和み匣 Innocent Greyファンディスク

(執筆:2007/05/22)



メーカー
Innocent Grey
(世間の注目度は結構高い目。処女作がヒット、2作目でブーイング。評価が大変難しいブランドです。)



属性
発売時期:2007年4月
ジャンル:ADV&ミニゲーム
用途:ファンディスク
舞台:昭和 初期 …?
顕著な属性:たこ焼きゲーム
プレイのきっかけ:間接のきっかけは、過去2作ともまぁまぁ好きだから。直接のきっかけは、なりふり構わぬ圧倒的ユーザー寄り姿勢にある意味感動して。(プレイ前の期待得点…7点)



テキスト:6
あらすじ1:由良、目覚める
あらすじ2:凛の初めての客取り
あらすじ3:2作ヒロイン達+1によるファンディスク的学園物

あらすじ1が本命ですね。ファンディスクというかファンサービス、カルタグラのアフターシナリオ。和菜ルートと由良ルート、両方有です。カルタグラとライターさんは違うのですが、相変わらず良い雰囲気です。ただ、短い。それに、無難には仕上がっているけれどやはり押しが弱い。雰囲気以外への期待は禁物と言えます。
あらすじ2は、まだ遊女として客をとったことのない凛が初めて相手することになった相手を主人公としてお話は進みます。とはいえお話もほとんどないようなもので、Hシーンがメインですね。和やかなお話です。
あらすじ3は、Innocent Greyスタッフが楽しく作ったんだろなと思わせるギャグ系学園もので、これが一番ファンディスクらしいノリかと。クールな新キャラ1人が、カルタグラ・PPに登場した元気いっぱい暴走いっぱいのヒロイン達に翻弄されるお話です。お話のメインは、学園七不思議を七七・楼子と追う話。まぁ、好意的にプレイすればそれなりにくすくすとは笑えるんじゃないでしょうか。あまり楽しくもなかった(同じネタ使い回しすぎやねん!)けど、眠くなることもなく。

あらすじ1のみなら5点、2のみなら3点、3のみなら5点(シリアス系以外には甘い自分…)でしたが、1と3両方あるので6点とさせていただきます。



ゲーム性:6
本作は、物語3作とミニゲーム2作から成ります。ミニゲームのひとつはポンジャン。字牌のみの麻雀(のようなもの)と言えばよいか。要は同じ柄3つセットを3つ揃えれば勝ちです。揃えた柄の組み合わせ(役)によって点数が変わるわけですが。
柄というのが、カルタグラ・PPに登場した主要キャラなのですね。
で、役ですが、普通の麻雀にもある役は「リーチ」「一発」「ツモ」の3つのみ。残りは、和菜・久遠・綾音で「貧乳一閃」だとか、そういうオリジナル役ばかり。結構笑えます。個人的には「○○遊戯」とか好き。
結構もっさりした動作で眠くなったりするし、ゲーム自体はあまり面白くはないですが、役を作る楽しさはありますね。
あと、対戦相手の女の子達が無意味に挑発・罵倒してくるのに微笑できます。

で。もうひとつのゲーム。これはすごい。意表を突かれた。たこ焼きゲーム。
ルールは簡単。たこ焼き器の上に、まず生地を入れる。生地の表面が固まってきたらタコを入れる。ほどよい加減でひっくり返す。もうしばらく待って完成。これだけの動作を、「生地」「タコ」「千枚通し」アイコンを使ってひたすら続けるという。もちろん1つ1つ焼いてたらいつまでたってもできないので、たこ焼き屋よろしく何個もまとめて焼くのですが。
いや、面白いですこれ。思わずハマるミニゲーム。対戦相手もそこそこ強いですしね。たまに連敗したりする。
必殺技が各キャラ2つあって、それを上手に使わないと勝てないかも。
私は最初プレイした時、親父(プレイヤー)が焼くの失敗して、情けない声で「もったいねぇよぉ…」とつぶやく声がツボにハマってしまい爆笑でますますタコが焼けなくなりますます親父嘆くというドツボにハマりましたが、技もいろいろとニヤニヤしてしまう感じで、これはお勧め。ミニゲームの佳作ですな。欲を言えば難易度調整できれば良かった。



実用性:4
う… う〜ん…

凛ちゃんで抜けそうなら抜いて下さい…

カルタグラを実用に使えた人なら、本作もいけます。相変わらず、結構Hシーンも力入ってます。
私には無理。



音楽:5
あれー…?
という感じ。
なんだかボーカル曲も4曲あり(うち3曲新曲・1曲アレンジ)、新規書きおろしのBGMも10曲弱あるのですが、正直どれもパッとしません。Little Wing、こんなもん?
ということで、特典のサントラには不満足。
ですが。
やっぱり、カルタグラの曲はいいですね〜……!カルタグラレビューで8点にしましたが。9点つけたくなるくらい。
雰囲気を創造し、盛り上げますね。改めて、過去2作は音楽にも強く支えられてきたと実感しました。結構カルタグラの曲(PPの曲も多少)流れるのですが、そのたびジーンとする。

まったく駄目とは言わないけど、かつての名曲揃いを考えると明らかに見劣りする新曲陣でした。

ボーカル曲:4曲(ED曲4曲)



キャラ:6
 主人公:カルタグラの主人公のみ,PPの主人公は降板。
     カルタグラ主人公も、キャラは完全に「駄目探偵」。
 よく登場:和菜・由良・七七・楼子・凛・冬史・綾音・美華夏・久遠・
      栞(新キャラ)・たこ焼き屋の親父
残りはほぼ(全く)登場しません。

和菜・綾音・・・貧乳キャラ
冬史・・・味噌キャラ
美華夏・・・巨乳キャラ
以上がひどいですね。他にキャラ無いんかいってくらいひたすらこのネタ。他にも、楼子と凛は語尾に特徴あるくらいだし、由良はもっとあのキャラを生かせたはずなのに出番少なくもったいないという印象。
何が哀しいって、シナリオ本編での物語と、ミニゲームの合間の物語にレベルの差が無い点。
まぁ、それなりに楽しかったといえば楽しかったのですが。
ひとつ言うなら、プレイヤーの声など無視して、言動のぶっ飛んだ七七をもっと見たかった…。



声:男女
語ることは三点ですか。
たこ焼き屋の親父、いい。たまらん。やっぱりいい。たまらん。
のが一点。
凛の声に、全然ときめかない衝撃に二点。何か重要なスパイスが足りない気がする。いつかカルタグラ本編を復習せねば…。
で、七七はやっぱり最強だということで三点。
ミニゲームでね、親父のたこ焼きを食った七七が言うんですよ。
「ククッ…クク… アハハハハハハハ!!!
 すごいよ親父!!これはまさに、餌だね!!!」
この部分の一色ヒカルさんの演技が、輝きまくってました。最高。恍惚とした。



時間:3
あんまり長い時間は楽しめません。値段相応・いやそれ以下くらい。いろいろとついてるけど、どれも小粒ですね。



雑記
システム面はいつもどおり、テキスト読むには文句なし。ポンジャンはもさっとした動きが気に入らずずっとCTLキー押しながらやってました。たこ焼きゲームはお見事。
演出は、相変わらずピカイチですね。カルタグラの頃から何も進歩してない気もしますが。ともあれ、音楽とCGとこの演出だけで作品の評価は数段高まってます。一言言うなら、画面真っ赤になる部分、カルタグラの時の方がうまかった。



お勧め度:5
由良ファンなら6点、カルタグラ好きだしPPもそれなりには好きという人にも6点。それ以外には5点ですね。カルタグラ単品が好きな人には学園ドタバタものなど無用でしょうしそもそも和気藹々としたファンディスクなんか手出さない方がいいでしょう。
キャラ達のドタバタを、それなりに好意的に楽しめる人というのが最低条件ですね。
目だった欠点はないけど、セールスポイントもあと一押し足りない、少し物足りないタイプのファンディスクでしょう。





気に入り度:6
値段分は楽しめた気は正直あまりしないのですが。
たこ焼きは楽しかったです。というかあれをプレイしていると猛烈たこ焼きが食べたくなるのですね。自分からたこ焼き買いに行くなんてこと、数年ぶりでしたよ。

で、あとはブランドの話。プレイヤー本位なInnocent Greyの姿勢、一定の評価はします。
けどね〜、やっぱり、プレイヤーに媚びすぎじゃないかなと。自分達の作品、もっと大事にしてあげてもよかったんじゃないかなと。駄目な部分は容赦なく削るという方針は分かりますが、大事な部分まで削ってるような、それでいて相変わらず足りてない部分は足りてないままだし、今後が心配でもあります。
今のところ、完全に「雰囲気ゲー」製作ブランドですからね…。デコレーションは最高だけど中身スカスカという。(PPはがんばってましたが、ちぐはぐすぎでしたね)
ライターさん外注してるのか毎回違う人ですが、しっかりInnocent Greyの持つ良さを生かし、牽引できる骨太のライターさんを育ててほしいものです。






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