ゴア・スクリーミング・ショウ

(執筆:2007/02/18)



メーカー
BLACK CYC
(安定して、実用・テキスト両サイドを兼ね揃えたダーク系作品を作っているブランド。とても一般人には勧められない、けど良作、みたいな作品が多い模様。中でも「EXTRAVAGANZA 〜蟲愛でる少女〜」は2006年業界屈指の良作と一部で評判。)



属性
発売時期:2006年1月
ジャンル:ADV
用途:ホラー系物語・凌辱・触手・輪姦
舞台:現代の田舎町
顕著な属性:スプラッタ系グロ・強姦・ホラー
プレイのきっかけ:評判良い割に全然店頭で見かけないのが気になっていて、発売から1年弱、ようやく購入。テキストが良いという話でしたし。(プレイ前の期待得点…8点)



テキスト:6
あらすじ:
かつて住んでいた土地に出戻りで転校してしてきた主人公。幼い頃の思い出を共有する友人達とまた平凡な毎日をともにするはずだったが、町は主人公がいない間に奇妙な雰囲気に包まれていた。
連続する女性の行方不明事件。町に伝わる人喰い鬼伝説。そして主人公が転校初日に目撃した、謎の少女。
気にせず平穏な日々を送ろうとする主人公達はしかし、否が応にも不気味な事件へと巻き込まれていくのだった。

ファンタジー系ホラーテイストの物語です。ガチガチのホラーを期待すると肩透かしを食らうでしょうし、むしろちょっと刺激の強めなテキスト作品をプレイしてみたいときにはうってつけでしょう。「オカルティック恋愛ADV」という触れ書きですが、「ドラマティックオカルト」といった印象でした。
テキストは、ホラーの味付けを除くと全体的に良く書けており、安心して読み進めることができます。各人物の内面描写がなかなかリアルというか生々しく、物語の味の引き締めに一役買っています。テキスト自体はうまいのです。ただ、ホラーもののストーリー展開としては落第です。それ以外のところの方が意外と楽しめる感じ。
「刺激的」というだけあり、一作で色々な興奮を覚えることができますし、決して駄作という評価にはならないと思います。ギャグには乏しいですが。
ただ気になったというか爆笑したのが、表現規制。結構過激なテキスト・CGも用いられますので、製作者側もその辺を配慮したらしく、テキスト・CGそれぞれに表現規制ボタン装着。
私は、こんな作品買ってるくらいですから当然両方OFFにして最後までクリアしました。その後、どれくらい規制されるものなのかと確認したのですが…。
いや、テキスト、全然規制できてないっスよ…。例えば残虐シーン、ヒロインの身にこれから何が起ころうとしている(もしくは現在何が起こっているのか)十分に想像つくだけの情報を与えるところまでは規制OFFと全く同じで、ON状態では最後だけ曖昧になります。
これ、むしろ逆効果じゃないかな…。



ゲーム性:4
物語の重要部分になると「Select your future」というテキストと共に2択〜4択の選択肢が出る形式。どのヒロインルートに入るかを決定するものと、主人公達の未来(生死等)を決定するものの2パターンですね。
どの選択肢を選ぶと誰のルートに入っているか、選択肢を選んだ瞬間各ヒロインを表す 色の光が点滅しますので親切ですね。ただ、緊迫したシーン等でまで光ったりするので、それによって自分の選択が正解だったかどうかも何となく想像ついてしまうのは、サスペンスものとしては失敗だと思います。



実用性:6
エロいよネ、エロいヨ!
和姦強姦輪姦触手姦、それぞれが充実しています。凌辱の場合、そのままヒロインが完全に壊れる(主に肉体的に)ところまでいくものも結構な数あり、徹底的にグチョグチョにしているので鬼畜なお兄さん達にもお勧め。個人的に評価できるのが、「ヒロインが淫乱になりつつグチョグチョ」というものもあれば「ヒロインが最後まで嫌がりながらグチョグチョ」というのも(数は少なめですが)あるという点。どうも、この業界は何に遠慮しているのか知りませんけど、この後者の率が非常に少なく、たいていヒロインも脳内ハッピーになりながら堕ちていくのですよね。これでは真性の「服従スキー」と「強姦スキー」は満足しきれないと思うのですが。本作はそういう「強姦スキー」(プラス「寝取られスキー」)を満足させる可能性を持った作品。まぁ、大満足とまではいかないでしょうけど、この人たちを大満足させるような作品ってのは、あ、いや、無いこともないか…。(「R(ピー)回廊」)
あ、スプラッタ描写も結構出てきますけど、CGは何を日和ったかスタッフは意外と健全なのか、全てモザイクかかってます。規制無しでもモザイクかかってます。期待しないように。(逆に、そういう血や内臓といったものを見るのはたとえ2Dでもあまり好きではない人には安心)
気になるのが、Hシーンでの音声。二重音声で、ヒロインの台詞があるところは普通なのですが、ヒロインの台詞がないところは、自動的にエンドレスリピートされる喘ぎ声が再生されます。喘ぎ声に隙を与えないつもりなのでしょうが…。
私には逆に、リアリティ無く聴こえてかなり評価落としました。これが無ければ7点だったのに。



音楽:7
6点(なかなか良い、けどお気に入り曲は特に無し)かな?とも思いましたが、まぁ7点(良曲、ただし琴線震わされるほどの曲は特に無し)。というのも、まだ、評価の高いOP曲をあまり聴き込んでいないのです。これ、もうちょっと聴いているとハマり込む気がする…。
その他のBGMですが、狂気染みた曲、ゆったりした曲、しんみりする曲、サスペンスな曲、などなど、結構メリハリ効いててよかったかと。私は全然詳しくないのですがメタル系の曲もボーカル曲含め3曲ほど。いや、もっとあるかも。緊迫シーンはメタル調なのかも。すみません分からないです…。
あと、OPムービーは秀逸です。素晴らしい。

ボーカル曲:OP,ED(音楽鑑賞モードでフルヴァージョン聴けたのにはちょっと感心。さらにカラオケヴァージョンでカラオケ風に歌詞まで出てきて感動。)



キャラ:5
 主人公:名前変更不可,中学3年生って感じの性格です。思春期っぽさは無いけど青年と呼ぶには若い感じ。ぶっきらぼうだけど優しいところもある、みたいなタイプ。
 あかね:かつての幼馴染。明るくはきはきしており、クラスの人気者。
 葵:無口な不幸少女。いつもあかねと一緒にいる。
 希衣香:物腰柔らかな高嶺の花的少女。
 闇子:主人公の保護者にして主人公の叔母。もったりとした口調のカルト雑誌ライター。
 ユカ:謎の少女。何故か主人公を慕っているが、主人公以外には……

キャラ萌え等はあまり起こらないと思われます。上のヒロイン3人は無難な性格であり、物語を進めるにつれキャラの色々な汚い部分も見えてきますし。
ただ言えるのは、どのキャラも(脇役込みで)かなり良い。キャラクター達は丁寧に描かれています。特に男キャラ達が、それぞれ味があって良かったですね。



声:男女
良いです。特に男キャラ達の声が秀逸。特に真太(親友)が上手いと思いました。女性キャラ達も、結構善戦しています。ユカとか。



時間:4
ボリュームは標準といったところでしょうか。そう長いとは感じませんでした。



雑記
システム面で不満は特に無しです。規制設定が破綻しています(CGも、ON, OFFが機械的すぎて真面目に配慮しようという気は一切感じませんでした)が、これは皆さん覚悟の上で臨まれるでしょうし。
演出面は、効果音がまぁまぁ悪くない感じで使われてたかなと。特に凌辱の時の音とか。それ以外については、標準的ですね。特にホラー面は、もっと頑張れたと思う。

最後にCGですが、クリクリの美少女目のキャラと、一般キャラとを立ち絵で並ばせたのは失敗でしたね。違和感が凄い。あと縮尺が統一されてないことに気づく。



お勧め度:7
意外と万人ウケする作りになってると思います。これくらいのグロ描写、18歳以上なら十分許容範囲内でしょう。「○○ゲー」みたいな感じで見ていると結構意表を突かれることが多いです。「○○ってほどでもねーよ!」って感想と「××ゲーでもあるんじゃね!?」って感想。ということで、「刺激的なゲーム」という表現にしたのですが。
まぁあまり予備知識無しに、とりあえずグロ系佳作ということに期待しつつ挑戦してみてはいかがでしょうか。




気に入り度:6
私はホラー系あまり観ないのですが、私的最恐ホラーは映画の「リング」です。あれはホラーのお手本的作品だと思います。実に上手い。感心します。
そんな私にとって、本作は期待したほどホラーでもなく覚悟してたほどグロくもなく、テキストもそこまで絶賛できるものでもなく、と期待はずれ要素が多かった(≠強かった)ので1点減少の6点。色々な「刺激」を盛り込みすぎたせいで、各要素が他要素を妨害し合い、結果全体的にどれもあと一歩という出来になった印象です。
とはいえ、普通に楽しめました。良かったと思います。ドラマチックな展開とか、上手かったですね。その辺は特に評価したい。







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