世界ノ全テ

(執筆:2006/07/16)



メーカー
たまソフト
(本作でプレイヤー達の支持をゲット。)



属性
ジャンル:ADV
用途:物語
舞台:現代、関西の高校
顕著な属性:青春もの・関西弁
プレイのきっかけ:中古屋で見かけて、評価高かった記憶がありそのまま購入しました。



テキスト:6
あらすじ:主人公は関東から関西の学校に転校してきた高校2年生。家庭では常に優秀な兄と比べられ劣等感を感じており、他人と接するのも消極的。そんな中、同じように周囲に壁を作って過ごしている転校生智子と接するうち、彼女と一緒に軽音部に入ることに。

まぁ標準的な高校生青春ストーリーといって問題ないでしょう。前半が、居場所の無かった主人公が仲間達との部活を通じて自分の居場所を見つける仲間物語、後半が、その中で仲良くなった女の子とのラブサスペンスといったところ。話は全体的に明るい雰囲気ですが、コメディっぽくはないです。
シナリオは、ほぼ1本です。ヒロインは4人いますし4ルートあるといえばあるのですが、共通パートが非常に長く、分岐後の見所もメインヒロイン以外無いに等しいです。メインヒロイン以外のルートに入ると、メインヒロインとの三角関係で板ばさみに遭います。そういうのを楽しめる人以外にはつらいでしょう。
ただ、メインヒロインのシナリオはそれなりに読み応えもあります。なかなか可愛い子で、最初の素っ気無さが段々とベタベタと甘えてくるあたり、プレイヤーのツボを突くこと請け合いです。終盤の展開はなかなかシリアスになってきて次々と読みふけってしまうほど。

しかし全体的にいえるのですが、主人公の駄目っぷりに辟易します。こんなに酷い主人公は初めてです。美形で声は良くモテるのですが、大事なところで自分の殻に閉じこもったり無駄に色気づいていたり、本当に、いや、まぁリアリティはたっぷりなのかも知れませんが…。
< というわけで、主人公もただの一キャラと割り切ってプレイできない方には結構辛い作品だと思います。

何かと人を選ぶ作品です。名作だと思ってプレイするとえらいことになります。かなり粗も多い作品です。
青春・仲間ものを楽しみたいならお勧めです。また、キャラ全員関西弁なので、そういうのが好きな人にはうってつけです。それ以外の人には・・・



ゲーム性:3
毎日どこに行くかの4選択+会話中の2選択で、4人のヒロインいずれかのルートになります。標準的なADV形式です。



実用性:4
ヒロイン達が関西弁なので、その辺、好きな人にはたまらないでしょう。
少し癖のある絵と、濡れ場では控え目な声優さん達の演技など色々と減点要素もありますが、量はそれなりに多いです。それなりに力入っていると感じました。



音楽:7
結構好みの曲もあり、何よりボーカル曲がギター音にやや陳腐さを感じるもののなかなか聴かせるものでした。結局どれもお気に入りになりましたし。全体的にちょっと癖があり、ゲームの雰囲気を盛り上げているとはあまり思わなかったものの、曲単体として聴ける曲が多かったと思います。
たまソフトの人気を支える一要因であることは間違いなさそうです。

ボーカル曲:OP曲、主題曲、ED曲… もっとあったかも。普通にプレイして聴けたのは3曲です。



キャラ:6
 主人公:名前変更不可,美形・美声・テンパると自分のことで手一杯
 智子:メインヒロイン。主人公と同じく転校してきたばかりで学校に馴染んでいない。
    最初は素っ気無い態度だが、仲良くなると可愛い一面も多く見せる。
 ほのか:3年生。眼鏡っ娘。引っ込み思案でおとなしい性格。
 まりも:1年生。明るく人当たりが良い。軽音部ではベース担当。
 男友達:2人。軽い感じの眼鏡軽音部部長(ギター)と無口な体育会系ドラマー。
 かすみ:先生。熱心で生徒思いの若手教師。巨乳。
 瑞希:まりもの友達。軽音部部長のことが好き。心臓病を患っている。

各キャラ、奇をてらわない標準的なキャラ設定であり癖もあまりないので、自然に馴染めるでしょう。
ヒロイン達は各キャラとも主人公に献身的な恋愛シーンを見せてくれるのでなかなか楽しめると思います。(かすみ・瑞希除く)
というか、主人公よりもキャラに感情移入してしまい主人公に怒りを覚えることも…。



声:女
男も声入れれば良かったんじゃないかと思います。「部活の仲間」が中心に物語は進むというのに、見事に女の声しかないです…。
女性の声は、ほのかと智子に若干不安は覚えたもののまぁ合格ラインだと思います。



時間:4
クリアまで、時間はそれなりにかかります…。
ただ、正直智子をクリアすれば後はどうでもいいと思うので(ほぼ展開同じ、見所無し)、智子だけなら3点です。



雑記
選択肢が多いためクイックセーブを多用しました。セーブポイントも多いので困ることはないのではないでしょうか。クイックロードボタンが無いこと以外、特に不満はなかったです。標準的という感じ。

演出として、雨の演出がなかなか綺麗。電車に乗ると風景が変わっていくのもなかなか。あと、大きめの立ち絵が出てきたりと、それなりに演出の方にも力は入っていました。



お勧め度:5
智子ルートだけなら、お勧め度は6か7…くらいでしょうか。残りのルートはまともな物語としては読むに堪えず、実用としても不十分です。どう考えても、ライターは智子ルートしかまともに仕事できてません。智子ルートは良かったことは良かったのですが、これも、あと一歩が足りないと思います。個人的な趣味の話ではなく。
各キャラの内面描写についてはなかなか良かったし、音楽は良かったのに、勿体無い。ライターの力不足を強く感じます。




気に入り度:4
主人公が致命的に駄目でした。楽しんだ総量よりもイライラした総量の方が多分大きいです。
作品を通じてライターが訴えたいものというものも感じ取れず、ライターがただ書きたいものに付き合わされていた感があります。クリアした順番も悪ければ先入観(良作だと思ってた)からくる期待も高すぎたのでしょうが、それにしても…。



(この作品については、リアルタイム攻略日記をつけておりました。)

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