暗い部屋(プレイ前用)

暗い部屋

(執筆:2010/08/29)



メーカー

暗い部屋制作委員会
(ライター"瀬戸口廉也"改め"唐辺葉介"の作品をちゃんと世に出してあげようというお友達の集いだと思います。勝手な憶測ですが。言うまでもなく唐辺葉介がいなければ決して発足しなかった委員会。)



属性

発売時期:2010年6月
ジャンル:ビジュアルノベル
用途:読み物
舞台:現代の街・家
顕著な属性:近親相姦
プレイのきっかけ:瀬戸口廉也ファンだから(プレイ前の期待得点…7点)
プレイ進捗状況:コンプ



テキスト:7

あらすじ:窓が全て目張りされたマンションの一室で母親とたった二人で生きてきた少年。母親の死を機に、外の世界の叔母の家庭に引き取られる。しかしその家庭もまた問題を抱えており…


さすがの瀬戸g・・もとい、唐辺節。そもそもがテキストゲーでありテキスト以外は全てテキストを引き立てるおまけでしかない本作において、このテキストがしょぼかったら全く話にならないのですが、果たしてテキストはしょぼいとかしょぼくないとかいうレベルを遥かに越えています。唐辺テキストがお好きな人には、「あぁ、いつもの唐辺だなぁ」と幸せな気分に浸れるでしょう。
・・・それだけではレビューにならないのでもう少し具体的に。唐辺テキストの醍醐味は、人間の心をその独特のテンポで鋭くえぐり出しているところです。本作は、何人かの登場人物の回想で語られる物語という体裁ですが、各人の一人称視点で描かれる心情描写・情景描写は、相変わらず非常に生々しく、ただよう生彩が読者を虜にします。
ただ、シナリオは微妙。起伏に乏しく、展開も地味であり、あまりパッとしないという印象。減点要素ではないですが、加点できるものでもなかった。ここが第一の残念。
また、回想で語られると書きましたが、より正確に語るならば「供述」です。この、「供述」という表現は失敗だったのではないかと思います。作者がこのような形式にした意図というものは分からないではないですが、無駄に思わせぶりな表現になってしまったのが勿体無い。
最後にメッセージ性。これは・・・いつもの唐辺(瀬戸口)と言えばいいのか・・・。正直、あまり感動的なものではないです。後味が悪いという前評判であり、実際にそんな評判のようですが、私にはどちらかというと「肩透かし」という印象でした。あっさり終わったような。物語としては確かに終わっているのですが、「瀬戸口」にしては全体的に淡々としすぎな感じ。この辺が、唐辺風なのでしょうか。

つまり、本作はどこまでも唐辺ゲーであり、唐辺のテキスト(シナリオではなく)を楽しむ作品以上でも以下でもありません。「瀬戸口」らしい展開の起伏みたいなのには乏しいです。



ゲーム性:3

完全一本道のビジュアルノベル。選択肢皆無。



実用性:2

濡れ場らしきものが全くないわけでもないですが、唐辺作品をおかずにできる人がいるとは思えない・・・。
ちなみに、近親相姦です。



音楽:5

基本的に音楽に乏しいです。音楽は14曲もあるのですが、体感としてはその半分くらいか。14曲のいずれかが常に流れてるというわけではなく、状況に合わせて、音楽があったりなかったりという構成。これら14曲も、基本的にとても静かな感じです。
恐らく書き下ろしの曲は全く無いのではないかな…?どうも、既に発売されている世界各国の音楽を借りてきた模様です、音楽モードや公式サイトをざっと見るに。

唐辺テキストを裏から装飾する、あくまで活字がメインな作品の音楽、という感じ。
個人的にはボーカル曲が特に好みでした。

ボーカル曲:1曲 かな



キャラ:4

ヒロインと呼べそうなキャラが1人いますが、なかなか良い感じ。エロゲのヒロイン的な「作られた」感じがなく、かといってリアリティあふれる感じでもなく・・・。
一般小説に登場する少女キャラ、という感じですね。



声:無

一切無し



時間:2

4時間くらいでしょうか。短すぎるという印象はなかったですが、まぁ短いです。



その他

システム:ヴィジュアルノベル形式・・・というか本当に文字ばかり。かろうじて写真を加工した背景がある程度。音楽は上述のように一応ありますが、音声は一切無し。立ち絵とはと到底呼べないようなシルエットが背景に蠢いている程度であり、一枚絵のCGなんてあるはずもなし。本当に、何もない感じですが、マウスホイールで少しずつ行をずらして物語を読み進めいく作業は思いの外気持ちよいものでした。
セーブ枠3つ、セーブはどこでも可、クリア後、音楽モード開放。

演出:上述のように、登場人物が背景の中にシルエットで描かれてたりもするのですが、それがゆらゆらと蠢くのがなんともいえない独特の気色悪い雰囲気(笑)を促進します。





お勧め度:6

生々しい心情描写・そして繊細な情景描写、これら卓越したテキストが唯一にして高水準の見所です。
お世辞にも明るい話ではないので、というか地味な上にかなり暗い話ですので、いわゆるエンターテイメントを求めてプレイしてもがっかりするのではないかと。
唐辺ファンならとりあえずプレイすればいいでしょうが、そうでないなら別作品から入ることをお勧めしたいです。確かに安くはあるのですが、信者以外がわざわざ飛びつくほど素晴らしいとも思えませんでした。
テキスト量があまりないので、時間のない社会人向けといえばそうですね。

一親等同士による近親相姦の描写が(間接的ではありますが)入りますので、そういうのが嫌いな人はご注意下さい。

最後に一点。ファンの方は、どうせなら公式通販で買ってはいかがでしょう。特典の小説がなかなかの出来。後述。





気に入り度:5

少々期待はずれ・・・ですね。瀬戸口作品ということで、期待度が高すぎたのでしょうが。
SWAN SONG、キラ☆キラよりも、CARNIVALに近い雰囲気の作品ですね。
いろいろと不平不満も書いていますが、それでも彼がまた作品を描いてくれたのは嬉しいことです。今後も期待。

最後に、公式通販特典の小説ですが、私こっちの方が面白かった。ゴリゴリで全身全霊の唐辺らしさが爆発してます。息切れした上に収拾図られてるのが残念な感じなのですが。勢いで途中まで一気に描いて後日そのテンションに戻れないまま無理やりお話として完結させた感濃厚な、割と「これはひどいw」という感じの出来ですが、それでも、読んでるこちらの魂を鷲掴みするような、テキストものとしての魅力の塊のような魅力爆発な部分もあります。



(この作品については、プレイ後レビューでも触れています)

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