Blue-Sky-Blue【s】−空を舞う翼−(プレイ前用)

Blue-Sky-Blue【s】−空を舞う翼−

(執筆:2006/06/06)



メーカー
EMU
(I'veと仲はいいけど弱小ブランド。2005年あたりに解散している模様。)



属性
ジャンル:ADV
用途:物語
舞台:札幌
顕著な属性:難解なテキスト



テキスト:5
あらすじ:主人公智也は、父親と幼馴染美砂と同居していた。美砂は親戚の家に住むのだが、冷淡な仕打ちから逃げ、主人公達の家で家事をこなし、家族同然になっていた。
しかしある日、父親が北海道に異動となる。智也とどうしても離れたくない美砂は、あろうことか主人公の父親と結婚し、「家族」となった上で主人公に着いてきた。

主人公達が転校した学校では、4人の生徒が自主クラブ「大空倶楽部」を結成しており、主人公達もなし崩しにその部活らしからぬ集会に顔を出すことになる。こうして、4人と2人の新たな生活が始まるのだが…。


視点は、第三者視点です。読んでいて、高校の現代文の読解問題を読んでいるような気分になりました。というのも、やや分かりにくい言い回しが目立つのです。「翼」が何を指すか、登場人物が裏で何を考えているか、そういうのを親切には書いてくれてません。いい表現をすれば詩的な文章、悪く言うなら自己満足的な文章です。
展開というかシナリオ全体の雰囲気ですが、これは私の偏見ですが、「AIR」に随分触発されてないかな、と。「AIR」もラスト付近、難解な表現が出てきますが、ここまでで書いた「詩的な文章」とは、だいたいあんな感じの文章です。あぁいうのが随所で見られるわけで、読んでて何とも疲れます。

この作品を通して伝えたいメッセージという面で見ても、まぁ無いわけではないでしょうが、それほど目新しさは感じませんでした。「そういう世界を描きたかったのね」という感じです。ストーリー展開については、なかなか意表を突く展開も多く、先の読めない展開にドキドキもさせられました。

全体を通してみれば、「頑張ってみたけど力不足」な文章という印象です。

そうそう、独特のノリのギャグは寒いものもあったけど結構面白かったです。これは素直に、楽しめました。
…他の文章から完全に浮いてたりもするのですが。



ゲーム性:3
普通のADV式です。
何がすごいって、選択肢、数個選択するだけでエンドが決まります。しかも、
「○○と話を続ける」「隣を見る」
程度の選択肢で。
これはかなりびっくりしました。いやすごいですね。
面白かったです。無駄に選択肢の数だけ多くてもね。



実用性:4
これも、全然駄目かと思ったら、そうでもなかったです。本編のHシーンはかなり駄目なのですが(というか普通です。ほとんど普通にヒロイン達とのハッピーHシーンです)、各ヒロイン、クリアするとそのヒロインとのおまけHシーンがでてくる。しかも新たなシチュエーション、新たなCGで。
このときだけは本編で思うように出せなかった奔放なノリを思う存分発散しております。もっとこのノリを本編にも持ち込めれば良かったのですが。シリアスシーンと盛り上がりのない伏線説明シーンが多すぎましたね。
というわけで、Hシーンは合計9つです。それぞれの分量は少なめ、実用性も控えめですが、実用不可能というわけでもないです。

一つ評価できると思うのは、こういうADVでは結構いい加減になりがちなHシーンを、無理にシナリオに組み込もうとするのではなく、あくまで「おまけ」としてシナリオ外に打ち出したのは、賞賛に値すると思います。
そうです、どうでもいいHシーンなど時間の無駄。そんなもの作るくらいなら、自由度が高い、少しは気合の入った、本編とは別のHシーンを作ればいい。
18禁ゲームにおける実用シーンについて一つのスタイルを提案する、良いアイデアだと思いました。



音楽:6
OP曲がI'veの「空を舞う翼」。これがなかなかいいです。優しい感じのメロディラインです。
BGMも全般をI'veが手がけているのですが、主題歌のインストゥルメンタルバージョンと、あと1曲程度でしょうか、いいなと思ったのは。正直期待はずれでした。
とはいえ、主題歌のインストゥルメンタルバージョンはなかなか聴かせる曲で、気に入ってます。主題歌より気に入ってます。
けれど一番気に入っているのは「I've girls compilation 5 『OUT FLOW』」に収録されているアルバムバージョンだというのだから、なんともやるせないものがあります。

ボーカル曲:OP曲



キャラ:6
 主人公:名前変更不可,暗い。美形。強く自分の道を歩こうとする高校生。
     背中に大きな見えない翼があるらしい。
     残念なことに精神レベルもリアルな高校生チックで、感情移入しにくいです。
 父親:こちらが真の主人公だと思っていた方がいいと思います。
    主人公を見守る、いつも温和な人気気象予報士。
 幼馴染:不安なときは、主人公の袖を掴んで後ろをついていく昔の癖が出てくる。
     主人公一家の家事を一手に担う頑張りや。
 風夏:天然キャラ。周りの誰も見えない翼が見える。
 恵奈:気持ちいいくらいボクっ娘。溌剌としたタイプ。渋谷君と幼馴染。
 香澄:呆れるくらい眼鏡っ子秀才。
 渋谷:おとなしいタイプの眼鏡っ漢。

いかにも二次元二次元したキャラ達。これはもう好き好きですね。
プレイしていくうちになんだか段々悪くないような気がしてきたので、こんな点数です。
さきほどギャグが面白いと書きましたが、これもキャラ無くしてはありえない面白さ がほとんどでしたので。



声:女
読んでて泣きそうになる、女性のみボイス。本作みたいに、男性キャラと女性キャラが会話するシーンが多いゲームだと、なんだか見てて複雑な心境になります。
男性キャラにも声あてればよかったのになと思います。

で、当レビューで一番書きたいのは、もしやここかも知れません。声、私にはツボでした。どの人も良かった。特に美砂声。中瀬ひなさん。この人のおかげで、美砂のほんわかした可愛さは数倍アップしました。テキストと相成って、なかなか、作れそうで作れない貴重な1キャラに仕上がっていると思います。
(中瀬ひなさんについて調べてみたのですが、CROSSCHANELの霧役でした!あれも良かった…)
他のキャラも、なかなか良かったと思います。ボクっ娘は見事なくらいボクっ娘でしたし、風夏さんの天然ボケキャラに、声もぴったりでした。
あと、先生。あの人の演技に、普通にちょっと感動しました。声優業って、すごいなぁと…。まぁこの辺はプレイして下さい。

というわけで、普段から声優評価はたいてい高いのですが、この作品においては他にほめるところが目立たない分、声優さんたちの頑張りに目がいきまくりでした。
正直、美砂に少し萌えかけました。この声ならでは。



時間:3
かなり短いです。10時間でコンプできるのではないでしょうか。




雑記
システムは、一応必要な分は揃っています。
全体を通して章立てされているのですが、これが非常に分かりにくい。演出も、その辺り結構凝っているのですが、最初の1回以外はスキップで飛ばしてしまうし、最初の1回は副題の文章も意味不明で理解できませんし、そもそも章立てされているということに気づいても、いつ章が終わっていつ章が始まったのか、最初のうちは全然分かりません。この辺り、かなり惜しい、失敗しちゃっているところだと思います。
この問題と根っこは同じなのですが、共通パートが長すぎて、2周目以降、各ヒロインパートに入るとそこはすでに修羅場です。ボーっとスキップして、止まったところが既に話も終盤あたりという。これは・・・。物語を読ませる上で、この拙さくらいは察してほしかったところですね。



お勧め度:5
あまりお勧めはできません。ギャグ等はなかなか面白かったですが、ちょっと昔(2002年)の作品としても、質は低めです。この質でヒットするのは90年代まででしょう。
逆に言うなら、90年代に発売されていれば、そこそこの人気は出たかも知れません。
なんというか、雰囲気&キャラギャグゲーという感じですので、どちらかに興味おありなら一度プレイするのも悪くないと思います。どちらも、それなりの出来です。
なんというか、かなり個性的ですね。良くも悪くも。そういう点押さえた上で、挑んでみてはいかがでしょうか。




気に入り度:4
主人公の行動に理解が示せないというのが痛かったです。あと、難解なテキストの割にテーマはそれほど目新しいものでもなかったのも、減点です。
なんというか、変化球なんですね。テーマも、テキストも。
正直、読んでて退屈なときも多かったです。
逆に、先の展開がかなり気になるところも多かったですが。

まぁ、美砂に会えたのと、「空を舞う翼」のオリジナルバージョンに出会えたのは収穫でしたね。

この人のテキスト、一度は読んでおく価値あったとは思います。ギャグとか。
とはいえ全体的に、いかにも「B級」という感じでしたね…。





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