虜囚 -RYOSYU-(プレイ前用)

虜囚 -RYOSYU-

(執筆:2010/01/06)



メーカー

暗黒劇場
(黒雛・極フェロなど多数の廉価ソフトブランドを抱えるMASTER UP傘下の一ブランド。ダーク系が中心。)



属性

発売時期:2009年5月
ジャンル:調教SLG
用途:ゲーム
舞台:現代、山荘とその地下室
顕著な属性:調教、縛り、フィスト、食糞
プレイのきっかけ:広崎悠意氏のファンなので。もう恐らく作られないであろう調教SLGなので。(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:TRUE END開放(2/3)



テキスト:4

あらすじ:生きることに絶望し自殺を図る主人公に、謎の少女が、楽に死ねる薬を渡す。そしてそれと引換に少女は、ある女学生の調教を依頼。3週間でその女学生を堕とせという依頼を受け、少女が用意した屋敷の地下室で調教を開始する主人公。


女学生を拉致・監禁して調教するゲーム。マスメディアで紹介されるとしたら間違いなくこんなフレーズでしょう。世間一般の倫理観や幸福論、そういったものとある意味真逆の行為であり、一般常識にてらすなら一言"狂ってる"。しかし、調教師(主人公)もヒロインも誰一人正気を失ってはいない。
調教をコミュニケーションの一つとして捉えることに嫌悪感を抱くのが一般的な価値観でしょうが、そもそもコミュニケーションとは何なのか。そのような問いに本作はさりなげくしかし鋭く切り込みます。昨今の時勢(規制問題的な意味で)という波に正面からぶち当たるのではなく、ぎりぎりのラインで上手く乗っています。これはシナリオとしての面白さとは無関係なのですが、その乗りっぷりには感心させられました。

廉価ソフト、しかも調教SLGがメインということで、シナリオ自体は極めて短いです。が、物語の雰囲気は十分に出ていますし、また短いながらも存在感のあるシナリオ。
さして上手いわけでもなくそもそも極少のボリュームながら、異彩を放つテキストです。
クリア後の余韻が悪くない。



ゲーム性:6

調教SLGと聞いて「戦乙女ヴァルキリー」シリーズや「姫騎士アンジェリカ」、「ボンデージ・ゲーム」やオーバードーズ作品等を思い出すアナタ、それは調教ADVであり、調教SLGとはまたちょっと違った部類のものです。(見事DUAL TAILの名前を挙げることができた方が現代の調教SLGゲーマー。)
どこが違うかと申しますと、前者が選択肢を選んでいくことでほぼ必然的に調教レベルが上がるのに対し、調教SLGはヒロインに備わる各種パラメーターをうまく操作することが肝となる点でしょう。なお、そのパラメーターは得てしてプレイヤーにそのほとんどが明示されており、プレイヤーはヒロインの状態(各種調教進度・従順度・体調・精神状態など)や自分の調教方針を念頭に、その場その場で最適の調教メニューを実行する必要があります。
調教メニューはオーソドックスなものばかりで、とっつきやすいです。胸揉んだり異物挿入したりアナル開発したり(快楽調教)、お尻叩いたり鞭で叩いたり(被虐調教)、自慰や排尿を強制したり浣腸したり(羞恥調教)、あるいは手コキやフェラ等を求めたり(奉仕)。
SM色は弱く、三角木馬もロウソクも複雑な縛りも、また薬物使用等も一切無し。とは言え、お好みでしたら針責めやフィスト、食糞強要といったえげつないメニューも選べます。
あ、あと氏の他作品と同様、きっちり生理もありです。

過去の調教SLG(特に氏の過去作品)をそのまま踏襲しており、過去の作品に慣れておられる方ならそう苦も無く攻略できるでしょう。あまりこのジャンルが得意でない私でも何だかんだでエンドまでいけたので、難易度は氏の過去の作品群(虜・虜2)に比べて易しい、と言えるでしょう。が、決して易しすぎるということはなく、色々と試行錯誤が求められます。その中でプレイヤー自身が経験的により効果的な調教方法などを習得していき、それに伴ないヒロインがじわじわと調教されていくダークな興奮こそが、このジャンルならではの醍醐味でしょう。基本はスキルアップの達成感のはずですが、スキルというのが完全に非社会的なものなので、得も言われぬ感覚になる。
「普通の女学生を有無を言わさず拉致・監禁し、自分の奴隷となるよう調教する」。どう見てもエゴイズム100%な内容でありながら、欲望垂れ流しとは真逆のプレイスタイルが求められる。限られた時間内で、かたくななヒロインのパラメーターを睨みながら最適の手法を模索する。このまま業界から駆逐されていくには惜しい「ゲーム」としての愉しみがあります。



実用性:4

「いかに虎眼、業物か」
絵、声はともかくとして、尺において問題外の出来である
「抜けませぬ 飾りかと」


…エロシーンなど飾りです。
このジャンルが衰退した理由の一つが、これ、尺の短さにあるんじゃないかなぁと私は思っています。
調教SLGですので、いうなればほとんどがエロシーンのはずなのですが、こちらのアクションに対する即座のリアクションがそのエロシーンの大半を占めますので、実用どころではない。自分のその行為によってヒロインがどういうリアクションをし、結果パラメーターがどう動いたかの方を確認するので手一杯です。シーン鑑賞どころではない。そもそも、シーンというより1コマという感覚に近いです。
中には、シーンもあります。いわゆる、回想シーンに収録されるようなもの。しかしそれも、調教バリエーションの多さが祟るのか、一つ一つのシーンは極めて短い。数クリックで終わる。実用する暇もない。

ここで忘れていただきたくないのは、その短いシーン一つ一つが、全て自分があれこれと試行錯誤した末にようやく到達できた調教進度の証としてのシーンであるということ。言うなれば「ご褒美シーン」。つまり、そのシーンへの思い入れも自然強くなりますし、興奮もします。決して、エロくないわけではないのです。こんなジャンル好き好んでやってるくらいなんだから、むしろツボなはずなのです。が、抜けない。興奮するだけ。巷に溢れた実用ゲーのように、1つのシーンを長い尺で引き伸ばしたりしてくれない。抜きたいというなら、努力しなくてはならない。貴重なテキスト一つ一つを、己の中で最大限に咀嚼し興奮に導かなくてはならない。でないとそのシーン速攻で終わってしまう。そもそもプレイ中にそんなことに没頭していたら、これまで自分の頭の中にあった今後のタスクリストを忘れてしまう。

つまり調教SLGとは、やってること自体は完全エゴイズム行為であるにも関わらず常にクールな思考と判断が要求され、またその背徳的エロスにプレイヤーを興奮させるだけさせて発射はお預け、という二重の矛盾と苦悩を孕んだ、荒行のようなジャンルなのです。
私なんぞは、プレイ途中で我慢できなくなってきて同系列のちゃんとした実用作品に逃げる腑抜けですが、想像するに、このジャンルの諸先輩方はきっと修験者のような表情でプレイされているに違いありません。

まとめると、「独力でなんとかしなさい」。



音楽:5

楽曲数も極めて少ないですが、ダーク系、ローテンポの、なかなか雰囲気のある曲です。

ボーカル曲:無



キャラ:4

主人公:秀一(名前変更可),事業に失敗し、恋人には裏切られ失意のどん底にいる青年。自分の無力を感じ、社会に接することが苦痛となり、死を決意する。本来は真面目な普通の男だが、ボタンの掛け違いのように不幸に追い込まれ、彼は「調教」を自分の逃避場所として受け入れる。(公式サイトより)
メインヒロイン:品も家柄も性格も人当たりも成績も良さそうな、また真面目な、女学生。
謎の少女:主人公に、安楽死の薬やメインヒロイン、メインヒロインの調教場所などあらゆるものを無償で準備した少女。ただ成り行きを楽しんでいる模様。攻略不可。

メインヒロインを、言うなれば「手塩をかけて育てる」わけですから、愛着も湧くことでしょう。ただ、キャラ萌えとかとは別ですね。
キャラとしては、エロゲキャラとしては古風と言える、清楚としたモダンな女の子です。萌え系のエロゲヒロインとかとは全く違う雰囲気です。エロゲヒロインというより、一昔前の一般小説のヒロインみたいな感じ。(私が思いつくところで言うと三浦綾子の「氷点」とか)



声:女

女性フルボイス。昔の調教SLGのようにパートボイスじゃないです。いやまぁフルって言っても短いんですけど。
演技については、文句無しです。



時間:3

意外と熱中すると思いますよ・・・・・・!

少なくとも廉価実用系ADVよりは長く楽しめる… 比較対象がおかしいか。
廉価ということもあり、ゲームが中心の作品の中では特に短い部類に入るので、結構気軽にプレイできるかと。と言っても「短すぎるよ」という感想は、熟練プレイヤー以外持たないと思います。



その他

システム: 多少バグ有り。時間関係で一部予期せぬ挙動を見せます。私が見る限り局所的なものなので、それほどプレイの妨げにはならないかと。
あと、既読判定スキップの動作がもっさりしているのも難点でしょうか。その辺、うまく手綱をとってプレイして下さい。

演出:調教中に細かな演出が効いてるいるような気もします。"ゲーム"項では述べませんでしたが、一日の時間の流れを感じさせるなどリアリティ重視の演出が好感です。 その他:軽い残酷描写・軽いグロ系シーン有りです。ご注意を。



お勧め度:5

とりあえず、これが抜きゲーだという認識だけは間違っていると申し上げます。

どこからどう見ても現代風エロゲとは遠い位置にある本作、DL販売で2800円もしますし、お勧めできるかというとやはり尻込みします。
が、一応廉価作品ですしシステムや調教メニューもあまり複雑ではないので、このジャンル未プレイの方がお試しでプレイするにはちょうどいい作品ではないでしょうか。特に、若いエロゲーマーの皆様はこの業界から調教SLGというジャンルが駆逐されてからの作品しかご存知ないかも知れませんし、この独特の雰囲気を体感するだけでもいい経験になる、かも、知れません。
難易度や雰囲気その他諸々、概して及第点以上だと思います。

サディスティックな精神をある程度慰めてはくれるでしょうが、本作一番の売りはそんなところではなく、ゲームとしてのエンターテイメントにあると思います。
超がつくほど「真面目な調教SLG」です。2009年発売にも関わらず実用面に全く配慮がされてないところとか、はなからそんなもの眼中にないのではないか、とすら思わされます。





気に入り度:7

久々に「虜」「虜2」がプレイしたくなりました。
正直、これら2作は何度プレイしても途中で段々疲れてきて1人攻略した辺りで投げてしまう私にとって、ちょうどいいボリュームだったかも知れません。

普通に主人公のこと嫌ってるヒロインのご機嫌を伺いながら「とりあえず挿入かな?…駄目だ、やっぱり無難に浣腸くらいで…」とか「手コキ頼むの早すぎた……」とか「お願い、ご飯食べて…!!」とかやってる序盤は、調教してんのかされてんのかよく分からないです。
ある程度(相手もこちらも)調教が進んで来ると「ここは敢えてまず自慰強制して、断られたところで"お仕置き"の形で鞭打ちした方が自然な流れかな」とか、「お尻叩いたら好感度上がった!不思議!」とか、色々と軌道に乗ってきてある意味一番楽しい時期に突入します。
終盤になると、なんとかヒロインにう○こ食わせようと躍起になってる私自身に愕然としたりして、色々と懐かし楽しかったです。 ええ。

あ、あと全く関係ないですがエロゲ批評空間 虜囚レビューでzaruudon氏が語る調教SLGの歴史が素晴らしいです。当サイトにしては異例ですが、ご紹介させていただきます。

ああ、もっと出てほしいな、このジャンル…。特に広崎氏の作品…。





gyutto.com「虜囚 -RYOSYU-」
(てわけで迷ったならぜひ一つご投資下さい。)

gyutto.com「虜2」
(ていうか同じ値段じゃない…。しかしいかんせん絵もシステムも古いので、本作の方がとりあえずプレイするには無難ではないかと思います。)



(この作品については、プレイ後レビューでも触れております。)

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