンル:ダンジョン探索型異色RPG+ADV
用途:ゲーム
舞台:未来の巨大学園、等
顕著な属性:年上ロリ
プレイのきっかけ:「永遠のアセリア」に魅せられてからの高瀬氏おっかけです(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:1巡目のみクリア(ユミナ)



テキスト:6

あらすじ:主人公「朱島歩武」は神武学園に転校早々、その学園の一生徒である「翠下弓菜」と腐れ縁を持つことに。真っ直ぐに頑張るがおつむが少々足りず空回りばかりの弓菜は、数学が欠点のため留年の危機に陥るが、それを回避するため、謎の論説部員「黒河雲母」の入れ知恵で「星徒会」会長に立候補することに。そしてそれに巻き込まれる主人公歩武。

物語は、途中で大きく転換を迎えます。
とりあえずは、万年落ちこぼれスレスレの弓菜が見事星徒会会長に当選するための選挙活動が中心です。キャラ達がそれぞれ生き生きとコメディを繰り広げますので、退屈ということはないと思われます。ていうかヒロインらしからぬヒロインばかりで、いわゆる「ギャルゲー」とはかなり縁遠いノリです。正直、どのヒロインを攻略するかで結構悩みました(該当者がいない的な意味で)。それだけ、ユーザーに媚びずヒロイン達がスタッフ達が本当に描きたいように描かれているということでしょう。多分。コメディ的なノリが作品の中心となっていますが、締めるところは(だいたい)締めてましたし、見せ場と思われるシーンは普通に惹き込まれ、感動したりもしました。
ギャグは少々悪ノリが目につきますが、全体的に読んでいて悪い印象は持ちませんでしたね。
惜しむらくは、前半の魅力的な設定・舞台・キャラ達を後半は主要キャラを除きほとんど置いてきぼりにしてしまったことでしょう。はっきり言って本作は前半に焦点をあてて2作品に分割しても良いレベルでした。前半の諸々をほとんど使い捨てにしてしまったのは、勿体無いと言えばあまりにも勿体無い。

という風に、後半、話が大きく変わりますので、一応ご覚悟を。

シナリオ・テキスト・プロット、どれをとっても特別すごいという印象はなく凡才ながら頑張って書いているなーという印象しか受けませんでしたが、ギャグと、そして一部のドラマティックなシーンだけはさすがという感を受けました。

なんだか私が見てないシナリオがまだまだあるようなのでアレですが、見た限りはこんなもん。



ゲーム性:7

アセリア、なるかなのシステムをベースに、あれをSLGではなくRPG仕立てにした感じですね。これはこれで実によく出来ていて驚きでした。プレイも、あまり単純作業にならず最後までそれなりに頭を使う感じが持続しましたし、この辺りは評価できるでしょう。
難易度は、やや易、くらいでしょう。普通にプレイしていればまず問題なくサクサク攻略できると思います。ゲームの雰囲気を鑑みるに、これくらいの難易度が最適なのでしょうね。
問題はゲームパートの長さで、これはちょっと、その、幾らなんでも長すぎではないか…。1巡するのに48時間、しかもその半分以上は(あまり目的もはっきりしない)ダンジョン探索だけ。
このダンジョン探索というのがクセモノで、さきほど目的がはっきりしないと書きましたが敢えて言うなら主人公達の修練のためなのですね。つまりただの経験値稼ぎいうことやーっ! 本作は育成要素も結構強化されているように見え、主人公達を(一応)プレイヤーの好みに育てることはできるのですが、これも蓋を開けてみればどちらかというと自由度低くしかも運任せ、という感じでして、発想とかシステムは魅力的に見えるのだけど、どうにもあと一歩二歩は足りない。 そこに来てダンジョン探索の目的はほとんど経験値稼ぎときたら、そりゃいくらなんでもダレるでしょう。いや、これがもっと短時間なら良かったと思いますよ?これの半分くらいの時間なら、十分に楽しめるクオリティです。実際結構楽しかったですからね。半分くらいの時間で1巡が終われば、「よし、もう1巡やってやるか!」ってなりますよ。 ただ、本作と同じ時間経験値稼ぎをもう一度やれと言われれば、いくら2ルート(攻略可能キャラは3人)残っているとは言え、さすがに二の足を踏む。
コンセプトはよかったのだから、スタッフはもう少しゲームパートの時間について配慮がほしかったですね。 このオリジナリティ溢れる自信作をできるだけ長く楽しんでほしい!っていう気持ちは分かるのですが、シナリオの面から見ればゲームパートは決して最前面に来るものではないのだから、もう少しコンパクトに抑えておくべきだったでしょうね。

まとめると、独創的だし普通に楽しくなかなかできたシステムではありますが、あくまで「エロゲにしてはよく出来ている」レベルであり、惜しむらくはその割にゲームパートの比率が大きすぎる。



実用性:3

絵も塗りも綺麗ですね。さすがは人気絵師さんが手がける本作のHシーンですが、しかしシーン自体はかなり控えめ。製作陣がこんなところに情熱傾けてないってことが手に取るように分かります。Hシーンでもギャグテキスト止まりませんし。

一応各メインヒロイン2シーン、各サブヒロイン1シーンほどHシーンはあるようですが、まぁ添え物程度ですね。




音楽:7

本作の目玉の一つですね。メインヒロインの一人であるユミナが歌うってのが作品の中でも結構重要な位置付けにありますので、ユミナボーカルの曲が多いです(一部違うものもあり)。
明るい曲、電波スレスレの曲、勇ましい曲、色々ありますが、基本的に「元気になる曲」という感じでしょうか。「神曲!!!」みたいな感じではないですが、聴いていてなんだか和みます。やる気出した○び太君を温かい目で眺めるドラ○もんみたいな顔になります。
とりあえず私は某曲βが超好き。何度もリピート再生してます。あれは聴く価値有り。もう一曲くらいああいうの欲しかった。

BGMも、無難ながらなかなか良い仕事ではないでしょうか。

ボーカル曲:10曲程度



キャラ:5

主人公:歩武(名前変更不可),面倒ごとを嫌い、万事平和かつ穏やかにすごしたいのだけど弓那との腐れ縁のせいでちっとも穏やかにすごせない。
弓那:メインヒロインの一人。頑張り屋だけど常に空回り。いじられキャラ。そそっかしくて落ち着きがない。しかしまっすぐな心を持つ。
藍:言動がとにかく謎なマイペース少女。しかし仲間達をいじるタイミングは逃さない。
雲母:上回生にして言論部部長だが見た目は一番幼い。しかし態度は年長者そのもの。つっこみキャラ。

以上、主人公およびメインヒロインの3人です。
「メインヒロイン(?)」という単語がぴったりな、垢抜けないキャラ達です(特に弓那と藍)。ヒロインと思うより、この独特のキャラクター達を愛した者勝ちでしょう。



声:男女

フルボイス。



時間:5

1巡するのに50時間近くかかるので、多くの人は1巡分くらいは楽しめるんじゃないですかね。どこで力尽きるかにかかってます。楽しめる人は100時間越えで楽しめるでしょうし、飽きが早い人は20時間くらいで嫌になってくるかと。
しかしクリアには最低でもその倍はかかるんだぜ!



その他

システム:SLGというよりRPGですねこれは。パッチ当てれば特に問題感じませんでした。
演出:なんといっても戦闘中のアニメーション等がすごいですね。特に前半のボス戦は舌を巻くレベル。また、ダンジョンもぐってるときの演出が実に多様で、序盤はわけがわからないながらもかなり楽しいのではないでしょうか。単調なダンジョン潜り系RPGをなんとか面白くしようというスタッフの努力が偲ばれます。



お勧め度:6

まぁゲームやりたいならどうぞ。あと、時間に余裕があるというのが最低条件。社会人には無理じゃなかろうか。
本作と良く似たシステムとしてアリスソフトの「夜が来る!」という作品があります。あれも、鍛錬のため自動生成ダンジョンをひたすら潜るのがメインになるのですが、あちらはそのダンジョン潜り中もかなりシリアスな空気が維持されてましたね。逆に本作は、ほとんどのシーンがどこかしらコメディです。前者が好きな人にはあまりお勧めしませんし、後者が好きならお勧めです。

シナリオとしては、特に前半の星徒会会長になるため頑張るあたりは文句なしにお勧め。ゲームシステムもシナリオにぴったりで、オリジナリティといい面白さといい申し分なかったです。逆に、後半になるとスタッフ苦心の色々な小ネタも賞味期限切れを起こしてしまっており、またシナリオもガラリと変わってしまうのでゲームパートとの調和も今ひとつとなり、物語は進むのだけどどうものめりこめない、微妙な空気が漂います。
そして長いんだこれが。

なんというか、アイデア勝負すぎてゲームパートの「面白さ」があと一歩及ばなかった気が。本当に面白いゲームというのは、作業ゲーでも作業をやる動機付けがしっかりできてると思うのですよね。シナリオと絡んでいたり、魅力的なアイテムがあったりスキルが手に入ったりと。その辺が今一歩足りなかったのは、新ゲームシステム故仕方のないことなのか。




気に入り度:6

うーん、実はこの記事の後半は、プレイ中断してから半年以上空けた状態で書いてるんですよね。1巡クリア直後はもう少し気に入り度も高かったはずですが、今ではこんなもんですね。やっぱり、ダンジョンが面倒だった。

プレイ開始当初のテンションをどこまで保っていられるか、が勝負を分けますね。そのまま惰性で最後までいければ、そのまま惰性で2巡目も始めることができるでしょう。そして時間の許す限りまったり作品にひたれるんじゃないですかね。
しかし一度中断期間ができてしまうと、もう駄目でしょう。中断した箇所がADVパートならまだしも、RPGパートのど真ん中だったりしたら、感覚を取り戻してる間に我にかえってしまうと思います。
ゲームってのは、特に物語の無いSLGやRPGってのは、大なり小なり不毛ですからね。信長の野望とかやる人はよくお分かりでしょうが。作業に面白みを見つけられないともう駄目ですね。

前半は8点、後半は6点、面倒くささ(冗長さ)で-1点、総合して6点といったところです。 本作ほど「努力賞」という単語が似合う作品もそうないかと。スタッフ達の情熱は十分に伝わってきて、なんだかそっちの方で心温まりますね。一応レビューサイトなのでその辺は点数から除外。



(この作品については、プレイ後レビューでも軽くだけ触れています。弓那ルートについて。)



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