(執筆:2006/12/14)
メーカー
D.O.
(老舗ブランド。本格感動ADVから触手、戦術SLGまで。)
属性
発売時期:2006年10月
ジャンル:戦術SLG
用途:ゲーム
舞台:第三次世界大戦後の、激減した人類が妖獣に脅かされて生きている世界
顕著な属性:触手
プレイのきっかけ:前作が気に入ったためシリーズ購入決定(プレイ前の期待得点…7点)
テキスト:3
あらすじ:前作にて、何とか人類の拠点一つからの妖獣駆除を達成した対妖獣部隊ASSP。本作では、同じく妖獣の被害を受けている他都市の開放を進めながら、妖獣の拠点制圧に乗り出す。
泣けるくらい予想通りのシナリオでした。期待してないでおきましょう。
シナリオは完全一本道。途中、色々と各都市でイベントは起こりますが、「ゲームを進行させるためのイベント」以上の感想はありませんでした。
いちおう、シリーズ完結作である次作が傑作と評判なので(どこがどう傑作なのか知らないのですが)、そちらに期待しましょう…。
ゲーム性:6
味方ユニットを動かして敵ユニットを撃破していく、典型的な戦術SLGです。
基本は前作と全く同じ。敵・味方各キャラに「攻撃力」「命中率」「回避率」「移動範囲」「射程範囲」「武器の相性」があり、それらに留意しつつ、壁や岩などの障害物を利用したりしながらミッションクリアしていく感じです。
前作との違いとして、
1:物語進行に従い、各キャラがそのステージで使用できる武器が2択に増える
2:所定位置に到着することがミッション成功条件となるステージがある
3:全ステージで制限ターン数が設定されるようになった(結構厳しい目)
4:ステージによってはマップ内に味方本拠地が与えられ、それを破壊されると無条件でミッション失敗(やり直し)に。
5:ステージ数が圧倒的に増えた(30くらいあったか?)
また、プレイしていて感じた違いとして、
6:若干味方の命中率が全体的に上がった
7:敵味方とも、ダメージの分散が大きくなった
8:難易度がやや易化した
結果どうなったかというと、特に2と3の影響により、ロクに戦術立てられなくなった気が…。
勿論、そのステージクリアに適した戦術というのはあるのですが、プレイヤーそれぞれに対する自由度が圧倒的に小さくなった気がします。誰がプレイしても、似たり寄ったりな攻略法になるんじゃないかなぁ、みたいな。
前作は、ターン数気にせずじっくりと腰を据えてかかれたので、マップ全体を利用して色々と楽しめた感があります。それに対して今回は、常に急かされているような…。
良い言い方をすれば、(6,8も加わり)よりスピーディかつ疾走感のあるプレイが可能になったのでしょう。しかし私には、どうも達成感に乏しい、質より量な作品になってしまったように感じられました。
ただでさえ技術・資金面でコンシュマーに大きく遅れをとっている18禁業界です。オリジナリティと実際のプレイで感じられる楽しさで勝負しないといけないのに、そのいずれでも勝負できない感があります。
前作では、戦術の自由度を高めにすることでそのうちの後者である「楽しさ」は何とかなっていたのですが、本作の多くのステージで、その良さも消えてしまった気がします。
実用性:2
中学生にプレイさせたら、あるいは興奮して実用にも利用可能なのでしょうけど。
前作より酷くなるって、どういうことやねん。
クリック1回でシーン終わるて、どういうことやねん。
ちなみに、前作と同じく、1体の隊長級妖獣との戦闘で、2枚のCGが出てきます。
前回は、「陵辱開始→陵辱中」の2枚でしたが、今回は「陵辱中→救出後」の2枚。
例によって、陵辱中の台詞はどれもこれも
「あぁぁ????・・・!あぁ、やめて?????」(了)
みたいな感じですが、救出後はどれもこれも
「はぁ・・・はぁ・・・あぁ・・・はぁ・・」(了)
みたいな感じです。
ASSP隊員達との和姦Hシーンも「デート中」「本番中」の2枚のみ。実質1枚です。D.Oスタッフがここまでストイックに1クリック制限を課せられているのは、何か深い事情でもあるのでしょうか…。何もないなら、2006年にこんなもの作っていて、なんとも思わなかったのでしょうか…。
本当に、CGが勿体無い…。せっかくのエログロなのに。
音楽:4
曲数33曲と、多いのですが…
う?ん…
まぁ、世界設定にあった曲と言えるかな…。
独特のメロディですが、血沸き肉躍る系とは随分遠い気がします。
どうも私はその道には疎くうまく説明できないのですが、う?ん…ファミコンの曲聞いてるような印象あり。音数が少ないという意味ではなくて。
それなりに曲数も多いのですが、実用項で述べた理由により、あっという間に終わる曲多…。
ボーカル曲:無
キャラ:4
主人公:名前変更不可,ASSPの隊長。常に部隊に行動の指令を出しています。
元々いるのかいないのかよく分からない主人公でしたが、
本作ではそれにさらに磨きがかかって、ついに立ち絵はおろか、
CGにさえも全く登場しなくなりました。
ASSP隊員:熱血系からクール系、天然系まで。実用項でも述べましたが、
残念ながら萌える暇もありません。
声:女
女性フルボイス。一体何人の声優さんがいるのか、非常に嫌な予感もします。
演技ですが、例によって微妙。アユミの声とか天然が上手に演じられてて好きなのですが、それ以外は…
中にはすごい大根もいます。
時間:6
結構長引きます。難易度は若干易化したものの、ステージ数が多く、まぁ値段相応くらいは楽しめるんじゃないでしょうか…。
雑記
システム周りは前作と変わらず。標準装備です。悪くないです。
特に演出らしい演出は全く見られず。
お勧め度:4
これは・・・ 勧められない・・・
次作次第では考えも変わるかも知れませんが、今の段階でこれを勧めるのは、やはり酷かと…。
まぁ、正統派戦術SLGなのは間違いないので、綺麗なお姉さん達を操作して軽く頭使って妖獣退治に勤しんでみたい人にはお勧め。
シナリオはほぼシリアス一直線なので、昨今の萌えゲーの氾濫に嫌気が差しているような方にも、お勧め。
いずれにせよ、どうせやるなら前作からのプレイをお勧めします。
本作からいきなり入った場合、キャラへの愛着すら湧いていないわけで、地雷必至だと思います。
気に入り度:4
前作で評価できたシナリオのシリアスさも、あまりに先読みできすぎる展開の前に散りました。
展開の大筋が購入前に予想していたものとほぼ一致するって、どういうことやねん。
まぁリメイクにケチつけても仕方ないですか。
もう一つの減点ポイントは、長々と書いたゲームとしての面白さ低下ですね。
まぁ、元々地雷寸前の作品に対して過大な期待をしていた私の落ち度なのかも知れませんね。
もう、次作に望みを託すとしかいいようがありません。
…2006年の作品はこんなのばっかだな…
(この作品については、攻略にても触れております)