少女魔法学リトルウィッチロマネスク

(執筆:2012/12/24)

メーカー

Littlewitch
(看板絵師大槍葦人御大が率いる、エロゲ界一お洒落なブランドであったが、2010年初頭解散。)

属性

発売時期:2005年7月
ジャンル:育成SLG
用途:ゲーム 癒し・和み
舞台:ファンタジー世界、古代の塔
顕著な性属性:ロリ
プレイのきっかけ:知人の紹介。(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:8周くらい?まだまだ未コンプ。後述。

テキスト:6

あらすじ:主人公・ドミノは9人目の大魔法使いとなりました。
しかし、グリモアで暮らす他の大魔法使いたちは魔法を学問ではなく、出世するための道具としてしか見ていません。ドミノはそんな彼らに嫌気がして、ひとり帝都を離れ、辺境にある1000年以上昔から建つと言われる「黒の塔」に住むことを決意します。
しかし他の大魔法使いたちが、そんな勝手を許すはずもありません。
彼らはそれを許す条件として、ひとつの課題を持ちかけてきました。
“3年間で、一人前の魔法使いを育てること”
通常魔法使いになるには、何十年もの修行が必要です。
しかも彼が育てることになった二人??、
アリア・ヴァンクリフとカヤ・シャビエは、魔法院でももてあましていた、ひと癖もふた癖もある女の子たち。
「むちゃくちゃだ…」
果たしてドミノは、この難題をクリアすることができるのでしょうか…?
(公式サイトより抜粋)


私があらすじ書くより、公式の文章を転載する方が良いと判断。どうぞ一度目を通してみてください。この文章から、ほんわかと心温まるようなものを感じませんか。普通のエロゲにはあまり見られない、キュートさとワクワク感を感じませんか。
本作はSLGであり、シナリオメインの作品ではありません。しかし、テキストが醸し出す雰囲気が本作を特徴付ける上でかなり重要な位置を占めています。

あらすじをお読みいただければ分かるように、本作は、「黒の塔」という塔に弟子の少女達2人と篭もり、様々な事情でそこに居候することになる他ヒロイン数人を加えた少人数での共同生活/魔法教育がシナリオのメインです。個性的なヒロイン達、未知なところばかりの「黒の塔」、その中で若き天才魔法使い「ドミノ」は、少女達に魔法の英才教育を施すわけです。
少女2人は、先生であるドミノを慕い、良い教え子たらんとします。が、それぞれ個性豊かな2人。その2人がドミノにもたらすのは、教育の喜びばかりではなく、数々のアクシデントであったり珍騒動であったりするわけです。
こういった諸々を、優しいタッチで描写するテキスト。これで心がポカポカと温まらないわけがない!

本作は、ライターの強いメッセージ性があるとか、息もつかせぬスリリングな展開、サスペンスが満載されているとか、荘厳でかっこいい戦闘描写があるとか、そういうものではありません。その代わり、童心に返ったようなワクワクとドキドキ、心温まる気持ち、そういったものを尽きせず味わわせてくれます。
後述するゲームパートも、このテキストがあってこそ輝く。本作のテキストは、突き抜けたクオリティというわけではありませんが、実に温かい、昨今稀少な、ぜひ一度は味わっていただきたい、良いものです。

ゲーム性:7

<魔法の学習>
ゲームパートは幾つかのパートに分かれていますが、その中でも重要で、メインになってるくるのが、週6回(6日間)の、魔法の学習パート。
ヒロイン2人が個々の魔法を習得するには、「スピリット」と呼ばれるパワーを貯めないといけません。そのスピリットは5種類あるのですが、3つのダイスを振り、その出た模様によって種類と数が決定します。ダイスにはそれぞれ、その5種類のスピリットを表す模様のいずれかが描かれているわけですね。
で、たとえば振ったダイスの目が「知識」「知識」「理性」であれば、この組み合わせによって発動する魔法「火炎」が発動します。(もちろん、すでに「火炎」を習得済でないと発動しません) 魔法が発動すると、効果は魔法によって実に様々なのですが、スピリット習得が促進される効果が発動します。
つまり、魔法を覚えれば覚えるほど、なんらかの魔法が発動する可能性は増え、スピリット獲得数は増えていくわけですね。

<クエストと魔法習得>
週に1回、クエストを選択できます。クエストはシナリオ進行とともに増えていき、またほとんどのクエストには期限が設けられています。そして、そのクリストを攻略することでシナリオ進行およびエンド分岐が決まるので(サボっていると途中でゲームオーバーになることも)、プレイヤーの目的はこのクエストをこなしていくことにあると言ってもいいですね。クエストを選択するには、条件が設けられています。具体的には、ヒロイン達が特定の魔法を習得していることが、各クエスト選択の条件です。どの魔法が必要かは事前に確認できますので、必要な魔法をチェックして魔法の習得順序を決めるのも重要な点ですね。
実は、魔法習得できるのも週1回で、毎週、ヒロイン2人のうちどちらかのヒロインの魔法1つを習得するか、クエストを選択するかを選ばないといけません。中盤以降は、どのクエストは諦めてどのクエストを達成するかを選ばないといけない時もありますね。(魔法習得がクエスト期限に間に合わなくなってくる)

<ダイスロール>
魔法の学習パートについて、追記です。
本作はSLGですが、一部だけアクション要素があります。それが、ダイスロール部分。
実は、ダイスをクリックすることで、そのダイスを「弾いて」違う目に変えることができます。上の例で言うと、振ったダイスの目が「知識」「知識」「本能」で、今は「火炎」の魔法を発動したい!っていう時は、「本能」の目が出たダイスを上手に弾き、「理性」の目に変えれば良いのです。ダイスは、弾く角度によってその弾かれ方が変わりますので、狙った目が上に来るように上手く弾ければ、1,2回で狙いの目を出せるでしょう。弾ける回数に制限はないので、狙いの目が出るまで何度も弾くことは可能です。
が。 あまりにダイスを弾きすぎると、すでに獲得したスピリットが次第に吹き飛んでいってしまいます。せっかく貯めたスピリットまで吹き飛んでしまっては本末転倒ですので、弾くのは毎回数回ずつに抑えておいた方が良いでしょうね。

<評価>
で、このゲームパートですが。
かなり良いバランスなのではないでしょうか。
魔法の種類、クエストの種類ともに結構多いので、どのクエストをこなしていくかを考えながらプレイしないといけませんし、また魔法習得によって次回以降の魔法学習パートで使える魔法が増えるわけですから、習得も楽しいです。ダイスも多少操作できますので、お気に入りのコンボを狙うのも大事ですね。
ただ、ダイス操作数はもっともっと制限厳しくても良かったんじゃないかなというのが私の感想。後半になると強力な魔法が手に入りますが、それを使うのと使わず失敗になるのとでは、獲得スピリットに雲泥の差が出てしまいます。ですので、割と必死にダイス操作をする羽目に。これが結構時間食われる。そして、特定のコンボが強すぎて、明らかに「当たり」魔法と「はずれ」魔法ができてしまう。もっと、ダイスの出る目に任せてみても良かったんじゃないかと思います。慣れてくると、割と(出てほしい目を出すのに躍起になって)イライラもさせられるのが、本作ゲームパートで一番残念なところです。

実用性:3

いや・・・
まぁ・・・

使える人、かなり少数派じゃない?色々な意味で。

大槍絵って、実用向きじゃないでしょう・・

あ、言うまでもないと思いますが、Hシーンもまたゲームの雰囲気に合ったものばかりですので、このゲームでブラックリリスみたいなHは期待しちゃダメだぞ☆

音楽:6

ゲームの雰囲気によく合ってますねー。文句なし。まさに「良BGM」。

ボーカル曲:3曲
ED曲好きです。

キャラ:6

主人公:「ドミノ」(名前変更不可),教え子達からは「先生」と呼ばれる。若き天才魔法使いで、温かい心を持った青年。厄介事に振り回されれ属性有り。
アリア:ちょっと勝気で自信家。おまけに無鉄砲。でも、根は素直で努力する性格。(公式サイトより抜粋)
カヤ:閉鎖的な少数民族ロシタリ出身。質素で素朴、そして真面目な女の子。小さなことに感動できる感受性の豊かさを持つ。(公式サイトより抜粋)
その他:Hシーン有りとなると8人ですが、ルートという意味ではもう少し少ないですね。それぞれ個性豊かですが、やはり弟子2人がメインヒロインとして比重高いです。

本サイトの「キャラ」項は、キャラ萌え度合いを点数にしてまして、良キャラかどうかということではなくキャラ萌えするかどうかで点数つけてます。ですのでこの点数。キャラ萌えは、あまり。
しかし、ヒロイン2人とも、実に良いキャラ。かわいいですよ。主人公を「先生」と慕ってきて、がんばって魔法勉強する姿には、心温まりますね。
複数ライターですし、ライターによって若干テキストの雰囲気も変わっているのも感じます。が、キャラの描写は全くブレることなく、一つの作品として極めて良いまとまりを見せています。

声:女

女性のみ、しかもパートボイスです。基本的に無音です。魔法習得の時とかのみ、音声有り。日常会話部に音声無し。
ですが、割とふんだんに声聞けますので、日常会話音声無しも全然違和感感じませんね。少しだけ寂しい気もしないではないですが、かなり軽減されているように感じます。
そして声。文句なし!メインヒロイン二人とも、ピッタリですね!

時間:6

割と長い時間楽しめると思います。ゲームパートに飽きが来るまで結構かかるでしょうし、それまではほぼ確実に楽しめるのではないかなと。「ゲーム性」にばかり期待しなければ。
ただコンプ狙いになると、かなり長い時間が必要でしょうし、またそれはかなり作業プレイになると思うので、その辺が問題点ですね。

その他

システム/演出:子魔女(LittleWitchの通称)なめてたわ。すごいわ。
「超高技術!!!」って感じではないのですが(2005年発売ですし)、本当に、お洒落かつエレガントに作ってありますねー!感心した。こういう、細かい部分まで丁寧に作ってある作品って、本当に好印象ですね。

独自言語:魔法の名前は、独自の造語です。これがまた、良い感じなのですよ。ファンタジーって感じで。

お勧め度:7

「面白いからやってみろ!!!」みたいな作品ではないのですが、「興味が少しでもあるなら、ぜひ一度触れてほしい!」、そんな作品。
割と良い難易度ですので、ゲームとしても楽しい。そしてそれでいて、作品の雰囲気は実に良い。
私、基本的にこういうほのぼのした感じのゲームより、「生きるか死ぬか!!」みたいな殺伐としたゲームの方が好きなんですよ。でも、本作は、そんな私がプレイして「ええわ?・・・」ってなった。
心を打つ何かがあるわけではないので、過度の期待は禁物です。しかし、この安定感。

そうですね、「へうげもの」とか読んだ人なら、こう言えばニュアンス伝わるかも知れません。
良いものですよ。(2回目)


気に入り度:8

ここ数年、私、クリスマスイブはこの作品をプレイして過ごしています。
クリスマスイブは、サイト更新して23時くらいに生存報告しつつ、その後はまったりと「少女魔法学リトルウィッチロマネスク」。美味しい紅茶とお茶うけを用意して。
完全に自分に浸ってますが、いやこれ、良い気分ですよ。お勧めはしませんが、一度やってみてはいかがでしょう。
もうね、非モテがどうの、カップルタイムがどうの、うんざりなんですよ。
かといって、「24日?有馬記念の日だろ?」などととぼけられるほど日本という国は優しくない。それならば、自分が心から充足感を味わえる特別なことをしているのが一番良い。出来れば、お洒落で、美味しく、温かいものがいい。

そ こ で 本 作 で す よ 。


「少女魔法学リトルウィッチロマネスク」は、聖夜のお供に最高のゲームです。あと、リプトンのティーパック紅茶とムーンライトでもあればそれでいい。無理してホールケーキ買ってディスプレイの前に置かなくてもいいんです(置いてもいいんですけど)。
無理に他人と関わろうとすることはない。楽しいことをして過ごせれば、そして日が日だけに、できれば他人と関わらずにできる楽しいことをして過ごせればそれで、良いエロゲーマーライフというものでしょう。
多分。



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