幻燐の姫将軍

(執筆:2010/02/14)



メーカー

エウシュリー
(業界には希少な、SLG,RPGをメインに作るブランド。近年特に評価されてる感が)



属性

発売時期:2001年4月
ジャンル:戦術SLG
用途:ゲーム
舞台:ファンタジー。他のエウシュリー作品と同じ世界
顕著な属性:
プレイのきっかけ:幻燐2のシナリオに興味を覚え、その予習のために。(プレイ前の期待得点…5点)
プレイ進捗状況:2エンド確認(True, 駆け落ち)



テキスト:3

あらすじ:魔神の父と人間の母とのハーフである主人公リウイは、両親を人間に殺されて以来人間を恨み生きてきた。成長した彼は部下と共に人間の国「メンフィル」を滅ぼすため出陣するが、戦いの中でリウイは人間としての心を成長させていくのだった。


シナリオは、良くも悪くも無難なファンタジー戦記物です。戦記というほど戦記ものとしての楽しみはありません。主人公リウイの心の変化も描かれていますが、まぁ普通です。特に褒められるところもないかと。
しかし逆にこれといった粗もないので、安心してお話を読み進めることができます。
同ブランド「冥色の隷姫」でプチトンデモ設定の洗礼を受けた身としては、この手堅さもありがたく感じます。



ゲーム性:7

一部隊一ユニットではなく、一キャラ一ユニット形式の戦術SLGです。
「戦術」といっても基本的に敵本陣に乗り込むだけなのでそう多彩な戦術が楽しめるわけではないですが、ユニットを上手く運用する楽しみ、地形などを生かす楽しみ、自分なりにキャラを育てる楽しみなどが本作メインディッシュでしょう。それぞれのユニットの個性がはっきりしているのでいいですね。
クラスチェンジシステムが採用されているため、この手の成長システムが好きな人には ツボにはまるかも知れません。

行動は、ターン制とリアルタイム制の中間みたいな仕様です。一応ターンではなく敵味方共通の時間の流れが存在しているのですが、一度行動するとその行動分の「行動値」というものが消費され、行動値が回復するまで停止する仕様です。行動値は、時間の経過と共に自動回復します。例えば移動+攻撃で行動値を10使ったとすると、時間の流れが10進むまでそのキャラは次の行動ができないわけですね。
このシステムもなかなか面白く、この後の敵・味方の行動順を見据えながらその時々最適の行動をすることが求められます。

難易度は、ちょうどいい感じ。ユニット(キャラ)は、一度HPが0になると「死亡」扱いになり基本的に二度と復活しません。つまり、自部隊は被害なしで各ステージをクリアしないといけないのですが、そうもいかないことも多々あります。特に慣れないうちは何度かロードしてやり直したりと、結構ギリギリなプレイで楽しかったです。
慣れてくると、どんどんキャラも成長するのですが、詳しい説明は避けますが本作は単純な力押しがしにくい仕様になっているため、慣れてきたら慣れてきたなりに結構緊張感のあるプレイが続きます。(ちなみに私が慣れてきたのは1巡目のほとんど終盤でした)

なお、繰り返しプレイの配慮もされてまして、少なくとも計2巡は楽しめると思います。

2001年発売ということで全体的に古臭さは漂うものの、ゲームとしては結構手堅く楽しめる作りだと思います。のめり込む、という感じの楽しさではないですが、サクサクと快適にプレイできます。エロゲSLGでありながらマイナス要素が特に思いつかないという、考えてみるとなかなかすごいクオリティです。



実用性:3

レイプ!レイプ!
主人公は細面の優男ですが、ヒロインと見るやとりあえずレイプしますので、割と被虐色が強い。
それでいて一応主人公の成長ものでもありますので、愛にあふれた和姦もあり。
半分魔族な主人公が、メインヒロインと心を通わせたり部下の魔族ヒロインに誘惑されたり捕虜をレイプしたり、まぁ色々と楽しめます。
もちろん実用性は並以下。尺の長さはクリック8回くらいでしょうか。食卓の彩り程度ですね。



音楽:5

曲数は少なめで10曲ちょっとくらいです。
特にプレイ時間の大半を占める戦闘パートでの曲は6曲くらいかな?(ステージ曲4曲、味方攻撃時の曲、敵攻撃時の曲)
少ないですが、そう悪くはなかったです。

ボーカル曲:無



キャラ:5

主人公:リウイ(名前変更不可),人間に復讐を誓った青年。真面目な魔族系君主キャラ。
イリーナ:大国の姫君。メインヒロイン。リウイ達に捕らえられレイプされてメイドにされる。
ティナ:愛に溢れる献身的な修道女。リウイにレイプされる。
カーリアン:リウイの幼馴染である魔族剣士。リウイより少し年上のためお姉さん風を吹かせる。リウイにレイプされない。

その他、味方となるヒロインが何名かいます。
イリーナは典型的なお姫様なのですが、リウイに捕らえられてからの扱いの悪さにはちょっと笑いました。キャラとしてもまぁ普通ですね。

特記すべきはカーリアンのキャラでしょう。このキャラはなかなか魅力的に味付けされてます。さばさばとしたキャラですが、ちょっと切なさもあってグッドでした。



声:女

女性のみフルボイス。
戦闘中も攻撃時のみ台詞有りです。



時間:5

コンプを目指すとなると結構手間ですが、とりあえずクリアするだけなら15時間くらいでしょうか。



その他

システム:画面サイズが640*480の、しかも全画面表示固定だったのは痛かったかな…。お使いのモニタの設定をいじって最適な環境を自力で構築して下さい。あと、敵ユニット移動もスキップできないのは微妙に減点。それほど時間がかかるわけでもないので、許容範囲内ですが。

演出:戦闘(攻撃)時の場所によって背景が細かに対応していたのは評価できます。



お勧め度:5

割と面白かったです。戦術SLGがお好きならばプレイされてもいいかと。
ただ、なにせ2001年の作品ですし、DL販売など廉価商品も出ているとは言え、積極的に本作をプレイする必要性はあまりないかなというのも正直な感想。
面白いのは面白いですが、熱中するほどでもない。また幻燐2の予習をするにしても、これなら幻燐2についているという「幻燐1ノベル」読めばいいんじゃないかなぁという感じがします。戦術SLGということで、それなりに時間もかかりますからね。
時間が有り余っているという方、エウシュリーファンの方にはお勧め。それ以外の方には、お勧めしないこともないけど積極的に勧めようとも思わない、そんな感じです。

ただ、エウシュリー作品を過去に一度でもプレイされていれば、「ああ、いつものあの設定だな」とニヤリとできるのではないでしょうか。当たり前のように出てくる「ラウカマール」や「睡魔族」、「超ねこぱんち」といった単語にテンション上がったのは私だけではないはず。




気に入り度:5

ゲームパートはなかなか楽しかったです。独自性に溢れるシステムの数々には色々と感心させられました。ただ、それでもやはり今さら進んでプレイすることもなかったかなという印象が。
ただ、ですね。
これをプレイしたことにより、キャラ達への愛着がプレイ前より格段に湧いているのも確かです。正直このレビューを書いてる時点でまだ(私としてのそもそもの目的である)幻燐2をプレイしていないのでなんとも言えませんが、だって、幻燐2の公式サイトで紹介されているキャラクター40人(!)中、13人は既に知っているわけですよ?特に主人公の国のキャラなんかほぼ全員知ってるし。というか私が自ら手塩をかけて育てたし。(データ引き継ぎは当然ながら無いですが)
特に個人的にはカーリアンをもう一度使えるのはテンション上がります。
という風に、単体で評価すればこんな点数ですが、2への布石としてはまぁ上々かなぁ、というところです。






gyutto.com「幻燐の姫将軍」DL版
4000円…。ちょいと割高ですね。

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 いただいたコメントには後日日記にてありがたくレスさせていただいております。


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