ランス01 光をもとめて

(執筆:2022/07/12)

製作

アリスソフト
(瀕死のエロゲ業界で気を吐く老舗)

属性

発売時期:2013年9月
ジャンル:RPG+ADV
用途:ゲーム
舞台:ランスワールド(妙に現代日本くさいところもある独自ファンタジー世界)
顕著な性属性:凌辱・レイプ
プレイのきっかけ:シリーズファンなので(プレイ前の期待得点…5点)
プレイ進捗状況:クリアだけ。未解放シーン等多数有り。

テキスト:4

あらすじ:奴隷の少女シィルを引き連れて気ままに生活する冒険者ランスは、ギルドで人探しの依頼を受ける。こつ然と姿を消したというリーザスのお嬢様学園に通う「ヒカリ」という少女を追って、ランス達はリーザスに赴くも、シィルをお嬢様学園に潜入調査させるための資金だけで路銀が尽き、ランスは愛剣を質に入れて宿に停泊することに。ランスはその宿を拠点にリーザスでヒカリに関する情報収集を始めるのだった。


…反応に困るシナリオでした。
決して、悪いわけではないのです。「どちらかというと良い」くらいの感触。
ただ、後期ランスシリーズ(鬼畜王以降)しかプレイしていないランスファンは、シナリオの小ぢんまりさにびっくりするかも。ランス5Dくらいの小粒シナリオと思っておいた方が良いでしょう。
「そうかー、ここからランスは始まったのかー」といった展開や感動や感銘も、特に無く。(これはある意味ランスらしい)
で、小粒なりにいつものランスかというと、これまた「うーーん?」と首を傾げる。ランスっぽいんだけど何か違う。どこが違うか考えると、一番はこれだと思います、鬼畜さと破天荒さと強引さが足りない。
なんというか、決して善人ではないし、「世界中のかわいい女の子は俺のもの」的なランスらしさもあるにはあるんですが、割と行動は大人しめだし、理性的判断で無茶や非道を慎むし、「人間社会の縺れた糸を何も考えず己の欲望の赴くままグイグイ引っ張ってたら縺れた糸も奇跡的に綺麗に解けた」的な後期ランスのようなパワフルさ痛快さは影を潜めています。代わりに、行動がすごくバカで幼稚で無害な感じになった。

まぁまぁ面白いし、「こんなのランスじゃない!」とまで言うつもりはないですが、まぁ、普通かな・・・・・・という。そして、ランスシリーズの中では割と異色なテキストかなとも思います。
なので、本作からランスシリーズに入って「これがランスか」と受け取るのは、少し違うかなと思います。

ゲーム性:7

RPGです。
プレイ進行は、ほぼ以下の3要素で決まります。
・持ち物枠の制限の厳しさおよびそのやりくり(少ない持ち物枠をどう運用するか)
・お金およびそのお金で購入する武器防具(攻撃力・防御力はほぼ全てこれで決まる)
・レベル(アイテム枠や運、特殊スキルに影響)
つまり、ドラクエ1,2あたりの古典的名作と同じようなゲーム性です。
ただ、プレイ感は、ドラクエというより昔のフリー同人ゲーをやっているような感覚でした。
理由は2つで、演出が全く古臭いドラクエでなくて、代わりにフリー同人ゲームのチープさに近い感じだったことと、もう一つは、ADV要素もまた割と強めだったこと。これまた昔のADVゲーム(エロゲの紙芝居的なADVじゃなくて、探偵もののように、あちこち探索したり調べたり聞き込みしたりすることで謎を解いていきシナリオを進めていく系の。エロゲで言うならDESIREとかですが、知りませんよね)。

長々とよく分からない説明をしましたが、結局のところ面白かったか面白くなかったかというと、割と面白かった。チープでライトなのでとにかくサクサク進められるんですが、それでいて上記3要素のゲームバランスはしっかりできているので、歯ごたえはきっちりある。難しすぎもせず、易しすぎもせず、ちょうど良い感じ。もうちょっと言うと、しょっちゅう全滅(というかランス一人なので死亡)・GAMEOVERになるんだけど、かといって別に死にゲーというわけでもないしちょっとやそこら全滅したところで萎えてプレイ意欲が削がれて、ということもない。「くっそー」と思いながら少し前からやり直す感じ。
正直、そこまで熱中するというほどでもないですし、またやり込みも別に全然です。
もうちょっと言うと、女の子達とのHシーンも割とありますが、クリアする上で必須のものが少ないから、割と多くのHシーン未解放のままでクリアしちゃったりするんですね。かといって、クリア後に未解放Hシーンを解放するためプレイ続行する気にもなれない。その程度です。(この点は、改善の余地あったんじゃないかなと思います。)
ただ、少なくともそこそこは、ゲームとして楽しいです。気がつけば毎晩少しずつプレイし続けて中だるみ無しでクリアにまで至った程度には。
あと、シナリオもそうなんですが、ゲーム性という意味でも割とバカゲーで、よく分からない理由でダメージ食らったり回復したりします。この辺はシリーズ共通のノリでしょうが、本作はちょっとそれが強めだったかなと思います。

実用性:3

私これについて全く不満はないのですが、何せボイス無しですからね。で、もちろん紙芝居ですからね。さすがに実用性という意味ではきついでしょ。
でも、これはこれでいいと思います。
ボイス無しなりに、CGは綺麗だしシーンは読ませるし、まぁ良いと思います。

音楽:6

難しいなこれも…。
作曲担当の人が、割とテクノでポップで軽快な楽曲をお得意とするのでしょうか?基本的に楽曲全体、そんな雰囲気。
ただ一方で、往年のShade氏楽曲のアレンジも多い。それらが、割とテクノでポップで軽快な楽曲へとアレンジされているから、割と反応に困る。
いやね、正直、Shade氏楽曲の魅力っていったらやっぱりゴリゴリのハードロックでしょ。その魅力は、多分結構失われているような気がするんですよね。(原曲自体知らないからよく分からないんですよすみません。)一方で、この軽さはこれで有りというか本作全体的に漂うバカっぽい雰囲気にはぴったりだとも思いますね。
そう思いながら通常戦闘曲「来たら、倒す」とかフィールド曲「ゴー緑色ゴー」とか聴くと、なんか実に良い調和な気もするんですよね。中ボス曲「来たら、倒される」はまんまShade氏って感じだし。
今の時点で「これは音楽単体でも聴きたい」というほどの曲はないですが、何曲か良い感じの曲もあるし、私、多分ランス3もクリア後にサントラで音楽だけ聴くと思うので、その上でまた点数変えるかも。



ボーカル曲:

キャラ:4

主人公:ランス(名前変更不可),「ガハハ、世界中の美女は俺のものだ!」的な唯我独尊青年。絶対エロゲでしか主人公は務まらない人間。とてつもなく強く特別な能力を持っているが、本作の時点では全くの無名。

ヒロインというか女の子達は色々いますが、ちょいキャラのパルプテンクスが一番かわいい気がする。他にも、思い返せばちょい役ヒロイン達のかわいい率がえらく高かった。きちんと作ってあるなと改めて思いますね。あと、メナドには懐かしい気分になった。登場シーンも多めで良かったです。
逆に、シリーズレギュラーヒロイン達は、意外と影が薄かったです。


声:無

はい無いです

時間:4

普通のADVくらいのプレイ時間かなと思います。社会人でもそう負担にならない、かといって短すぎない、程よいボリュームだと思います。

その他

システム: 一点だけ不満があって、ゲームシステムの仕様上、同じテキストが何度も登場するのですが、自動スキップの使い勝手があまり良くなくて、しょっちゅう手動でスキップボタンを押さないといけなかったのは良くなかったです。
その他は特に不満無し。起床直後の就寝や就寝直前の外出といった(マウスが滑っての)選択ミスに対しても、ランスが「いややめておくか」と思いとどまってキャンセルかけてくれるのが嬉しい。

CG:絵がかわいくリニューアルされてて良かったですね。TADAさんによるかなみデザインに対する強いこだわりとリテイクの嵐がすごかったとかなんとか。お疲れ様でした。

お勧め度:6

ランスシリーズ1作目!・・・は、1989年に発売された「Rance -光をもとめて-」という作品なのですが、あまりの昔ということで、ランスシリーズ製作の中心にして長きに渡りアリスソフトの中心的人物TADA氏が、若いシリーズファンも多いのに、シリーズの過去作を辿るとあの「Rance -光をもとめて-」に辿り着いてしまう、恥ずい!ということでリメイクしたという動機も多少あるらしい、リメイク作が本作です。
キャッチコピーが振るってますよね。「父親が遊んだかもしれないエロゲー」。
公式サイトでは「この作品は1989年(平成元年)に発売された“Rance -光をもとめて-”のリメイクです。 懐かしい“コマンド選択式アドベンチャー”はそのままに、新たなシナリオ、グラフィック、戦闘システム、サウンドですべてを再構築しています。」と紹介されていますが、シナリオの大筋はwikipediaを見る限り過去作と全く同じですね。(多分、大筋だけ渡された新ライターさんが一から書かれたのではないかと思いますが。)ゲームパートも、ベースは同じながらも一から再構成したっぽい。なので、単なる移植とかではなく、文字通り「リメイク」なのでしょうね。それでいて、「ランス1作目」であることはそのまま。
・・・と、長々語りましたが、「ランスシリーズの1作目」!とランスシリーズファンの人が意気込んで期待に目をキラキラさせてプレイするにはお勧めできない。肩透かしを食うことになります。
肩の力を抜いて気楽にプレイするのにちょうどいいかなと思います。そういう意味で、ランスシリーズ未プレイの人も本作単体だけフラッとプレイするには良いでしょうね。
実は丁寧に作ってあるけど、いろいろな意味でとっつきやすく気楽にプレイできるという作品だと思います。おバカで力抜けてる感じがガハハグッドだ。


気に入り度:5

目立った良さも無かったものの、逆に特に失点らしい失点もなかったという感。
なんといっても、ほぼストレス無くクリアまで到達できたのは良かった。ランス・クエストとか、シナリオや音楽は最高だったけどゲームパートのイライラすごかったせいで気に入り度が本作と同じ点数だし。
期待していた「ランス1」とは随分違った小ぢんまりさ、チープさ、バカさでしたが、まぁこれはこれで良かったかなと。

プレイ後用レビューを書くほどの気力もないので、以下白色でネタバレ有り感想を書いておきますので、よろしければプレイ済の人だけ文字色反転でご覧ください。

使い捨て武器の一つとして「突っ張り棚」とかいう気の抜けたアイテムが出てきて「ランスらしいな」と苦笑していたんですが偶然それ持って旅館で押入れ開けたらランスが「そういえば突っ張り棚を持っていたな」とか言い出してその使い捨て武器を押入れに設置してアイテムスペースが広がったときは爆笑しました。こういうのは攻略サイト見てたらできない楽しみですよね。よく見たらアイテム説明にちゃんと書いてあったんですけどね。
あと、リアの拷問部屋の一つに三角木馬が置いてあった部屋があったと思うんですが、行動選択肢の一つに「三角木馬に乗ってみる」ってのがあって、試しに乗ってみたら大ダメージ食らって元々HP減ってたせいで即ゲームオーバーになった時も爆笑しました。死ぬまで乗ってるなよお前も!

「我が栄光」をああやって使うという演出の意図はよく分かるんですが、Hシーンで「我が栄光」が流れないのが本作プレイ中の一番の不満だったので、2アレンジ用意して、1つは通常Hに回してほしかったなぁと思います。あーでもこの手は過去作ですでにやったから二番煎じか。
あとどうでもいいんですが「3,4年くらい前」くらいの感覚だった本作の発売がこの記事書いている9年前と分かりショック受けています。





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