(執筆:2006/12/04)
メーカー
ヴィナヘルム
(新ブランドですが、最近多い株分けブランドではなく、真性新ブランドの模様。)
属性
発売時期:2006年11月
ジャンル:カードバトル・ADV
用途:「たまには意欲作もプレイすっか!」 (すみません本気で主な用途が分からない)
舞台:月面都市(基本SFだがファンタジー要素有)
顕著な属性:変身ヒーローもの
プレイのきっかけ:「たまには意欲作もプレイすっか!」
(プレイ前の期待得点…4点)
テキスト:4
あらすじ:改造生命体にして正義のヒーロー"ブラストブレイド"に変身できる主人公はしかし、13年前の慢心から月面都市を壊滅させてしまう。それ以降半ば眠ったかのような生活を繰り返してきたが、復興した月面都市で次々起こる不穏な事件解明のため、再び闘いに身を投じることに。
シナリオそのものはそう悪くないです。シリアスなシーン描写は嫌いじゃないし、熱い・温かいシーン描写も良い。ドタバタコメディ系がややハズしていた気もしますが、笑うこともあり、許容範囲内。
特に、変身ヒーローである主人公やその戦友・そんな主人公の良きライバルとなる強敵達を交えてのやり取りは、この業界ではあまりお目にかかれるものではなく、なかなか面白かったです。この辺りは、男臭い正統派格闘物のテイストですね。
問題は、シナリオ全体の構成。無闇に飛び交う新奇語についてはまだ許せるとしても、
何しろ超科学有リ魔法有リ宇宙人有リ異世界有リの何でもアリ設定なので、物語を真面目に追う気が失せます。
「感動的なクライマックス」がパッケージの売り文句ですが、有り体に申しまして感動"的"ではあっても感動はしませんでした。(ED曲が終わってもテロップが流れ続けるところに感動しました)
一言で言うと、ぶっ飛びキャラ達と何でも有リ展開とに、せっかくの正統派ヒーローもの的テキストが食われている感。控えめな正義の味方が色々なものに揉みくちゃになってる、そういうテキストだと思ってプレイすると楽しいでしょうけどね。
ゲーム性:6
ゲームは、カードを使ったRPG戦闘物、といった感じ。
一定のイベントをこなすことで、出会ったキャラやアイテムがカードとしてゲットでき、そのカードが「味方サイドキャラ」「アイテム」として機能します。
カードの種類は全部で115種類で、各カードに1〜3レベルのレベルがついております。
一回の戦闘で出せるのは、そのうち、キャラ3レベル・アイテム5レベルまで。意外と制限厳しめです。
で、後は普通のRPGの戦闘を想像していただければと。各キャラに与えられた「必殺技」・攻撃・防御・アイテムの4種類から行動を決め、味方リーダー(主人公)がやられないようにしながら敵リーダーを倒せば勝ち。
各キャラごとに属性や相性があり、敵と相性の良いキャラ・アイテム・必殺技をうまく選択して有利に戦わないと、強敵相手では不覚をとるでしょう。
難易度は適度。
で、実際にプレイしてみて、楽しいかといわれると、「…まぁまぁ…。」といったところでした。全体的に、戦闘がもっさりしてるんですよね…。カード選択は楽しいけど、あとはただのRPG戦闘です。
そうそう、戦闘以外のADVパートもちょっと変わってて、月面都市の中でイベントが起こっているところが多くあるので、その中から幾つかを選択していく形式。その中にはハズレもあればカードが手に入るものもあり、イベントが起こるものもあれば後のイベントへと続いていくものもあります。
正しいイベントが選択できて、そのイベントが展開していく辺りは結構楽しいですね。
なにより、カードを収集する楽しさはありました。
実用性:4
う〜ん、各イベントとも、結構高水準ではあるのですが、いかんせん尺が短すぎる。実用には不向きといわざるを得ないでしょう。
イベントは、女性主導の和姦がほとんどです。
音楽:6
音楽得点は難しいですね…。どうしてもシナリオに引っ張られるので。
印象的だったのが、盛り上がるところの音楽。結構熱い曲が聴けて、悪くなかったです。
ただ、やたら多いぶっ飛びギャグイベントでも、きっちりそれに見合った曲がかかり、そういうテンションの推移にちょっとついていけなかった…
まぁこれは音楽の話とは若干逸れますが。
唯一のボーカル曲であるED曲については、ノーコメントとさせて下さい…。
ボーカル曲:ED曲1曲
キャラ:5
主人公:名前変更不可,迷える元正義の味方。性格もそのまんま正義の味方っぽい性格。なかなか良い味出てます。
メインヒロイン1:心優しい貞淑なシスター。ただしスイッチが入ると「火力万歳」主義に。
メインヒロイン2:主人公の戦友「ギャラクシオン」に憧れている風紀委員長少女。真っ直ぐな性格。
その他、キャラ自体は数多くいますが、その多くがどれもこれも癖のあるキャラばかり。まともなのは少ないような…。
キャラ萌え等が起こるようなキャラはいません。ただ、どのキャラも、(慣れれば)なかなか面白く、先述のとおり主人公の戦友やライバル達はいい味してます。
残りは、二流ぶっ飛びギャルゲーにいそうなキャラ。
声:男女
フルボイスではありません。男キャラは、ADVパートの大半で声無し。たまに喋ります。あとカードバトル中はフルボイス。
主人公の声が渋くて良い。変身時の台詞「閃光!」が耳に焼き付いて離れません。
他のキャラですが、何でも結構有名な方を2名ほどお忍びで起用しているらしいですが、他業界の声優さんについての知識0な私には豚に真珠でした。
時間:4
1巡するのに6時間程度、2巡するのに5時間程度、かな。その時点でイベントの8割弱とカードの104/115枚とエンド2つともを見れました。
それ以上やる気力はありませんでしたね…。
雑記
システムは、最低限のものはあり。まぁ色々と頑張ってる感は漂います。新ブランドということで、ゲームシステムなど結構独特でしたね。
演出として、戦闘中の必殺技の際・戦闘終了の際にはカットインが入ります。戦闘中はフルボイス等、こういう細かい演出は好印象ですね。また、同じCGでもズームイン・アウト等が多用されているなど努力の跡が見受けられます。ただ、その反面もっさりとした印象は強まりました。
絵に関して言うと、ちょっと一枚絵の顔が立ち絵と変わりすぎじゃないか…?色っぽい絵も多いのですが、違和感覚えまくった絵も多かったです。両極端ですね。
お勧め度:4
意欲ばかりが空回りしている、気の毒な作品です。残念ながらあまりプレイヤーの立場に立ててないのですよね…。
先述のとおり、「正統派正義のヒーローが、色々なキャラや展開に振り回される」というシチュエーションに興味ございましたら、どうぞプレイ下さい。結構楽しめると思いますよ。
あまりよく分からないままプレイすると、その極端なテキスト・展開に置いてきぼりになる可能性大。
色々な面で意欲が見受けられますし、要素要素を見ればそう悪くもないのですが、ごった煮として味付けはかなり微妙…。というか不味い。そういう作品だと思います。
気に入り度:4
1巡目で何度投げようかと思ったことか。けど2巡目が意外と楽しかったです。ヒーロー達の活躍っぷりは、やはり楽しいものでしたね。
まぁ、シリアスに物語展開を追おうとしていた私には、限りなく地雷に近い凡作でした。
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