EXTRAVAGANZA 〜蟲愛でる少女〜

(執筆:2008/01/19-21)



メーカー
BLACK CYC
(グロ陵辱系のテキスト良作をコンスタントに作る珍しいブランド。)



属性
発売時期:2006年10月
ジャンル:フローチャート式ADV
用途:読み物・実用
舞台:現代の街
顕著な属性:蟲・触手・陵辱系出産・体内陵辱・スカトロ・ふたなり・乳首責
プレイのきっかけ:2006年高実用性作品の中で最良作という認識はあったが、店頭で見かけたので購入。
  ………すみません正直に言います、蟲出産に興味ありました。
  (プレイ前の期待得点…7点)



テキスト:5
あらすじ:「蟲使い」と呼ばれる、異形の生物を使役する一族。
      旧時代のしきたりに捉われたその一族から逃げた蟲使いに、
      少女が「苗床」にされ特別な蟲を産まされるところから物語は始まる。
      全てを失った少女と、たった一人の「我が子」。
      少女は、平穏な日々を取り戻せるのか。

「蟲使い」という独特の一族が持つ薄気味悪さと、その蟲を研究する科学者サイドの持つ、違う意味での薄気味悪さ。それらの狭間に立たされる少女の人生を描いたお話であり、コンセプトはなかなかのものだと思います。また、恐らく企画初期から固まっていたであろう一部シーンやキャラもなかなか。
しかし、それらを描き出していくシナリオ展開が、今ひとつ。決して悪くはないのですが、「もっと面白くできたんじゃない?」と思わせる出来。特に、せっかく幾つかの(時系列のはっきりした)章立てにしてあるのだから、もっと巧い魅せ方があったんじゃないか。ドラマ性であったり、サスペンス性であったり、その辺、決して悪くはないけどそう良くもないという感じ。実用性が高い分、割を食ったのかも知れません。
テキストは淡々としており、癖も無く読みやすい感じです。とりたてて評価はできませんが、これは減点対象にはなりえないでしょう。
まとめると、無難に面白いけど(テキスト自体は)そう積極的に評価できるほどでもない。
ただ、テキスト自体は評価控えめながら、体感する「面白さ」はもっと上になるとは思います。



ゲーム性:5
珍しい形式で、自分が今どの章のどの位置に、どういう経緯で位置しているか、そういったのがフローチャートで分かるようになっています。
このフローチャートが作品の肝で、よくある三択会話などは一切なく、フローチャートが枝分かれした場合、いずれを選ぶかでその後の展開が変わっていくという、面白いシステムです。テキストゲーの味付けとしては特に良く出来ている部類じゃないですかね。シナリオが枝分かれしていくのが楽しく、また、これまで選べなかったシナリオが選べるようになったりして楽しいです。
ただ、コンプを目指すとなると少々難易度が高いのが玉に瑕といえば玉に瑕。段々と「作業」の色合いが強くなっていくんですね。何でもそうですけど。
CYCのサイトで攻略ヒントを掲載しているので助かるのですが、私はそれを使ってもシナリオコンプ率98%でギブアップしました。



実用性:6
幼女が無理やり蟲を孕ませられ、ボテった末に出産させられる。
これがお話の始まりなのですが、これだけでもうお腹一杯。いいもの見せていただきました。ご馳走様です。
というのも、最近はボテシーンも多くの実用ゲーで散見されるようになりましたが、強姦系ボテは本当に少ないのが現状だと思います。出産まであるボテも同。それが本作は、いきなり「強姦・異種姦・妊娠・出産(・幼女)」と総浚いしてくれてるわけで、これはちょっとした快挙です。大勢に迎合して安易な快楽落ちに走る作品が多い中、えぐいシーンはきっちりえぐいまま見せてくれたのは素晴らしい。
冒頭だけで語りすぎてしまいましたが、やはり冒頭は数多くある本作のHシーンの中でもトップクラスの出来だと思います。

多分ここまでで既に多くの人がドン引きしてると思うのですが、気にせず続けます。
他にも多数Hシーン有りです。しかも純粋な和姦0。マジで0。シーンカットされてたりします。もしくは「ある意味和姦」か。基本的に異種強姦ですね。触手に上下の穴貫通されたり「合蟲人間」と呼ばれる蟲で出来た知性の低いサイボーグみたいなのに輪姦されたり、グッチョグチョです。登場ヒロイン達は漏れなくロクな目に遭いませんので、「○○のシーンが無いんだけど」みたいな不満は(和姦期待しない限り)有り得ません。
属性で言うと、やはり異種強姦属性持ちの人にはお勧めです。ただ、理不尽な責めが多いのですね。屈服だとか服従だとか調教だとかそういうのがないと駄目な人にはあまり向かない。単純な拷問だったり責めだったり実験だったりするのが多く、「それにしてもやりすぎだろ…」と思うんじゃないかと。「だがそれが(ry」みたいなコアな人以外には、意外とお勧めできないという困った按配。サドっ気が強い人向けなんですね。そういう人には+3点くらいしといていいんじゃないか。
また、妊娠やら出産期待の人には、冒頭以外はそれほど…。(あるにはあるのですが。蟲以外孕みません)

まぁ、上述のような贅沢の言える、高いレベルの陵辱ゲーではありました。泣き叫ぶようなたっちー系ではないですが、ヒロイン達が苦しみの声をあげまくる、(これはまさにブラックサイク系と言ってよいのかな?) 容赦ない責めの数々。
女の子が「げぇぇーーーー!!」(吐瀉声)だの「ぐごぉぉぉぉーー!!!」だの言いまくり。
シナリオだけ期待してプレイなんかしようものなら、たとえ属性持ちでも胸焼けすること請け合いです。



音楽:5
曲数が13曲程度と少な目で、1曲1曲も結構薄味なんですね。
悪くはないのですが、シナリオの魅力を引き立てるのにはあと一歩力不足だった印象です。

ボーカル曲:2曲



キャラ:4
 主人公:櫻井夢見,平凡で幸せな家庭の子だったがいきなり両親と死に別れ蟲を産まされることになる不運極まりない少女。物語は、彼女が蟲を産まされてから15年後まで。
 煉梧:蟲使いの村から逃げ出した蟲使い。一族の刺客と戦うため、戦力増強のために強力な蟲を夢見に産ませる。女を蟲の苗床程度にしか思っていない、粗野な性格。

他にも多数キャラはいますが、ネタバレ避けのため割愛。
クール系のキャラがそれぞれ良い味出してます。特に男2人。ガチ科学者とガチ蟲使い。
女性キャラ達も、皆それぞれかわいらしいです。萌えるとかは無いので点数は控えめですが、良い感じです。(萌えたりしたら後々絶叫することになります。「俺の○○がぁぁあああ!!!!!」)

中でも特に評価したいのが、夢見の産んだ蟲!!ほとんどテキストでしか登場しませんが、テキストだけでかわいらしいです。蟲萌えはありえる。実にありえる。ペットに欲しい。



声:女
女性フルボイスです。男性ボイス無しです。まぁ良い判断だったと思います。一人キモい男性がいるのですが、彼の声をフルボイスで聴かされるとプレイ投げ出したくなるかも知れん。
女性ボイスの方は、ほんと、お疲れさまでしたの一言です。(特に絶叫ボイスに)



時間:4
攻略には時間かかりましたが、シナリオ総量はそれほどありません。
標準ないし少し短い程度のADVくらい。



雑記
システムは一度見たシーンは丸ごとスキップできる機能があればいいのになと思ったくらいです。
演出ですが、一枚絵のシーンCGを魅せるのがなかなか良かったかな。効果的にそのシーンが演出されてました。鳥肌もののシーンもありました。
あと、陵辱シーンへの力の入り方が素晴らしいですね。差分58枚とか、何かの冗談みたいな数値も。
あと、フルコンプした方にはちょっとおまけがあったりミニゲームが3つもついてきたりと、相変わらず隙の無い布陣ですな。



お勧め度:7
Black CYCの過去作「蟲使い」の設定を使い、一部設定を変更しての作品だそうです。別にそちらを知らなくても問題なかったですし知っていたら知っていたで少し楽しいようですしこちらをプレイしてからそちらをプレイするってのも同じくらいありだそうです。

プレイスタイルとしては、テキストとHシーン、両方に期待しつつプレイするのがベストなのですかね。
蟲を使う一族、というちょっと変わった伝奇ものっぽい雰囲気がなかなか良い味出してます。
そして陵辱シーンは本当に陵辱だから困る。2007年の陵辱ゲーと言えば「蠱惑の刻」(Tinkerbell)だと思うのですが(未プレイで批評空間のレビューを見たのみ)、あれも淫妖蟲も、内容自体はグロいことこの上ないようですが、女の子は快感落ちしてるのである意味幸せそうなんですね。本作は、テキスト自体はそこまで残酷ではないですが、結構女の子が正気残ったままでグチョグチョにしてる分ひどいと言えます。

ということで。
全てにおいて平均点以上の、特に異種姦陵辱シーンはK点越えの、勇気ある一作。「えぐいの・痛そうなのはあまりちょっと…」という人には少々我慢なり忍耐なりCTLボタンを頻繁に押す手間なりが必要ですが、その辺があまり楽しめない人にもなかなか好評のようです。「こういうの大好き、むしろ歓迎」って人には、自分の鬼畜属性の程度や性質を改めて見つめ直す良い機会になるんじゃないですかね。
テキストは、変に過剰な期待しなければかなり面白いでしょう。「考察価値有」とか「考えさせられる」とかは皆無なので。

全体として、際立った評価ポイントはないけど減点ポイントが見つからない良作という印象。
一言でまとめると、「陵辱物としてはトップクラスにシナリオが良くできている」。




気に入り度:6
「風の谷のナウシカ」で、ナウシカが王蟲の群れを従えて腕をピンと伸ばし、「なぎ払え!」って言ったらカッコいいような気がしませんか?(お話としては破綻もいいとこですが)
まぁそれは妄想でしかないのですが、「もしも王蟲の幼虫を1匹飼えたら」みたいな妄想とかなり近いような気がする本作。(製作者もやはり若干意識していたようです。)
幼い頃から王蟲萌えだった私としてはそれは歓迎だったのですが、正直ちょっと楽しみ方を間違えた感が…。
Hシーンはおまけ程度で、普通にテキストゲーとして臨んでいたもので…。
結果、せっかくのHシーンも普通に流してしまいました。で、テキストの「期待ほど良くなかった」っぷりに少しがっかり。

とは言え、キャラは良かったし痺れるシーンも複数あったし冒頭では夢見ちゃんの無垢な力に打ちのめされたし、満足は満足です。
具体的にどう満足かについては、プレイ後レビューで軽く語っております。






Amazon EXTRAVAGANZA
(悪くない価格ではないでしょうか。私が2007年秋に田舎の中古ショップで見かけた時は6600円でした。
 「この商品を買った人はこんな商品も買っています」一覧がある意味的確すぎて笑える)

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