監獄アカデミア

(執筆:2017/10/13-10/17)

製作

ANIME lilith
ソシャゲで一発当てた廉価抜きゲブランドLilithの一下位ブランド。ANIMEの名の通りシーンの中に簡易アニメーションが入ることがあるが概ね普通のエロゲ。何気にこのブランドからの新作は4年ぶり。

属性

発売時期:2017年9月
ジャンル:ADV
用途:実用
舞台:未来・小惑星内
顕著な性属性:洗脳・凌辱
プレイのきっかけ:Gyuttoがクーポン券くれたから適当に商品あさってたら偶然目に留まったので。(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:コンプ

テキスト:4

あらすじ:人類が宇宙へと広がりはじめた時代。
太陽系内には数々の地球化(テラフォーミング)された惑星が現れ、人類の版図は太陽系全域へ広がっていた。
しかし人類は、大きく3つの陣営に分かれ、宇宙を舞台に争いを繰り広げていた。
主人公アルベルトは、その中の一派のエリート士官養成学校の生徒会長。しかし彼には密かな野望があった。彼らはいずれも、その一派に敵対する一派の生き残りであり、復讐を誓い潜伏し、悪魔の超機密テクノロジー“洗脳装置(メモリープラント)”を駆使して学園を裏から牛耳っていたのであった。
ある時、学園に、復讐の対象となる二人の女将校が凱旋し視察をするという報が舞い込む。絶好の復讐の機会に、アルベルトは同士達と周到に準備を進めるのであった。
(公式サイトより引用・改変)



驚きました。普通に面白いじゃない、シナリオ。実用ゲーのおまけとしては十分なクオリティだと思います。特に序章。本編始まると、まぁいつもの監獄戦艦シリーズ(or BLACK Lilith系列)かなという感ですが、割ときちんとSF戦記物やってる。
もちろん、「SFファンもニッコリ」とまで持ち上げる気は無いですし、設定とかの粗さとかリアリティとか、細かいこと言えばいくらでもケチはつけられるでしょうが、全然期待してなかった分、私は普通に楽しめました。
特に今回は、本編開始後も最後まで主人公達の野望が成就するか否かギリギリ感が出ていたので、シナリオは最後まで適度な緊張感を保っていたと思います。

一方で、「でもこれ抜きゲなのよね」っていう話もある。うろ覚えですが、確か監獄戦艦シリーズ(私、1と2はプレイ済)って序章が結構長かったはず。本作もご多分に漏れず、序章が長い。つまり、「開始5クリックでHシーン」どころか、多分「開始500クリックしてもまだHシーンに入らない」という弊害(?)もありますので、そのあたりは織り込み済みでプレイした方がいいですね。古い表現をすると、開始直後からパンツ降ろしてプレイしていたら風邪引く。
その長いシナリオ量に見合うだけのエンターテイメント性だったと思います。

なお、「監獄戦艦」「監獄戦艦2」「監獄戦艦3」ときて本作「監獄アカデミア」なわけですが、過去のシナリオをほぼ忘れ去っている私が見る限り、過去作とのつながりはほぼ無い、つまり本作がシリーズ初プレイ作品であっても全く問題なく楽しめると思います。(また、「ああ、多分このキャラが過去作のキャラなんだろうな」とありありと想像つくと思いますし、それを知っていればシナリオの面白さがさらに増したりということも特に無いと思う。)


ゲーム性:2

「ヒロイン2人のうちどちらを主人公が相手してどちらを他の学生達に任せる?」という選択肢が3回出てくるのと、その他シナリオの結末に関係しそうな選択肢が2回出てくるだけの、比較的シンプルな構成。
難易度も適度でまた理に適ったものでした。自力コンプがそう苦でない程度。


実用性:7

■作品のメイン属性■
本作の実用要素は、大きく以下の3つに分かれると思います。
・ヒロインに別の常識を刷り込むことで、性的に清らかなはずのヒロイン達が葛藤しつつもド変態プレイをすることになる
・ヒロイン達の超淫乱化に向けた肉体改造
・完落ち後の淫乱・性奴隷化したヒロイン達の主人公へのご奉仕H

一つ一つご説明いたします。
本作を含む本シリーズ、とにかく「ヒロインの正気をほぼ奪った(別の常識を刷り込んだ)上で、性的に清らかなヒロイン達にド変態プレイをさせて、それをヒロイン達もどこか違和感を感じながらも受け容れるのですが、『でもやっぱりこんな変態的なことおかしい!』という意識下の葛藤をヒロインに味わわせる」といったプレイ内容がかなり幅を効かせます。前者の「ド変態プレイ」の時点で、洗脳属性が無くても楽しめるのですが、後者の「意識下の葛藤を」も楽しめる人はより楽しめる、という構造なのだと思います。さらに、「あの清らかなはずのヒロイン達がこんなえげつないド変態プレイを!」みたいなので興奮できる人にはまさに垂涎でしょう。
二つ目の超淫乱化肉体改造は、「ヒロイン達の体が感じる快感を、まともな社会生活は送れないレベルにバシバシに高める」という、lILITHにありがちなあれですね。これについては思うところもあるのですが語ると長くなるので割愛。まぁいつものやつです。
そして最後の実用要素は、そういった、ヒロイン洗脳&肉体改造中のプレイだけでなく、ヒロイン達の「完落ち」後がしっかり描写されているところでしょう。完落ちというくらいですから、ここでのHシーンは、ヒロイン達は清楚だった原型を留めないくらい淫乱と化していますので、普通にエロいです。「”あの”ヒロイン達の人格を完膚なきまでにぶち壊してやった」という快感がプラスされる人には特にたまらないでしょう。一方、私にとっては、エロさも感じましたが割と不満点も残った。これは後述します。

本作は、エロさという点では、かなりハイクオリティです。それに加えて、上述したような点で快感がブーストされる人には、非常に高評価な作品となるでしょう。

以上3点をまとめると、細かな「合う」「合わない」はありそうだけど、合えばすごいし、合わなくても陵辱系が好きならほぼ誰でも及第点以上は堅い、そんな作品。

■ヒロインについて■
過去作のヒロインとキャラが被らないようにしたのか、シナリオの都合か、マンネリ(陳腐)回避か、あるいは別の狙いがあったのか…。ヒロインに関しては、少し疑問が残りました。
悪くないのだけど、やや変化球というか、もっとストライク狙っていけたんじゃないかという感。
ヒロインその一は、非常に頭が切れる天才軍師タイプの怜悧な将校で、宗教上の理由により処女で性の知識もほぼ無し。巨乳。非常に人格者でもある。
ヒロインその二は、この将校の相棒的存在の将校(元曹長)で、一応お嬢様設定だけどその気配はほぼ全く無く、常にヤンキー口調を崩さない、武闘派・豪快・女傑なタイプ。実は新婚。爆乳。
という感。
まずヒロインその二ですが、ヤンキーキャラなのが私的にややマイナス。所謂ギャルとも違うんですよね。お嬢様だけど豪快な口調って感じなので、なんか設定の魅力が相殺し合っている感。(ギャップを感じさせるようなテキストも無かったと思います。)
続いてヒロインその一ですが、清純キャラとしては弱いし、何より本当に良い人なんですよこのヒロイン!このヒロインがめちゃくちゃにされていくのは、凌辱スキーの身としても、気の毒に思ってしまいました。
ふたりとも、「この2人のキャラが出演しているオリジナルのアニメとかがあって、その同人作品内で凌辱されている」と言われればしっくり来るような、悪く言えば色気を欠いたキャラ設定だったと思います。本作のヒロインキュラでも十分にエロさは保たれてはいましたが、正直、全然別のヒロインだったら、もっと興奮できたんじゃないかなと思います。
見た目はエロいんですけどね。

■具体的プレイ内容について■
まずなんといっても、人体改造による快感増幅有り。
フェラ・イラマチオ有り、連続射精有り、輪姦有り、アナルセックス・脱糞有り。
果たしてこれらを基本と呼んで良いのか分かりませんが、これら基本シーンは完備。
完備なだけでなく、どれもそれぞれの属性のツボをよく押さえられていると思います。オールラウンドに、良い仕事っぷり。特に、フェラ関係・アナル関係に関しては、過去作と比べやや多め。
一方で、HB・大量精飲・パイズリに関しては、いずれも有るには有るのですが、もう少しあっても良かったかと思わなくもなし。パイズリの代わりにパイもみが複数あった。
そして本作Hシーンの特徴として、ディープキス、アナル舐め手コキ、鼻フック、ピアス&入れ墨、全裸土下座といった、今風(と言っていいのか)の、その筋の人達にはたまらないシーンも1シーンずつくらい有り。

あと、アニメリリスの名に恥じないようなアニメーションが、3シーンくらいかな、有りました。(アニメーションはOFFにもできます)
これが、まぁすごいというか。単純な運動のリピートだけでなく、きっちりアニメーションしているというか。それでいてCGの美麗さは落ちていないので、技術の進歩はすごいなぁとバカみたいに口開いて見てました。まぁつまり、発射前の運動リピートにも何段階かの細かい変化があり、発射中・発射後までアニメーションがシームレスで続くという。違和感が全く無いわけではないですが、大したものだと思いました。

そして、シーンでは無いですが、絵がとても色っぽいのですよね。決め手はやはり、唇をきっちり描いていることだと思います。
公式サイトでは「立ち絵が目をぱちぱち瞬きするよ!」ってのを売りの一つにしていましたが、これに関してはプレイ後に公式サイト見るまで気づきませんでした。


音楽:5

えっと、どうしようこれ……。

音楽、キャッチーで結構良いぞ……。LILITHなのにどうするんだこれ……。
えっと、「Supernova」、「Shining energy」辺りはアップテンポなロック調で、シナリオを盛り上げるのに一役買っていたと思います。
少なくとも耳音痴の私には嬉しい誤算。別にLILITHに音楽とか全然求めてないし、黎明期リリスのひどい音楽を少し懐かしくも思いますが、でもLILITH作品もすごくなったなぁと感慨深い。

ボーカル曲:有
↑これも、数年前から有るようになりましたが、黎明期を思うと隔世の感有る。


キャラ:2

主人公:アルベルト(名前変更不可),表面上は人当たりの良い万能生徒会長だが、裏ではどす黒い陰謀に全力を尽くす、思考力・実行力・カリスマを備えたダークヒーロー。
ヒロイン2名:実用項で既述。

本作は、実用ゲーに珍しく、主人公に、信頼できる同志が4人(全員男子学生)もいるというのが面白いですね。シナリオを盛り上げるのに一役買ってくれています。

まぁ、男女問わず特にキャラ萌え的なものは何も無いです。


声:女

女性フルボイス、男性無声。今のリリスだと男性ボイスすら有りかねないから困る。


時間:3

廉価(3000円強)実用ゲーとしては十分なボリュームだと思います。

その他

システム:なんかシステム周りも洗練されてきましたねー…。細かい表示設定までできるようになっています。ボイス再生中のBGM音量操作もできるし、ショートカットキー(*変更不可)まで設定してある。個人的には、クリック後のボイス再生継続をONにできるのが嬉しかったです。

演出:演出も妙に凝ってる。画面デザインなどから廉価エロゲ感が全く出ていません。


お勧め度:7

うーーん、値段考えると、これは久々に、他人にもお勧めできるハイクオリティの作品ではないかな。LILITHやったね!
主に実用項で書いてきたように、個人的には手放しで褒められない点も複数あるのですが、それでもHシーンの粒ぞろいっぷりを始めとして作品全体のハイクオリティっぷり、そして価格帯を考えると、7点未満は付けられない。上述しましたが、凌辱ゲーが好きであれば及第点は堅いでしょう。さらっと書きましたが、こんなことを書ける作品ってあまり無いですよ。
ただし、例えば凌辱の酷さの割にヒロイン良い人すぎ問題であるとか、趣味嗜好による合う合わないは間違いなくあると思いますので、そのあたりはご注意を。カシっとハマれば、及第点どころか末永くお世話になるでしょう。



気に入り度:6

実用項で書いたように、主にヒロイン達のキャラが実用性をやや引き下げたこと、私のツボではなかったこと、この2点により6点止まりとなりました。しかし6点。及第点。概ね満足です。
にしても2点減は大きいと思うのですが、その理由は、私自身が今後も末永くお世話になりそうなシーンがそんなに多くもなさそうなことなのですよね…。
いや、エロかったし一般的には実用性高いのですが、「私の琴線触れまくった!!」みたいな感じではなく、「あと一歩!あと一歩あれば…」みたいな、非常に惜しい感じだというのが正直なところ。
理由は、主に1行目に書いた通りなのでうすが、特に、ヒロイン完落ち後に物足りなさを感じたのが大きいです。
以下ネタバレ。結構長くなるのですが、テキスト反転して自己責任でご覧下さい。

(ここから)
ヒロインを2人とも落とせた場合は、ヒロイン2人が淫乱化して、HBまで一直線な濃厚なラブラブ&淫乱&奉仕系Hが繰り広がられて、これはこれで作品のジャンル的に有りなのですが、あくまで私の体感で
ラブラブ:淫乱:奉仕=2:5:3
くらいな印象。プレイは常時奉仕系なのですが、どうも奉仕感より淫乱感が勝ってるような。そして、常時ラブラブなはずなのですが、これまた常時淫乱感に押されてるような。改造内容考えると当たり前なのでしょうが、ただ淫乱なだけなら淫乱系AVとあまり変わらないというか…。エロゲならではの魅力が、あと一歩及ばなかったという私の印象です。AVと比較とかしないなら、十分にエロいんですけどね。その点、対魔忍シリーズは、エロゲならではの魅力が出しやすい世界設定だと思います。
まぁここはいいです。
問題はヒロイン片方だけを攻略した場合のエンド。攻略されたヒロインとのHは、まぁ悪くないのですがヒロイン2人エンドのインパクトに負けているし、攻略されなかったヒロインには悲惨な凌辱シーンが待っているのですが、これがなんとも勿体無い。こっちをもっと見たかったんですよ私は!こっちにもう少しボリューム割いてほしかった!なんか欲求不満!
特に、ヒロインその一の凌辱シーンは、ヒロインの正気だけが残ったまま、表情・言動を含め身体の動きは完全に奴隷娼婦という、SFホラー寸前のどぎついエンドなのですが、こういうをもっとこってり尺を割いて描いてほしかった。これ中心で一作作ってくれていいレベル。これは私確信を持って言えますが私だけでなく少なからずの需要があるはず。このようなシーンが何というジャンルにカテゴライズされるのかは分かりませんが、一部の催眠スキーの人達、そして同人作家さんで言うと吟醸マゴッツさんが描くような完落ち肉奴隷ヒロインとの濃厚ラブラブ&奉仕Hスキーの人達にとってはまさに垂涎だと思うのですよ。
もう片方の、ヒロインその二の凌辱シーンは、まぁ簡単に言うと馬姦なんですが、ひたすらバックでガシガシされて気絶するまでしか描かれていない。違うだろうが、最後には屈服してボテ腹で馬とイチャラブHやるまでが基本セットだろうが!そこからどうヒネるかだろうが!
(ここまで)
なんかね、これについてはマンネリでも良い、王道なんだからこっちはきっちりやってほしいし、ヒロインその一の方についてはこれはこれで掘り下げると大変興味深そうなのでぜひやってほしかった。特に、このライターさんの筆力ならば、ぜひ拝読したかった。

ライターと言えば、このライター(飯田和彦)さん、過去の経歴がすごいですね。まさか、あの往年の佳作シナリオゲー「カルタグラ」のメインライターさんと、こんなところで再会するとは、夢にも思いませんでしたよ。あれもシナリオの一部が光りまくってたなぁ。(ダメなところはダメでしたけど。)
このライターさんが手掛けた「対魔忍 紅」はかなり期待はずれだったようですが、なんかちょっと(シナリオも込みで)気になりますね。ライター買いしようかしら。セールとかやってたら。まぁ、飯田さんにとっても本作で名誉挽回となったのではないでしょうか。もちろん、功績はライターさんだけでなく全てのスタッフの皆さんにあるでしょうが。
(発売当初はバグ多発だったみたいですが私は幸い購入遅かったので被害無し。でもバグ多発はいかんですね。発売日に買ってくれる層こそファンですものね。)

リリスさんはソシャゲで荒稼ぎしているでしょうし、別にわざわざエロゲ作って小銭を稼ぐ必要もなくなっていると思うのですが、こうやって時々新作(しかもハイクオリティ)を出してくれるのは嬉しいですね。今後また、エロゲに関してはチェックしていこうと思いました。



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