ToHeart2 XRATED

(執筆:2007/02/06)



メーカー
LEAF
(言わずと知れたエロゲー業界古参。「To Heart」は初期LEAFのヴィジュアルノベル3部作の第3作目にしてLEAF初の恋愛もの。メディアミックスが起こるなど、エロゲ界に旋風を起こした。)



属性
発売時期:2005年12月(PS2版は2004年12月) ジャンル:VN
用途:萌え
舞台:現代の学園
顕著な属性:無
プレイのきっかけ:無印「To Heart」をプレイ済みのLeaf3部作ファンとして、その続編とあらばプレイせねば!
…という気持ち3割、パケ絵に惹かれたのが7割。
(プレイ前の期待度:主人公がへタレという情報入手していたので6点)



テキスト:6
あらすじ:幼馴染や初顔合わせの少女達との出会いに溢れた春の恋愛物語。

ルートが全部で7ルートもあり、その質・量なども結構バラバラです。複数ライターということで、主人公の性格やテキストのノリがルートによって若干異なるんじゃないかと感じました。
で、質なのですが、シナリオのみで評価できるようなシナリオはほとんどありません。あくまでキャラとの掛け合いで物語が生きてくる感じ。そんな中、2ルートほど、シナリオ単体で見てもなかなか面白いなと思うものがありました。まるっきりカスというわけではないです。考えさせられるようなテーマもあったり、爆笑させられるネタも随所にあったり。泣き…はちょっと厳しいですが、感動もありです。
全ルートの総評としては6点ですが、個別に見ると4点から7点。そう低得点シナリオは無かったかなと。安定感のあるシナリオです。ただ、目についたのは、ほとんどが普通の学園ものなので、展開にメリハリが効いてないことも多々あり、「長い…」「眠い…」といったような感想をいだくことも多々あるかと。とはいえ、普通の学園ものとしては、及第点、と言っていいのではないでしょうか。
なんだかんだで、しっかりと「To Heart」してましたし。



ゲーム性:5
恋愛ものの王道をしっかり守った、普通のADVゲームですね。まずはマップから会う女の子を選択し、イベント中に出てくる選択肢で正しいものを選択し、という。
女の子と仲良くなれないと強制的に友情エンドに突入してしまうのも、前作ファンには懐かしい展開でした。
「俺達、親友だよな!!」

ミニゲームが2つもついていたので5点とさせていただきます。私はこういう緊迫感のないゲームはあまり好きではないのですが、結構良く出来ているんじゃないでしょうか。パズルものとシューティングものです。あんまりプレイしていないので当サイトでは5点しかつけてませんが、ハマると面白いのかも知れません。



実用性:4
キャラごとにボリュームや質も結構異なり、「不慣れな感じにドキドキ!」なHシーンもあれば本番開始しても微笑ましい目で眺めてしまうものもあり、「いきなりお尻に挿入し出して違う意味でドキドキ!」なものもあり。CGの塗りは水彩画っぽい感じで結構綺麗ですし、実用に使えるものは使えるのではないでしょうか。女の子のタイプも年下系からお姉さま系、タイマンから4Pまでありと、結構バラエティに富んでます。
ただし当たり前ですがノーマルHしかありません。道具等の使用・高度な精神的掛け合い・触手の発生等は一切ありません。女の子達との初々しいH専門。非処女スキーにはお勧めしません。



音楽:6
前作の曲も多くあり、前作ファンなら非常に好評かと。 私としては、特にFeeling heartのインストゥルメンタルヴァージョンが聴けてテンション上がりました。他にも何曲かありますがプレイ後のお楽しみにどうぞ。
前作未プレイの方にも受け入れやすい曲だと思います。ちょっと似たり寄ったりの曲が多いのが玉に瑕ですかね。単体で聴くと悪くはないのですがメリハリが…。

ボーカル曲:OP,挿入,ED 計3曲あり



キャラ:8
 主人公:名前変更可,綺麗な顔立ち・誰にでも優しい・鈍感・女の子苦手・よって奥手・静かなタイプ・けどたまにアグレッシブ・良くも悪くも純な高校生といった感じ。
 このみ:幼馴染の一つ学年下。主人公大好き。やや天然。子犬っぽい。毎朝一緒に登校。
 タマ姉:幼馴染の一つ学年上。物語途中から登場。姉御肌で、外見も中身も能力も非の打ち所のないタイプ。けれど自分の恋愛に対してのみ勇気が持てない。
 愛佳:おっとりほわほわクラス委員長。男の子がちょっと苦手。
 由真:同学年。主人公を逆恨みし、ことあるごとに対抗心を燃やす。
 珊瑚・瑠璃:一学年下の双子姉妹。天才メカニック元気系とお姉ちゃん大好きっ子。ともに関西弁。
 花梨:ミステリ研究会部長。小悪魔的で主人公を無理やり部活に入れる。
 草壁さん:なぜか深夜の学園に出没する不思議少女。
 るーこ:宇宙人。ノリはどこかの部族長の娘。
 さらら:寡黙な生徒会長。一学年上。

色々取り揃えてるだけあって、誰か一人は琴線に触れることほぼ間違いなしかと。上記した特徴だけでなく色々な背景や隠れた性格・想いなどもあり、意外な一面を見ることもしばしば。
とりあえず、正統派萌えゲーだけあって、この辺は結構奮闘しているのではないでしょうか。どのキャラも健闘しています。例によってばらつきもありますが。



声:男女
どのキャラも安心して聴いてられた、かな。だいたいは。
特に親友の声は奮闘してましたね。珊瑚・花梨あたりは安心して聞いてられましたし、愛佳の一部と、さらら・このみは悶えそうになることも。個人的にはこのみだけでとりあえず元とった気分です。



時間:4
ADVとしては結構なボリュームだと思います。7ルートもあるのに、一つ一つのルートが結構長い。



雑記
システム面は、これもうちょっとなんとかならなかったのだろうか。
既読自動スキップ・CTLキーでスキップ対応くらいはつけてほしかったですね。あと、オートモードが遅すぎです。食事しながら使用したらちょうど良い速さでしたが。

演出面としては、ちょっとした画面効果等が巧みに使われていたように思えます。システム面以外は不満無し。



お勧め度:6
物語展開等に期待するのではなく、キャラを楽しもうとするのがこのゲームの良い楽しみ方だと思います。
萌えゲーをお探しの際には十分に検討の価値ありだと思います。主人公がたまに暴走するので、一歩引いた視点で楽しめる方なら満足できるのではないでしょうか。特に前作経験者なら、多少のイライラ展開も許せてしまうほどの懐かしさを味わえるのでは。
なんだかんだで萌えゲーですが、ただの萌えゲーだけで終わらない何かがあったような気がします。
ただ、全体的にテキスト量が多くクリアに骨が折れるのと、主人公が奥手で恋愛に不器用なタイプだという2点に覚悟だけはしておくべきでしょう。




気に入り度:6
私自身は萌えゲーというのにあまり興味なく、本作もついフラフラと買ってしまった積みゲー崩しの一環でプレイしていたものだから「まだ終わらんのかい…」と何度も思ってしまいました。ヘタな楽しみ方ですね。とはいえ、しっかりお気に入りキャラもできましたし、じわっとくる感動もあり。
ただ、やはり全体的に質をあまり伴わないボリュームが大きすぎる印象は拭えません。時間あたりの楽しみ度合いがどうしても低くなるので、6点止まりとさせていただきます。



(この作品については、攻略・プレイ後レビューにても触れております。)




  戻る  
  基本概要     レビュー(プレイ後)     攻略     リンク  
  HOME