戦国ランス(プレイ前用)

戦国ランス

(執筆:2007/03/27, 2007/08/02加筆修正)



メーカー
アリスソフト
(老舗ブランド。RPGやSLGなど遊べるゲーム多数。2007年現在、業界随一の優良ブランドと言っても過言ではない)



属性
発売時期:2006年12月
ジャンル:地域制圧SLG
用途:ゲーム
舞台:「ランス」ワールド。ファンタジー。今回はその中でも「JAPAN」が舞台。
顕著な属性:ゲーム、暇つぶし
プレイのきっかけ:発売数ヶ月前から注目してたものの、購入には踏み切れず。ただ、なぜか発売時期に再プレイしていたアリスソフト作「零式」が楽しく、その勢いで店頭で衝動買い。(プレイ前の期待得点…8点)
備考:私は、これまでにランスシリーズでは「鬼畜王ランス」「ランス5D」しかプレイしていません。(しかもランス5Dは途中で投げ出しました。)アリスソフトの地域制圧SLGでは、「鬼畜王」と「大悪司」をプレイ済です。本作4回クリアした時点で、これを書いております。



テキスト:5
あらすじ:性格さえ良ければ救世主になれるだけの実力を持ったランス君、今日も下半身の欲求を満たすためだけに、奴隷シィルを引き連れてJAPANに来訪。織田家で厄介になるうちに、てきとーな当主「織田信長」に当主の代理を頼まれ…

大量の小ストーリーと一つの大ストーリーから成っているのが、「戦国ランス」のテキストです。
まずはじめに一言、この小ストーリーと大ストーリー間で、ほとんど連繋取れていません。小ストーリーは小ストーリー、大ストーリーは大ストーリー、完全に別個にあると思っていいでしょう。
まず小ストーリーの説明から。アリスソフト地域制圧系の常として登場キャラはかなり多く、そのキャラ達とランスとの掛け合いが、小ストーリーの全てです。全国に散らばる大名ごとにそれぞれ背景・物語はあるのですが、ランスが介入してくるまでは、前座みたいなものです。で、ランスが介入し、制圧され、部下になった時点でそのキャラとランスとの掛け合いが始まる。それが小ストーリーの全てです。それぞれ悪くないのですが、大河物のような壮大さや緊迫感、シリアス、巧みな展開、といったものには乏しく、言うならば無数の「おまけ」を眺めているような感じです。
で、大ストーリー。「戦国ランス」としてのシナリオですが、こちらは意外とシリアスな面も。緊迫感・シリアス・熱いテキスト、こういったものが散見される、ともすれば「ランス」らしからぬシナリオです。

大小双方、好みの分かれるところでしょうが、大当たり・大ハズレ、いずれでもないのではないでしょうか。惜しいのが、小シナリオが小粒すぎて、全く有機的に機能していなかった点でしょうか。各キャラの物語が大きな物語と連関しないため、いまひとつキャラに情が移りにくい。もうちょっと言うと、ランスが絡むと良くも悪くもシリアス度が大幅減なのですね。それでいてランスが絡まないとキャラの物語も進まないものだから、どこか気の抜けたキャラ群になっているような…。キャラ萌えに関しては問題ないのでしょうが、魅力的なキャラが魅力的なシナリオを作る、ということを考えると、どうもシナリオの足を引っ張ったような気もします。
以下、比較。プレイ済みの方だけテキスト反転して見て下さい。

大悪司と比較しますと、大悪司は「群像劇」として結構シリアスに物語が展開していったことで、ゲームの自由度に制限が出てしまったのですね。主人公以外のところでも物語は進みますし、主人公もそう濃いわけではないし。逆に本作は、ゲームの自由度はかなり高い分、物語一つ一つを小粒にせざるを得なかったという感じです。で、全てランス色に染まっていく、という。
鬼畜王と比べて、基本シナリオが一本あって、それ以外は個別にプチプチと進んでいく辺りが同じです。鬼畜王で私がツボったのはケイブリス派とホーネット派の争いで、ホーネット派がじわじわと敗色濃厚になっていって… という流れ辺りです。ホーネット達を助けるために必死で西へと攻略急ぐのですが、とても追いつかないのですよね〜…。 …という(個人的に)熱い展開には少々乏しかったです。



ゲーム性:9
テキストはどこか気が抜けたノリで進んでいく割に、ゲーム面はシビアなんですよね…。まさか現実逃避中に、あまりのハードルの高さにクラクラするとは思わなんだ。コツをつかめば楽しいのですがコツをつかむまではトライアスロンです。

ターン制で、1ターンにつき2,3回の行動が起こせます。主な行動内容は大きく分けて「敵領地攻め込み」「味方キャラとのイベント起こす」「アイテムやダンジョンを見つける」「見つけたダンジョンの攻略」です。
まず戦闘面ですが、各地域に城や拠点が3箇所くらいあります。それら全てを制圧できれば、その地域を自国の領土にできるようになるのですね。
実際の戦闘は、各武将が引き連れている部隊対部隊の戦闘になります。1回の戦闘に連れ出せる部隊(ユニット)数は最大で6ですが、部隊の種類は10種類近くあり、相手の部隊編成と相性の良い編成を考える必要があります。
各武将にはステータスがあり、武将個体レベル(ダンジョン捜索やボス戦等で重要)・部隊ステータス・捜索やイベント用ステータスの3種類に分けることができます。それらステータスを見て武将の取捨選択をし、またアイテムやイベントを用いて上手に育成することがゲーム攻略の鍵となります。自由度が高いですね。
なお、各武将とのイベントをこなし仲良くなると「キャラクリ(キャラクタークリア)」となりますが、次プレイ時にステータスアップ等の特典はありません。特典として、ゲーム本編とは別に設けられている「得点」というのが存在し、その得点を活用すれば新キャラを使えたりアイテムを最初から持っていたりと、次プレイを有利にすることができます。
…おおざっぱに書くとこんな感じですが、実際はもっと色々要素があります。

目的は地域制圧でしょうが、醍醐味は多分、キャラ育成(&強キャラ・アイテムゲット)ではないでしょうか。自分が手塩をかけて自分なりに育てた、あるいは幸運にも手に入れることができたキャラ達が敵陣を蹂躙する快感。地域制圧型SLGの醍醐味はここじゃないですかね。

ゲーム性を一言で言うと「隙の無い、とことんやりこめるゲーム」といった感じです。ただ、「ゲーム」面の華である戦闘パートなのですが、これが、結構面倒にもなってくる。敵も、「マジかよ…」というような強敵が結構頻繁に出てくるので、特に慣れないうちは気力を振り絞って頑張らねば、というところあります。疲れます。
攻略のコツを押さえ、その辺をうまく克服できれば、あとはまぁジェットコースターでしょうね。ランス廃人への。

じっくりプレイを楽しむにはあまり向いてません。あくまでSLGである以上、先行逃げ切りが一番強いのであって、RPGみたいなレベル上げ的概念とは無縁なのですね。このゲームで求められるのは常に、いかに効率よく行動し手際よく地域制圧をするかです。



実用性:4
エロいです。アリスソフトが自慢するエロさです。確かに結構エロいです。CG綺麗です。ランス君は言うまでもなく各所でやりたい放題ですし、アリスソフトらしく、ランス君と関係ないところでもエロゲー的鬼畜展開多数。尺も短くありません。
ただ、音声無しなので、昨今のエロゲーに慣れてしまったプレイヤーが実用に至るには無理があるようです。



音楽:8
購入の動機のひとつは、Shadeさんの音楽だったりするのですが。
やっぱりShadeさんの曲はカッコいいなぁという印象。エレキギターと和楽器との合奏が格好良すぎです。こんなに合うのかと。
ボーカル曲無し(要らないけど)、殿堂入りレベルの曲無しということで9点には至りませんでしたが、ゲームを盛り上げることにかけてこの人はやはりすごいと思うのです。お気に入りの曲、普通のゲームでは多くて2,3曲、少ないと0ということも多々あるのですが、本作でお気に入り曲は全部で5曲。ただし、単体で聴くよりも、ゲーム中のBGMとして聴いてこそ映える気がします。

和楽器と書きましたが、そんなに和風和風しているわけでなく、あくまで「ちょっとそういうテイスト」という感じですね。基本はきっちり「ランス」です。

ボーカル曲:無



キャラ:7
 主人公:名前変更不可,性格=「ランス」という表現が一番似合う、破天荒無敵系エロ英雄。
 シィル:初代からランスの奴隷、ランス大好きないじめられっこシィルです。
 その他大勢:大勢です。

男女ともに、かなりの数の登場人物がいますね。汎用キャラ以外、ほぼ全てのキャラにキャラクタークリアがあるのですが、当然キャラクリに至るにはイベントを進めないといけないわけで。つまりそれだけの数の大小イベントが存在するわけで。
アリスソフトには珍しく、キャラ萌えもありえます。
ただ、今回は男男した熱血・ヒューマン系イベントに乏しかった気がします。



声:無
ランスやシィルに声など要らん!と思うのです。
だって、今更、ねぇ。
とはいえ、声無しはどうも不興のようで。一昔前は当たり前だったんですけどね。
声無しでもいいじゃねーかと思う私は既におっさん 年長ユーザー。

でも、音声、やはり欲しかったなという印象もあり。
Hシーンより、戦闘パートで声聞きたかったかも…。



時間:9
「ご利用は計画的に」としか言いようが無い。

繰り返しプレイを半前提で作ってる(1巡でやめ、というのも可能)ので、2巡目以降も面白さが低下しないのですね。もちろん段々マンネリ化していくところもありますが、1巡目ではできなかった、しなかった、見なかったことも泉のように湧き出てきますので、まぁ楽しさいつまでも持続というわけですが、お時間の観点から見ると大変なことになります。というか、多分コツをつかんでくるのが1巡目終わりくらいからじゃないかな、という…。

…本当に、非常に危険です。社会人の方のプレイはお勧めできません。やることはあるけど時間に融通利くというタイプの方のプレイはさらにお勧めできません。大学生の長期休みに、友達がいないという人にうってつけ。
ひどい言いようですが、これは本当に危ない。私の意志力が弱いだけでしょうか。リアル生活がさりげなく大打撃を受けているのですが。まず、「今やらなくていいこと」は確実にしなくなる。さらに「やっておいた方がいいこと」もしなくなる。で、「最低限やらなくてはいけないこと」もかなり危なくなる。1週間か2週間、長期休みでもとる覚悟が必要な気がします。というか、前もってご購入日から1週間は学校なり職場なりお店なりをお休みしておくことを、本気でお勧めします。1日で投げ出した時は残り6日間、ぶらっと小旅行でも積みゲー崩しでもしているつもりで。特に意思の弱い人、平日にプレイするのは危険です。消費者金融が「ご利用は計画的に」と言いますが、そんな悠長なこと言ってられないからサラ金に手出すのと同じで、「戦国ランスは一日2時間」とか決めてそれを守れるような人間ばかりなら誰もサラ金なんかに手出さないのです。
もう一度言いますが、ご購入前に、もう一度、無理の無いプレイ計画を、立てておきましょう。
つまらないとすぐに投げ出す恵まれた人・切り替えの早い人・強い意志力で自律した生活が送れる人・一日2時間睡眠でも頑張って明日も働ける人・社会的圧力の強いサラリーマンなどには安心でしょうが、そうでないと社会的に半死にする恐れがあります。

1回クリアするのに2,30時間。プラス0時間から60時間くらいは覚悟しておきましょう。云百時間費やす剛の者も、結構いるらしいです。

「は?速攻で飽きたよ」と言う方。その方がむしろ幸せかも知れません。



雑記
システム面での大きな不満はこれといって思いつきませんが、細かいこと言うと、味方部隊の補充等をもっと簡単にしてくれたら良かったのに、と。ゲーム中最も多くおこなうであろう作業であるのに、毎回「何人補充するか」選択しないといけないのはだるかったです。「全員補充に決まってるやろ…!うざいわっ…!」という感じでした。



お勧め度:8
なんというか、正直、「滅茶苦茶面白れー!」みたいな感想、プレイ中もほとんど感じませんでした。その代わり、「うん、面白い。というか何これ、やめられない。(6時間)」みたいな感想を、プレイ中ずっと感じてました。
それだけ、時間クラッシャーなゲームです。ここまで来るとこれは罪ではないのか、などと責任転嫁したくなります。
一言で申しますと、作りこみ自体はたしかに半端ない。エロゲー業界では相変わらずの卓越したゲーム性・中毒性、そしてイベント盛りだくさん、やりこみ要素も盛りだくさんとくれば、もう向かうところ敵無しという感じではないですか。間違いなく良作だと思います。やりこんで初めて分かったりしますが、よくできてます。けれど、名作かと言われるとどうも首をかしげたくなる。理由は3つで、シナリオの弱さ・運要素の多さ・作業の面倒くささですね。
シナリオについてはテキスト項で触れたとおり。付け加えるなら、キャラクリ(各キャラ、最終イベントまで見るとそのキャラは「キャラクタークリア」という状態になります)の魅力もいまひとつ。また、運についてですが、ゲームの華である戦闘が、結構運で左右されるのも「戦術物」としては減点だと思います。そして、ダンジョン攻略が面倒くさい。大量にあるくせに面倒。しかも部隊をほとんど選べないから、運も結構関係する。こんなところに運要素入れなくていいでしょう。

ということで、アリスソフトの本気は伊達じゃないと言えど、減点対象が目に付きそれを消し去るような魅力が不足しているということから、8点という点数にさせていただきます。




気に入り度:7
膨大な時間、遊ばせていただきました。というか現在進行形です。
けど、あまりにも中毒性が高く、あまりにも他のことをしなくなってしまったため、お気に入り度も少し下がってしまいました。失った時間も半端ないですからね…。(精神的に健康でない、ちょっと疲れてる時にふらふらいってしまったのがいけなかったのかも)

個人的事情はさておき、非常に楽しい・猛烈な中毒性なのだけど、今ひとつ、感情移入してしまうようなポイントに乏しいというのが率直な感想です。




(この作品については、攻略ページ・プレイ後レビューでも触れております。)

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