創刻のアテリアル(プレイ前用)

創刻のアテリアル

(執筆:2012/09/21)

メーカー

エウシュリー
(ゲーム性の高いエロゲの老舗。「アナスタシア」との二ブランド体勢で、ここ数年ヒット作連発中。)

属性

発売時期:2012年4月
ジャンル:ADV&カードバトル形式のRPG
用途:ゲーム
舞台:近未来の街・異世界
顕著な性属性:実妹
プレイのきっかけ:遊戯王好き(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:5巡目序盤(攻略度推定9割弱)

テキスト:3

あらすじ:巨大複合企業「MHI」のお膝元である近未来都市でMHIの最先端技術の恩恵を享受しながら妹と二人暮らしをする主人公「秀哉」。ある日、都市の一部が「歪秤世界」と呼ばれる、天使と悪魔が覇権を争う弱肉強食の世界と繋がってしまう。自身が持つ特殊能力に目覚めた秀哉達は、歪秤世界で天使と悪魔の戦争に呑まれていく。

私なんかは上のあらすじの下線部分を自分で書いてて寒気がしたものですが、お読みになっていかがでしょうか。はい、だいたいこういう空寒い空気が作品全体を覆ってます。
吹っ切れた厨二ものではないです。全然吹っ切れない、冷静な厨二ものです。「厨二ものを真面目に(ツボとかちゃんと押さえようとしながら)作ってみたらこうなりました」っていう感じ。
もうね。ぶりぶりの王道設定・王道展開すぎてシナリオ読み進めても出てくるのは気のない相槌とため息くらいのもんです。
「んで、この後はどうなんの?」と先の展開が多少気になったのは確かです。ただ、気になったというのもどちらかというと「前半は土台固めで後半からがシナリオ覚醒だったりとかするの?」とか「ひょっとして神展開が眠ってたりするの?」とかいう淡い期待に近い。で、その淡い期待は報われたか、納得のいく出来だったのかと4巡終わらせてから改めて自問してみたのですが、考えてみたらシナリオの出来に納得したことなど一度もなかった。「うんまぁこんなもんだよね…」と自分を納得させてばかりいた事実に気づいてしまった。
てわけで、長くなりましたがシナリオ総評。真面目に作ってあるけど見どころゼロ。

ライターさんがどういう風に盛り上げようとしたかったのかは分かったつもりです。
僭越ながらライターさんのために敗因を述べさせていただくと、「歪秤世界」という世界設定、そして主人公達の目的や行動原理の構築がおざなり過ぎたんじゃないですかね。

メッセージ性とかは皆無。エウシュリーはシナリオだけ弱いってのは前々からずっと言われてきてると思いますが、この問題いい加減なんとかしてくれんかなと思います。

ゲーム性:4

4巡もクリアしておきながら酷評するのもどうかと思いますが、4巡終わらせゲームパートに詰められたコンテンツも粗方見尽くした上で批判させて下さい。このゲームコンセプト考えた奴、アホかと。
多数取り揃えられたカードの中から数十枚に絞り込んで自分なりのカードデッキを構築し、そのデッキで各カードの特性を十二分に活かし切って勝利を掴む。それがこの手のデッキ構築型カードゲームの代えがたい魅力だと思いますし、本作は基本RPGでありながらそういったカードデュエルの魅力をも盛り込もうとした。それはよく分かります。しかし出来上がったのは、RPGとしてもカードゲームとしても欠陥品と言わざるを得ない、双方の魅力を相殺し合っただけのお粗末なゲームパートです。
もう一度言いますが、本作の基本はRPGです。
RPGの魅力って、端的に言ってキャラや装備のパワーアップだと思うのですよ。
生きるか死ぬかの未知のダンジョンを踏破できるようにキャラを育成し、コスト管理をし、新たなシナリオを紡いでいく。そういうのがRPGの魅力でしょう。
で、一方のカードゲーム。これはね、お互いが同条件で全く対等で闘うからいいんですよ。
本作、その辺をよく考えずに安易にミックスしちゃうもんだから、基本的に自分より劣ったカードしか持ってない雑魚敵といちいちデュエル形式で戦闘しなくちゃいけない。こんなもんはカードデュエルの皮をかぶったただのRPGですよ。
それだけならまだ良かったのかも知れません。しかしそこに、カードデュエルの特徴が、足かせとしてのしかかってきます。
カードデュエルって、山札を引く順番がランダムである以上、そこにはどうしても運要素が出てくる。バランス性を意識してデッキを構築しても、負ける時は負けるのです。
RPGで、雑魚敵相手にも、「負けるときは負ける」ではマズいでしょ…?
製作者が選んだ答えはこうでした。
「負けたら、即やり直しができる」。
アホか。緊張感0だろうがそんなもんは!
そう、雑魚敵との戦闘って、基本的に作業なんですよ。基本的にこちらが強くて、負けても罰則0で、それでいてカードデュエルだからいちおうカードの配置とか考えないといけないのでマウスクリックだけでは終わらない。

…本作は、RPGとカードゲームのミックスだと上述しました。しかし本作、かなりRPG寄りです。カードデュエルの魅力って、カードのコンボだと思うのです。様々な特殊効果を持ったカードを上手く組み合わせ、自分なりの戦術を構築して闘う。
RPG寄りだと申し上げたのは、こういう魅力がほとんど無いという意味でもあります。
いちおう、カードの中には特殊効果を持つものも多数あります。しかしそれらが、また微妙な効果ばかりなのですよ。本作のカード効果は、
1.影響力低すぎて真面目に使う気にもならない
2.素晴らしい威力を発揮するのだけど単体で十分(コンボとか不要)
3.はなからコンボでしか使えない効果だけど、コンボで使っても微妙
だいたい1番か3番ですね。時々2番。RPGですから、特殊効果ばっかり雑魚敵相手にかましてても微妙だっていうのはよく分かりますよ。しかしそれならカードゲームにすんなと思ってしまう。カードゲームの魅力何一つ引き出せてないじゃない。
結局、戦闘は、基本的に力押しでいいんですよ。

長くなりましたが、もう一点だけ、お伝えしたいことが。
カード収集が、本作のゲームパートの魅力です。ぜひ、それを楽しんで下さい。「序盤、ロクなカードなくて戦術も糞もあったもんじゃないし!」と苛立たないで下さい。序盤どころか、中盤終盤だってどうせロクな戦術なんか構築できませんから。強そうなレアカード並べて、それらの特殊効果をバシバシ発動させて、適当に「俺強いわー」ってやってればいいんです。
幸いにして、カードコンプはかなり面倒なゲームです。なので、貴方が手に入れたレアカードとやらは、実際割とレアですから。貴方がゲーム終盤で手に入れた「お、これレアカード?」と思うカードは、おそらく「創刻のアテリアル」ユーザーの4人に1人くらいしか持ってないと思いますよ。それくらいレア。


最後に、攻略のヒント。「情報」ページで、ヒロイン攻略法について手取り足取りガイドしてくれてます。どうぞご活用下さい。

実用性:5

実用に使えるかどうかは別として、実妹ルートが存在するし実妹とのガチ性交シーンがあった。これは評価します。

あと、実用パートも割と充実してた印象ですね。ほとんど全て和姦ですが。頑張ってたんじゃないですかね。ヒロイン多いだけあって。

音楽:6

一部戦闘の曲とか熱くて良い感じなんですが、悲しいことに熱い曲ってほぼその一曲だけなんですよね…。戦闘パートのBGMが何パターンもあったのは良いですね。1曲しかないと飽きますからね。
まぁ、悪くはなかったんじゃないですかね。shadeさん意識して作ったのかなと思わされた曲とかあった。

ボーカル曲:2曲

キャラ:5

主人公:「秀哉」(名前変更不可),妹を溺愛する冷静で穏やかなキャラ。なぜかやたら求心力があり、なぜかリーダー的扱いに。
ヒロイン:多いので省略。

「実用性」項でも書きましたが、実妹をメインヒロインに選べます。
主人公や実妹が当たり前のような顔してHしてプレイヤーが「おま、それ、実妹なんやけど…」ってツッコミ入れるようなタイプではありません。主人公も、実妹も、「兄と妹なのに…」と悩みながらも惹かれ合うタイプの、そういうの。この辺りが、あまり無理なく描写されてましたね。これはねー、この「実用性」項で書くんじゃなくて「シナリオ」項で書けよって感じですが、ついついしっかり読み込んでしまった。
その他のヒロインも… 私は結局5人かな?攻略しましたが… まぁ悪くなかったと思いますよ。そう良くもないけど。

声:女

女性のみフルボイス。
…いや、女モンスターとかは基本声無しですね。

声は… うーん、声は悪くないですがシナリオがあれですから、パッとしませんね。繰り返しますが声は悪くないです。ていうかこのシナリオ構成なら男キャラにも声あってよかったんじゃないかなぁと思いました。主人公の親友の扱いの悪さが際立つ。逆にプッシュされても困るんですけどね。

「かわしまりのさんはまた刀系ヒロインかいな」と思いながら読んでました。


時間:5

私みたいに惰性で3巡くらいやっちまったって人結構多いんじゃないですかね…
明らかに周回プレイ前提で作ってあるもの…。
そのくせ周回プレイになると基本戦闘は作業になるしそれでいて新要素もパッとしないし…。
とりあえず5巡目序盤まで進めた上での評価ですが、普通にプレイしてると5巡目でようやく解放されるカードとかあるくらい、周回プレイ前提で作られてます。問題は、プレイヤーの気力ですね。

その他

システム:基本的なゲームコンセプトが終わってる点以外、特に不満はないです。敢えて言うなら、ゲーム起動するたびに「スキップ」ボタン押すんじゃなく、もうconfigで一括で「既読文はスキップ」とかチェックしてセーブできるようにしといてほしかったかなぁ、くらい。
あ、あと「情報」ってところの充実度は割と満足です。この辺はエウシュリーらしいですね。特に、ヒロイン攻略まで手取り足取りガイドしてくれるのは良かった。問題は、その存在に早くから気づくユーザーがどれくらいいるかってことなのですが…。

演出:ありさってキャラがお友達を助けるため登場したシーンが一番おもしろかった。いや演出でもなんでもないんですが他に書くところなさそうだし演出も書くことないし。

CG大量のモンスターカードCG作成はお疲れ様でした。味方カードのCGが基本的にイベントCG使い回しだったのはご愛嬌ですね。

お勧め度:4

いくら海馬社長が丹精込めて作った青眼の白龍デッキで挑んでも、Lv40の勇者パーティの「たたかう」連打には勝てないんですよ。
…っていう的外れな喩えが、なぜかそんなに違和感ない本作。
敢えて言おう、お勧めしない、と。
いやいや、これお勧めできるレベルに達してないでしょう。
分かります!分かるんですよ!きっちり真面目に作ってあるし、というかかなり作りこまれているし、未完成品とは程遠い水準にあるということは!
しかしゲームパートもシナリオもつまんないんだもの!ユーザーが求めてるのはむしろそっちの完成度だと思うんですけどね!?



気に入り度:4

4巡もやってしまった・・・

いやね、まだまだ書きたいこといっぱいあるんですよ。ゲームパートとかシナリオとか、せめてこうしろとかこうすればよかったんじゃないかとか。でも、「ゲーム性」項ですでに書きすぎてますからね。
それだけ色々言えるくらい、やりこんでしまった…。
時間返せとは思いませんが、「何やってるんだろ自分」と我に返るのが辛い。暇つぶしに桃鉄1人プレイして資産が1000億円越えたくらいに味わう感覚に似てる。



(この作品については、プレイ後レビューにても触れております。)

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