遥かに仰ぎ、麗しの

(執筆:2007/09/02)



メーカー
PULLTOP
(和み系ADV製作ブランド? 代表作は本作、「ゆのはな」。)



属性
発売時期:2006年11月
ジャンル:ADV
用途:和み・恋愛物
舞台:現代の超お嬢様学園内
顕著な属性:雰囲気ゲー
プレイのきっかけ:2006年で数少ない良作との評判を聞き、日本橋買い出しの際に購入。(プレイ前の期待得点…8点)



テキスト:5
あらすじ:新人教師滝沢司は、奇遇にも職を得た超金持ちのお嬢様ばかり集まる学園「凰華女学院」に住み込み、教鞭をとることに。

2人のライターがそれぞれ「本校編」「分校編」を書いており、各3ヒロインずつの担当となっています。
教師と令嬢生徒との恋物語…が主軸です。

プロらしいテキストです。安心して読み進められます。ただ、あまり細かいことを考えたり先の展開をあれこれ予想しながら読むのではなく、何も考えず作品全体に漂う穏やかな雰囲気に浸るのが良いでしょう。変に先の展開を急いだり、伏線にばかり目がいったり泣き場を期待したり、といったような読み方は損です。楽しみ方を誤ると致命的です。
誤らなければ、ただの雰囲気ゲー、恋愛ゲーと一くくりにできない温かい感動が待ってます。舞台はお嬢様学園ですが、「ですわ」口調のいかにもお嬢様お嬢様したような娘はあまり多くありません。6人のヒロインそれぞれと主人公が恋に落ち、恋人関係になり、そして真の意味で結ばれる(肉体含)までの過程をまったりと楽しみましょう。舞台は、人里離れた岬にある、超豪華学園です。隠れ里のような桃源郷のような場所での恋の行方を、紅茶でも飲みながら楽しんではいかがでしょうか。

私は楽しみ方を誤ったので作品に没頭できず粗ばかり目に入ってしまったためこれ以上高得点を付ける気は起こりませんし世間で高評価を受ける理由もさっぱり実感できません。しかしこれはプレイ前の人向けレビューですので、その粗を書き散らすより「より楽しめる」読み方を推薦した方が生産的である、とのスタンスでレビュー書いてます。

あ、「その書き散らした粗とやらが見たいんだ」という極一部の方、プレイ後レビューをご覧下さい。



ゲーム性:3
バカにしてんのかってくらい簡単です。これで目当てのキャラが攻略できない奴は目噛んで氏ねというレベルです。
実質「ゲーム」であることを投げてます。



実用性:4
6人ヒロインがいますが、そのうちの多くにおいては本当になけなしのHシーン。しかし一部において、非常に豊富なHシーン。全体のHシーン数のほとんどがその「一部」によるものです。
で、その内容ですが、愛に溢れる和姦ばかりです。極めてオーソドックスなプレイがほとんどですが、一部、本格的にお尻もありです。
で、使えるかと言われると「努力は認めるが使えない」レベル。少ないCG数を演出で頑張ってなんとかやりくりしているのは分かるのですが、あまりにも節約っぷりが目についてしまって…。
まぁ、そのヒロインに愛があれば使えるんじゃないでしょうか。二人の愛の前にはどんな高い壁も意味を為さないのです(超適当)。



音楽:7
作品によく合った良BGMだと思います。穏やかなテンポの曲ばかりで、癒し効果ありでは。
私は作品自体はあまり楽しめなかったのでそれに伴い音楽に対してもあまり良いとは思ってませんでしたが、今聴き直してみるとどれもなかなか良いですね。それに、1曲1曲が結構長いような。
物語が盛り上がるところで流れる曲は大抵好きです。あと、OP曲も好きです。

ボーカル曲:3曲



キャラ:6
 滝沢司:主人公。名前変更不可。本校編と分校編で結構スペックが変わる
     共通:裏切らない、最後まで守る、をモットーに頑張る新米教師。超鈍感。
     本校:類稀な行動力と柔軟な発想で自分が思う道を自由に生きる。
        生徒達のハートも掴みまくり。
     分校:何ができるわけでもないのに何故か生徒達のハートキャッチしまくり。
 みやび:本校編ヒロイン。生徒にして理事長。豪放なロリ系キャラ。
     理事長としての努めを果たそうとするが空回りばかり。生徒からの評判も良くない。
 殿子:本校編ヒロイン。放浪癖がある、非常にマイペースな少女。
 梓乃:本校編ヒロイン。対人恐怖症のお嬢様。犬のダンテと殿子だけに心を開いてる。
 栖香:分校編ヒロイン。名家の長女。優等生であり委員長的ポジション。
 美綺:分校編ヒロイン。学園には珍しく、活発で明るい少女。
 邑那:分校編ヒロイン。いつも温室にいる穏やかな少女。眼鏡っ娘。

キャラ萌えは…ちょっと厳しいかも知れません。それぞれいいキャラしてますが、破壊力には乏しいかと。あと一歩、というキャラはいますし、「いいキャラ」と思えるキャラは多い(というかほとんど)のですが。キャラにどうこうというより、シナリオを楽しむゲームかなと思います。
この6人に加え本校編・分校編ともにサブヒロインが若干名います。そちらも、メインヒロイン達に負けず劣らずのいいキャラです。



声:男女
フルボイスです。
女性陣は、特に不満無しです。安心して聴いてられたと思います。
一人、エロゲー声優というより劇団員みたいな声の人がいて、キャラとマッチしてなかなか良かったです。

ただ、エロゲーには珍しく、男性キャラの演技が結構ピンキリ…。



時間:6
6人もヒロインがいますし、共通ルートは非常に短いため、ADVとしてはかなりのボリュームになっています。最大レベルに長い、と言っても過言ではありません。
よって、展開を先へ先へと急ぐと、そのテンポの遅さに苛立つことでしょう。たっぷりあるシナリオをゆっくりと…ってもうその話はいいですか。



雑記
システム面は特に不満無し。私は使いませんがショートカットキーまであるので結構なものではないでしょうか。
演出として触れておきたいのが、物語はしばしばヒロイン視点でも語られるということ。両者の心の内が地の文で丁寧に吐露されつつ物語が進行していく作りになっています。



お勧め度:7
世間での評価は非常に高いので、はずす可能性は低いんじゃないでしょうか。むしろ大当たりになる可能性大では。特に、主人公にシンクロしてプレイするタイプの人は本校編を大いに気に入ると思われます。(分校編は別人のように思うでしょうが)

ただし、以下の点には気をつけましょう。
・一部推奨攻略順あり
・息もつかせぬ展開、極上の伏線、泣きといった極端なものにあまり期待しない
・最果ての地でゆったりと流れる時間とそこでの恋愛模様を楽しむ

この辺がちっとも果たせなかった私は以下のようになりました↓




気に入り度:4
全然駄目。
展開がたるいし先の展開はだいたい読めるし恋愛主軸の物語はあまり好きじゃないしで、さっぱり物語に没頭できませんでした。
やっぱり評判だけで作品選ぶもんじゃないですね。自分の足で調べないとね。恋愛物は好みじゃないとか、ラーメン屋行ってラーメン嫌いって言ってるようなもんですからね。いくらラーメンがうまくても、それじゃあね。
世間が良いという作品は大抵私も気に入るのでそれに甘えていましたが、良い勉強になりました。


(この作品については、プレイ後レビュー・攻略にても触れております。)





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