戦極姫2 〜戦乱の世、群雄嵐の如く〜(プレイ前用)

戦極姫2 〜戦乱の世、群雄嵐の如く〜

(執筆:2011/10/25, 2011/12/02)



メーカー
げーせん18
(UNICORN-Aの子ブランドの一つ。SLG系がメイン。基本的に評価は低い。)



属性
発売時期:2010年2月
ジャンル:戦略SLG
用途:ゲーム
舞台:架空戦国ワールド
顕著な属性:巨乳
プレイのきっかけ:1でOじろー氏のファンになったから。(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:1巡クリア(伊達)、2巡目クリア(大友)、3巡目後半(織田) 4巡目中盤(群雄モード里見家)



テキスト:5
あらすじ:およそ半分強が女性化しちゃってる戦国ワールドで、軍師として生きる主人公。最初に選択した国によって、主人公の設定も変わる。

KOEIの「信長の野望」シリーズなどに代表される天下統一を目的とした戦略SLGって、自由度が非常に高い分「シナリオ」というものが無きに等しい。よって武将(ユニット)達のMOB感がすさまじく、パラメーターでしか配下のユニットを見れなくなりがちだと思います。SLG要素一点張りゲーの欠点ですね。
その点、本作はADVとSLGの見事な融合を果たしていると言える。武将達の大部分はMOBキャラですが、残る少数の有名武将が、美少女キャラ(あるいは男キャラ)として存在する。そのキャラ達とのやりとりがADVパートで行われつつ、そのキャラ達を使っての国盗り戦略SLGが楽しめる。
つまり某KOEIソフトではほとんど一ユニットにすぎなかった武将が、本作では
キャラクター(ADV)=武将(史実)=ユニット(SLG)
の見事なリンクを構成するのです。
これは、武将の史実のキャラクターを知ってる者にとって実に楽しい。その史実キャラを元にした美少女(or男)キャラ達がプレイヤーの分身たる主人公と生き生きと交流するのを眺めつつ、SLGパートではそのキャラ達のパラメーターを睨みつつ運用するわけですから。詳しくは後述しますが、キャラ武将(非MOB武将)達は使えるユニットである確率がかなり高いです。もっと踏み込んで言うと、どの大名家を選んでプレイしても、SLGパート攻略の要である主力ユニット達は、ADVパート攻略の要であるメインヒロイン達とほぼ一致する。プレイヤーは、主人公およびメインヒロイン達を駆使してSLGパートに臨むことになるのです。

お分かりでしょうか?つまり本作は、美少女ゲーとしての利点を最大限に生かしたSLGであるということです。
もちろんこの点は、「戦国ランス」を初めとするその他のエロゲSLGにも共通して言える事柄です。
しかし本作ならではの特徴は、選べる大名家が3つや4つでは収まらず、しかもそれら全てに個別シナリオと個別ヒロイン達が存在するという点ですね。もちろん、数が多い分一つ一つのシナリオ量は控えめですが、そもそも本作はシナリオゲーではないのですから些末な問題でしょう。

前置きが長くなりました。
で、肝心のシナリオの質。
毛利、武田、上杉の3シナリオは1から微修正した程度だと思われます。
大幅修正は織田と島津。島津は、キャラ自体が全然別人に変わってますね。1の島津家好きだったんだけどな…。織田は、基本軸はそのまま、しかしシナリオに大幅なテコ入れ、という感じでしょうか。
そして大友家と伊達家が追加。
ライターが複数人いますが、共通して言えるのは、戦国にまつわる歴史(史実)がシナリオに非常に色濃く反映されている点。「戦国ランス」なんかは武将達の名前だけ借りた完全な別キャラとしてキャラクター達が配置されていますが、本作は違う。もちろん基本的にギャルゲーですからボーイミーツガールが主軸なのですが、ヒロイン達やヒロイン達が背負う大名家は、史実(あるいは伝承・逸話)を元とした"二次創作"的要素が極めて強い。
創作を元にした創作が二次創作であるため、史実等を元にした本作シナリオを「二次創作」と呼ぶには語弊があるのですが、「二次創作」という言葉のニュアンスをお伝えしたかった。








ゲーム性:8
大まかな点は前作と変わらないので、前作での説明文を抜粋しておきます。
新要素については、この項下部の2行以上改行空いてるところを御覧ください。

地域制圧型の戦略SLGです。一つの国(地域。尾張とか美濃とか越後とか)ごとに、城が多数存在し、それぞれの城が街道で繋がっています。その国の城をあらかた自分の領土にすれば、その国が自分の領土ということになります。
国内の城の数が多いので、一つの城を落とす・落とさない程度で大勢に決着がついたりはしません。同じ城でも、戦略上極めて重要な位置になることもあれば、守備する価値がほとんどない城になる場合もあります。わざと城を放棄することで、その後の侵攻が楽になる場合もあるでしょう。また、歯噛みしながらでも城を放棄せざるを得ない局面もあるでしょう。 どの城をどの順で落とすか、またどの城をどう守るか、その都度変動する他勢力のおよその動向、敵部隊の数や強さを見据えながら、限られた武将・兵士数の中から上手にやりくりし立ち回るのがこのゲームの肝です。
もう一つ触れておきたい本作の大きな特徴として、敵武将・自武将とも、非常に高頻度で切腹するという点があります。主要キャラ・汎用キャラの区別などなく、ザクザク自害します。狙った娘が自害、などしょっちゅうです。これから狙うつもりでワクワクと侵攻していくと、既にその娘は死んでおり別の者が家中を盛り立てていた、なんてこともしょちゅうです。戦国の世の無常を、実に淡々と描いています。
それを救済するのが智将による「引き抜き」コマンド。文字通り、敵武将を寝返らせます。寝返る率は、「信長」に比べて格段に高いです。というのも、何度も説得することにより落ちることがよくあるのです。必ず欲しい武将は、何度も説得しましょう。


続いて、新要素について。
…の前に、一つだけ補足。「引き抜き」でお目当ての姫武将を引き抜けると申しましたが、織田・上杉・武田・伊達・大友・島津に属し、それぞれのルートでシナリオが用意されているメインヒロイン達だけは、他ルートで攻略しても一切引き抜けません。なので、それら大名家だけは完全に敵と割り切って、主要キャラの殲滅にかかって大丈夫ですね。むしろ、後半になればなるほどキャラが成長していき厄介な難敵となるので、可能であればなるべく早く潰しておいた方がいい。その辺りも、「どの大名から攻略し、どう領地を広げていくか」の戦略を考える上での検討材料の一つになるので、面白いですね。

2で追加されたゲームパートでの新要素、細々と色々あるので、私が重要だと感じたものについてのみ触れます。ズバリ、育成要素。上でもちらりと触れましたね。
全ての武将には"統率"、"智謀"、"内政"の3つの能力値が存在し、1〜20まで(だったか)の数値が設定されています。それに加え本作では経験値というものが0〜10まで存在しており、武将が移動以外の行動をすることで一定確率で1増加します。そして、それが10までたまると、レベルアップ。
レベルというのは言わば隠れパラメータなので現在レベルは直接確認できませんが、0〜3レベルまで存在します。そしてレベルが上がることで、その武将の3つの能力値全てが1ずつ増加するのですね。
「たった1ずつ?」と思うことなかれ。なにせ上限20しか無い中で最大3も増加するのです。これはバカに出来ない。全く使えない武将が使えるようになったりはしませんが、「そこそこ使える」武将を「かなり使える」武将に育て上げるくらいはできるでしょう。
そして、むしろこちらの方が重要。固有顔を持つ武将(非MOB)に関しては、1レベル上がるごとに、数値増加に加え新スキルを習得するのです!つまり、最大3つスキルを覚えるわけですね。
スキルの種類が99通りもあるのは評価できる。たとえ効果が割と似たり寄ったりだとしても。理由は2つあって、まず、スキル集めるのが純粋に楽しい。そして、武将にもよりますがメインヒロイン達のレベル3スキルはどれもかなり強い。スキル発動によって、戦局はかなり有利に運べます。
また、スキル発動が運任せの自動発生なのもいいですね。強いのは強いのだけど、あくまで補助的でしかないというか。ボーナスステージ的というか。マリオでスター取った感じ?そこまで無敵じゃないですけどね。

で。なんでこの育成要素をここまで強調するか。
ここで、シナリオ項で触れた話とつながってくるのですよ。
本作は、戦国国盗りSLGでありながら、同時に戦国恋愛ADVでもあります。SLGパートでプレイヤーの国の主力になるのは、そのシナリオでのメインヒロイン達であるということは上述しました。つまり、SLGパートで上手く立ち回りたければ主人公やメインヒロイン達を中心に活用するのが得策であり、それをやることでメインヒロイン達が成長し、最初はそこまで強くなかったキャラ達もかなり使えるキャラになっていく。その過程で、当然そのユニット達にも愛着が湧いてくるわけです。その愛着が湧いたユニット達がメインの攻略ヒロイン達であり、また逆に言うとメイン攻略ヒロイン達を、SLGパートで上手く使ってあげることで武将としても優秀なユニットに成長していくわけです。これは楽しい。

本作は、細々と追加要素はあるものの、大元のゲームパートは、1とほとんど代わり映えのしないものです。城の配置とか1と全く一緒ですしね。しかし、新たに導入された育成要素。これにより、1よりもさらに「美少女SLGゲー」として洗練されたものに仕上がっています。これはグッド。

末筆ですが、本作の偶発性もまた、本作を楽しむための一要素だと思います。何度かプレイしましたが、毎回のし上がってくる大名家も違えばそののし上がり方(領土の広げ方)も違います。シナリオ持ちの主要大名だけでなく、「どこ…?」っていうような大名が最も領土を拡張している、という状態も珍しいことではありません。基本的なプレイ方法は変わりませんが、毎回、その状況状況に応じた戦略を考えないといけないのが、新鮮で楽しいですね。



実用性:4
前作よりもトーンダウン。
特に陵辱要素が格段に減ってるのは、完全に売れ線狙いですよね分かります。
というかコンシュマーの逆移植ですからー。そりゃ陵辱要素とか無いですわな。仕方ない。
でも、「戦国の世の非常さ」を淡々と描写する本作(ヒロイン切腹的な意味で)で陵辱要素激減ってのは、個人的には残念。戦国モノならではのエロスってあると思うのですけどね。まぁいい。どうせ陵辱ゲーマーは日陰を生きるのがお似合いなのでしょう。
しかし、Hシーンのひどさ、具体的に言うと大友家の某Hシーンのひどさには唖然としました。語り視点から文章から、一変してますからね。プレイ中は「…ライターさんどうした…?」と思ってましたが、後から合点がいった。大友シナリオ、コンシュマー版で担当したライターさん、2のHシーンには噛んでないのでしたね。つまり多分Hシーンだけ別ライター。
もうちょっとちゃんと仕事しろよと思いました。




音楽:6
それほど良いというわけでもないですが、なかなかに熱い曲が揃っています。

ボーカル曲:有(OP曲)




キャラ:5
 主人公:シナリオによって多少キャラが変わる。
     全ルート共通なのは、何故かモテまくって絶倫である点。
     お約束ですね。
 その他:さすがに多いので、公式サイト見て下さい。

2でどういうシナリオ修正がされたかは知りませんが、1の上杉謙信は素晴らしかったです。個人的一押し。2での追加ヒロイン達も、脇役を含め皆良い感じでした。萌え的なものはありませんが、好ましくシナリオ読めました。




声:男女
前作より色々と微改良がされたように感じます。声の質は若干上がりました。
お金の問題とかあってしかたないのでしょうが、非Mob男武将にもう少し声パターンあってもいいかなとは思いましたけどね。まぁ仕方ないか。



時間:6
正直な話。
1でとことんやりつくしたので、2プレイ開始時点で既に飽きてました。

2010年2月にプレイ開始して、レビュー仕上がったのが2011月12月って時点でお察し下さい。

けれど、一度プレイ再開すると、やはり面白いものですね。
…いや、この表現は正確ではないですね。ライバル大名が強大であれば、とても楽しいですね。時を忘れてプレイしてしまう。
…いやほんと。
本作、前のレビューでも書きましたが、「気に食わない展開にはロード」ってのをやると、途端にクソゲーに堕ちます。「クソゲーと感じるのはユーザーのプレイスタイルがクソだから」などとは言いませんが、少なくとも本作を楽しむ上で、「気に食わない展開にはロード」は明らかに不向きなプレイスタイルです。
というのも。結局本作、"1番"になってしまうと後はただの作業ゲーになるのです。2番以下の状態でがんばってるのが一番楽しい。難易度がなまじユルめなもんだから、一度プレイヤーが1番になったら、もう覆らないのですね。あとは作業ゲーに堕ちる。むしろ、超大国が敵国のどこかにあるくらいが一番燃えるし一番楽しく、また難易度としても「難しい」レベルで実に楽しいはず。(VERY HARDではないという意味も含め)

1をプレイしていてもそこそこ楽しめるでしょうし、1未プレイならなお楽しめると思います。




雑記
例によってここまで絶賛してきましたが。

まずシステム。
なんでまだマウスホイール非対応なのか。アホなのか。
ロード関連が相変わらず使いにくいのは、これも例によって「あまりロードしないでプレイした方が楽しいよ」という製作サイドからの声ならぬ声なのでしょう。
若干改善されたとは言え相変わらず演出がチープなのは、少ない資金でやりくりしたその努力をかって不問にします。効果音の一部がやっぱりフリー素材な点についても同。
塗りについては、まぁ…前作で鍛えられた身からしたら全く問題ないレベルですね。別に褒めてませんので、あしからず。
背景… うん… まぁ少しはマシになりましたよね。少しはね。わずかな素材でもできるじゃない!

初見さんには、「決して期待するな」とだけ申しておきます。大丈夫、そこまで酷くはないから。



お勧め度:6
たとえ、極めて厳しい情勢でも、必ず突破口はある。
1から継承されているこのシステムの妙が、本作の隠れた魅力です。たとえ一時的に窮地に立たされても、諦めて過去のデータロードしたり、上手い展開になるまでセーブ&ロードを繰り返したりすることなく、そのままの状況でプレイを続行していただきたい。
エロゲ業界のSLGって、セーブ&ロードゲーが多すぎなんですよ。基本は物量差(質の差)による轢き殺しゲーで、ただしメインヒロインユニットがやられたら即アウトとか。
あとSLG系に多いのが、一つ一つの拠点、一度でもユーザーのものになったらそれが敵国の手に渡るようなことはまず無い(つまり完全一方通行、一本道)とかね。
それらを全否定するつもりはないですが、それ以外の方向性を持ったゲームがもっと増えてもいいと思います。
本作は、100ターンくらいかけて、全国無数に散らばる城を取り合うゲームです。プレイ中は、配備していた兵力や城の堅固さの不足から、一時撤退を強いられる地域も出てくるでしょう。そういう時に、その苦境を「無かったことにする」のではなく、「いかに巻き返すか」に知恵をしぼる。あるいは、ある程度大軍で攻め込んだものの、ランダム関数に妨げられ、あと一歩のところで城が落とせなかった。あるいは、敵軍にぎりぎりで攻め負かされた。そういう停滞も「ロードしてやり直す」のではなく、「次以降のターンに持ち越す」。
本作の楽しさは、まさにそういうプレイ姿勢によって初めてたぎってくるものであり、また苦境・停滞を迎えてもまだまだ挽回できるだけの余裕がユーザーに与えられているゲームでもあります。

たしかに、ランダム要素は多いです。サブヒロイン達とのイベントを全て見ることなど、最初から諦めておいた方が良いです。完璧主義者には向きませんね。
しかし、その「完璧を求めない」というプレイスタイルで挑めるのならば、本作は山あり谷あり、毎回新たな展開があり、次の展開が読めない、ハラハラドキドキのプレイが楽しめるのではないでしょうか。

ゲームパートばかり語りましたが、シナリオも、この軟弱な作りの割にはかなり硬派。戦国時代ファンには、戦国ランスなんぞよりもこちらを強くお勧めしたい。戦国ランスも私はずいぶんやり込みましたが、こと「戦国もの」としては本作ほど真面目な作品はないと断言できるレベルです。





気に入り度:6
私が好きだったライターさんが「2」で切られたので、げーせん18にも「2」以降の戦極姫シリーズにも特に愛着は無くなったのですが、それでも、なんだかんだで楽しくプレイしてしまいました。伊達シナリオが予想以上に面白かったのも嬉しい誤算。
「隠れた良作」というか「意外と良作」という感じでしょうか。合う合わないはあるでしょうが、合う人にとってはきっと良ゲーだと思いますよ。

要望としては、難易度何段階かあれば良かったなーと。もうちょっと難易度上がった版もやってみたい。ユーザーが自分であれこれ難易度調整するんじゃなくて。(序盤10ターンくらい放置するだけで割と違うと思います) 案としては… まぁあれかな。ランダムで何ヶ国か、初期兵力&財力が高いとか?それだけで展開全然違うものになりますからね。







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