（執筆：2010/03/27）
Triangle
（変身ヒロイン陵辱ものを数多く手がかけているブランド。）
発売時期：2009年10月
ジャンル：ＡＤＶ
用途：実用
舞台：仮想のヨーロッパ風近代世界
顕著な属性：変身ヒロイン、触手、丸呑み
プレイのきっかけ：正統派戦記物を期待して………。（プレイ前の期待得点…７点）
プレイ進捗状況：一応一通り選択肢は選び、エンドも見たはずだけど…。未開放シーンがちょくちょくある状況。
あらすじ："鬼震兵"と呼ばれる醜悪かつ強力な生物兵器を開発した大国"デストナ"によって、主人公の国も危機的状況にあった。主人公は、大学で魔力工学を学んでいたため、"鬼震兵"に対抗するため結成された「第502独立混成中隊」に配属され、その中隊の主力である"魔導装兵"の少女達のサポート役となる。
正統派戦記物を期待していたんだ…
正統派戦記物を… 期待… していたんだ………。
テキスト、シナリオ、プロット、どこをとっても本当に「最低限のレベル」としか言いようがないです。
可愛いヒロイン達との交流に心温める物語です。それ以外のものに期待しちゃいかん。舞台が第一次大戦辺りの欧州ぽいからって、そういう系の期待は一切してはいけません。そんなものはあくまで添え物でしかありません。
メインヒロイン達"魔導装兵"については、一応それなりに背景等があり、それなりに設定は練られてはいるようですが、決してテキストゲーとして面白い水準ではないので、その辺への過度の期待は禁物です。
中でも最も期待禁物なのが、戦記物としての期待です。
弱小国唯一にして最強の切り札であるはずの主人公ら"第502独立混成中隊"が、なぜか戦略的に全く活用されず終始一つの街の防衛しかしていない点。最初からほぼ最後まで友軍の援軍でしか活躍しない点。戦闘のたびに毎度毎度全く同じテキストが使いまわされている点。全て、気にしてはいけません。
主人公視点の選択肢もありますが（どっちのヒロイン選ぶ、的な）、なぜか中隊隊長視点での選択肢が多いのですよね。
すなわち、「この戦況でどう動く？」的な。
二択ですが、正解すればTRUE END（？）に近づき、間違えば即ヒロインが敵兵に捕まりＨシーンに突入です。
間違った選択肢を選ぶと、途端にBGMが不穏になるので、正解がどちらかすぐ分かっていいですね。（棒読み）
ゲームとしての期待はできそうでできない仕様です。
しかも、割と攻略が面倒。
絵がいいですね。絵が。Triangleさんの主力は、やはりこの絵でしょう。
デザイン・塗りとも、なかなかのクオリティ。変身ヒロイン達のセクシーかつロリィな感じ。このギャップがなんとも言えない魅力を醸し出しているのだと思います。これぞ陵辱系「美少女ゲーム」！
で、気になるシーン内容ですが、「変身ヒロインが捕まってあんなことも！こんなことも！」がメイン、ですよね。やはりここは。
敵兵である"鬼震兵"に捕まり、なぜかついてる触手で陵辱されるのに段々と気持ちよくされちゃって… みたいな感じです。シーンが進むと、鬼震兵の体内に取り込まれ、八方から触手で… って、結局触手かよ！みたいな感じです。
しかも、この陵辱イベントというのが、存外割合が低い。約半分強、くらいではないでしょうか。
残り半分というのが、テキスト項でも書きましたがはいこれ！「主人公との初々しいセックス」！誰がそんなもんを期待してTriangle作品を買うんだ！…え？買うの？私が知らないだけなの？っていう…。
陵辱シーン、きっちりヒロイン達が嫌がっているのは評価ポイントですが、どうも全般的に温いんですよね。あまりハードなシーンはありません。
尺は普通です。属性が合えば、使えないことはない。
推測ですが、エロゲ初心者向け（あるいはあまりハードな陵辱は苦手な人向け）の作品なのかな〜と。
まぁまぁです。
最近のこのジャンルには珍しく、ボーカル曲有り。
この辺からも、ターゲット層が伺えます。
ボーカル曲：１曲
主人公：「フランツ」（名前変更不可），典型的な温厚系主人公タイプ。
ロゼ：人懐っこく可愛い感じだけどベタベタはしてないよ、的な性格。
ルルン：亡国の王女。性格は語尾の「ですわ」から察しましょう。
キャラ設定として色々と「うーん？」と思わされる… つまり、「その環境でこんなキャラになるかなぁ？」みたいなのもちょくちょく感じたのですが、考えたら負けですね。
ロゼは、エロゲヒロインとして大量にいそうでなかなかいない、本当に正統派な感じのヒロインという感じで、なかなかいいですね。
ルルンは、気位の高いツンツン系です。こちらはベタな感じですね。
見所としては、"鬼震兵"に襲われ、主人公とエッチする前に処女を奪われた状態でも物語は進むという点ですかね。つまり、キャラゲーとして割と重厚に作ってある。
…いや、だからどうということはないのですが…。
女性のみフルボイス。
登場人物のほとんどは女性ですし、違和感はないですね。
ロゼの声の民安さんは今回もいい感じでした。中隊指揮官殿が青葉りんごさんだったのに驚いた。
あとはあれか、エルフリーダさんの中の人にニヤニヤしてしまうのは一部陵辱ゲーマーの病気ですか。（戦乙女ヴァルキリー的意味で）
普通のフルプライス陵辱ゲー…としてはちょっとボリューム少ないですね。中価格帯程度のボリューム。
システム：バックログすると普通にシーン自体がバックしたのには驚かされました（立ち絵・背景・BGMなど全て。音声も再度再生される）。マウスホイールも対応ですし、システム面に不満は特に無いです。
演出：ヒロイン変身シーンが毎回あるよ！
「美少女ゲームで、絵が可愛くて陵辱シーンがあるのが欲しいんだな！でもきっちりヒロインとも結ばれたいんだな！」みたいな方にはお勧めです。
変身ヒロインとの交流 + ちょっと陵辱も みたいなのを期待している層、どうぞ。
こういう系統の作品は、私にはどっちつかずの中途半端な感じがするのですが、「一作で二度美味しい（ニヤリ）」みたいな方もおられるでしょうし、これはもう完全に個々人の趣味の問題ですね。
合わないと悲惨ですから、繰り返しになりますが「一つの要素に突出している系ではないですよ」とだけ。
Triangleは、一体何がしたかったのだろう…。
西洋風の舞台で作品作りたかったのだろうか…。
私が悪いのは分かっているのですが言わせて下さい、公式サイトに騙された。
なかなか雰囲気ある紹介ページじゃないですか。ちょうど、「シリアス系、できれば戦記もの、そうでなくてもとにかく割とシリアスかつシビアにシナリオが進むもの」を渇望していた身としては、即飛びつきました。Triangleがシリアス系に手出してるっていう驚きと興味もありましたしね。
蓋を開けて、まぁこれまで上で書いてきたような内容の作品で、全てが私の前を素通りしていきました。
今となってはこんなところで完全に場違いな発言ですが、エロゲ業界には一度骨太の戦記物を作っていただきたいです。
web拍手
一言メッセージ機能としてもご利用いただけます。
いただいたコメントには後日日記にてありがたくレスさせていただいております。