どすこい!女雪相撲 〜胸がドキドキ初場所体験〜

(執筆:2010/05/09)



メーカー

Liar Soft
(割と古参の、良質テキストゲーとギャグゲーとを出すブランド。女性ファンが多い。)



属性

発売時期:2010年3月
ジャンル:ADV
用途:ギャグ系読み物?
舞台:現代の女相撲部など
顕著な属性:ふんどし?
プレイのきっかけ:無茶っぷりに惹かれて(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:ほぼコンプ(攻略法は分かったけどやり残し有り。残りCG2枚)



テキスト:5

あらすじ:大奥からの伝統を受け継ぐ、「女雪相撲」。テレビで「小百合」の活躍を観て彼女に憧れた主人公「たんぽぽ」は、自分も大学で女雪相撲をやるため、特訓に励み、高校時代は3年連続全国優勝を果たす。しかし、意気揚々と大学で小百合のいる女雪相撲部に入部したたんぽぽが見たのは、鬼と化した小百合と、由緒正しい流れを汲む女雪相撲部の珍伝統の数々だった。

シナリオは基本的に一本道で、主人公たんぽぽらの、大学女雪相撲部での活動が中心です。物語の中では対外試合も何度も行われ、「常勝」を謳うたんぽぽら「大輪女子女雪相撲部」はその都度真剣勝負をします。
非常に硬派の上、理不尽な伝統を多数受け継ぎ守っている大輪女子女雪相撲部。割と気の緩みがちなたんぽぽは、入部してから戸惑ってばかりです。が、戸惑いながらも、先輩達からの厳しい指導にもめげず、自分もまた大輪女子女雪相撲部の一員として前向きに稽古に励むたんぽぽ。
そうこうしているうちに、あこがれだった小百合さんが引退することになり…

…と、メインのシナリオは割と硬派?な感じです。正統派スポーツものと言ってもいいのかな。
が、その、途中でさらりと出てきた「理不尽な伝統」「先輩達の厳しい指導」が本作のメインであり、本作をして変化球ギャグゲーへと昇華させているキーポイントです。

プレイヤーは、たんぽぽ目線で、先輩達の発言を聞くわけですが、中には… というかしょっちゅう、ついツッコみたくなるような発言が出てきます。
そういう時、画面に大きく「応!」「否!」の2択選択肢が出てきて、ツッコむか否かを判断できます。で、「否!」を選んでツッコミを入れると、漏れなく先輩達にビンタ指導をされるという。

要は、ボケ→それにツッコむ→ツッコんだ方がビンタされる
という、いわばボケの重ねというか、ツッコミに対してさらにツッコミ的なボケを重ねてきて、ツッコミだったはずがボケたかのような状態になる…
と、まぁそういう… 私が知る限りは新発想なギャグゲーです。
多分この説明を読んでもクスりともされなかったでしょうが、作中ではツボにハマるとかなり笑えます。少なくとも私は割と笑い続けでした。
テンポが良く、ビンタの連打になることもあれば、シリアスなシーンでいきなりビンタが入ってきて不意打ちの笑いを誘われる事も。
正直後半になるにつれ段々と質が低下しているようなのが気になるのですが、それでもこの理不尽ビンタを成功させた点は評価したいです。
シナリオ自体も、オーソドックスながら終始退屈せず読み終えることができました。「時間」項で後述。



ゲーム性:1

制限時間付きで「応!」か「否!」かを選ぶシステムは、なかなか良いと思います。ゲームにも締りが出てくるし、気合入れて「否!」を選ぶと大抵ビンタだし。
あと、CGおよびシーンの回収も、ちょっと周回プレイは面倒ですが、それほどむつかしくないしいいんじゃないかなと思います。

が。
「取り組みで、ベスト&ワーストの組み合わせを選んだ時のみ、特別にADVモードで試合中継」
というシステムを考えた奴、いやこれは許そう、「ベスト&ワーストの組み合わせ、ノーヒントでいいよね」と決断出した奴は、一度氏んで下さい。
取り組みとは、味方部員をそれぞれ
先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
の5枠に割り振るのです。で、大抵、部員で選べるのは5人です。
となると、それぞれの組み合わせは120通りですよね。で、色々試しましたが、序盤を除きステータスや相性等は全くこのベスト&ワーストに関係ないってことが分かりましたので、こうなるともう総当たりで120通り全て調べるしかない。
そういうのが、だいたい5,6試合続きます。
さらに笑えることに、うち2試合は、選択肢が6人いるってことでしょうか。ええ、720通りです。
繰り返しますがこれらを解放しなくてもシナリオ進行等には全く影響しませんが、それでもなお、こんな馬鹿げたシステムを強行した奴、そしてそれを野放しにしたライアーは氏ねと何度も呪詛の言葉をつぶやきました(セーブ&ロードを繰り返しながら)。



実用性:2

本当に2010年発売か?っていうくらい薄いです。内容もあっさりですし差分も少なく、そもそも尺も超短い。
確かにこの辺頑張らなくても多くのプレイヤーは困りませんけどね。「時間」項にて後述。



音楽:6

全部で20曲くらいですか。
BGMはまぁ作品には良く合ってたと思いますよ。
個人的に、主題歌が気に入りました。特にEDバージョン。
挿入歌は、Ritaさんしっくり来すぎです。

ボーカル曲:2曲(+主題歌アレンジ1曲)



キャラ:6

主人公:たんぽぽ(名前変更不可),期待の女雪相撲部ホープ。割と軽い性格。処女だけど彼氏持ち。

とりたてて語ることはないのですが…
そうですね、個人的に一人ツボったキャラがいるので、そのキャラについて。
雛菊ノ富士(四股名)という、たんぽぽらより一学年上、教育係担当の短身爆乳キャラがいるのですよ。
このキャラが、やたらと熱血キャラというかがんばりやさんキャラというかで(大変努力家なのだけど本番では緊張してしまって成果出せないタイプ)、たんぽぽの教育係も気合たっぷりにするのですが、これが熱い。というか可愛い。6点は全てこのキャラに捧げてます。次の「声」項で後述。



声:女

女性のみ、パートボイス。
ええ、パートボイスですよ。ほんとライアーはLLEの頃と変わらないなぁ…。
重要なシーンのみボイスが入り、それ以外はボイス無しです。男性は一切ボイス無し。
この辺の経費節減っぷりは昨今の低価格抜きゲー並、下手するとそれ以下です。

で、声ですが、少ないだけあって、皆さんなかなかいい感じ。とりあえず、ビンタされたときのたんぽぽの悲鳴とかがギャグゲーとしての質を底上げしてますね。
でもそれよりもっと底上げしてるのが、ビンタする時の先輩キャラ達の台詞でしょうか。個人的に、鬼百合(小百合さん)、それに先述の雛菊ノ富士が特に良かったです。

そして、中でもこの声項で私が強調したいのが、雛菊ノ富士の声!!素晴らしすぎる。私は元々エロゲ声優の中で特に上手い人(非エロシーン部門)として一色ヒカル先生を挙げているのですが、今回もヒカル先生の美技にメロメロでした。また一つ、ヒカル先生への信頼を確かなものにさせていただきました。



時間:3

メチャクチャ短いです。フルプライスなのが未だに信じられません。どこで金使ったんだライアー。というかそもそもそんなに売れることは想定してなかったでしょうこれ。その上でこの値段・このボリュームにしたに違いない。
それにしてもムカつく。いくらなんでもボリューム少なすぎる。
確かに、テキスト項で書いた通り終始あきずにテンポよくプレイできましたよ。ボリューム少ないのも手伝ってね!
パッと楽しめる辺り、多忙な企業戦士向きソフトと言えるのでしょう。しかし、それにしてもこのボリュームでフルプライスってのは納得いかんわ!ミドルプライスでもちょっと不満に思うレベル!
ライアーですしいずれDL販売もされるかもですが、その時もその辺はお覚悟の上ご購入下さいね!
あぁもちろん、私自身は膨大なプレイ時間ですよ!取り組みの組み合わせを片っ端から試す作業でね!でもそんなもんは「プレイ」時間じゃねぇんだよ!!!



その他

システム:普通です。不満は特に無いと思いますよ。もうちょっとセーブ&ロードの繰り返しに優しいインターフェイスだったらなぁと思わんでもないですが、そこを優しくするならもっと根本的な部分に気回してほしいですから。

演出:ビンタシステム&演出が秀逸。本作の目玉と言えるでしょう。



お勧め度:4

女主人公でしかも彼氏持ちって時点でプレイする気も減退するかもでしょうが、蓋を開けてみればその辺は別に問題ではなかったです。むしろ彼氏に同情するレベル。
じゃあどこが問題だったのかについては上で散々語ってきましたしまた下でも語らせていただきますが、皆さんにとっての問題点は、やはり「短さ」、これかなぁと思います。
フルプライスでこの容量というのは、たとえギャグゲーだと分かっていても、納得のできるものではありません。しかもギャグゲーでありスポ根ゲーであるわけですから、いや、スポ根ギャグゲーですから、その敷居の高さたるや尋常ではありません。
ただ、それでもこのビンタシステムは独創的でかつ爆笑ものでしたし、業界が小さく丸くまとまって萎縮状態の昨今、こういうぶっ飛んだ作品も支援したいなと思うわけです。
でもやっぱりいくらなんでもあまりお勧めできない。
質自体はなかなかですので、金に糸目はつけないという方、ライアーを買い支えたい方、社会人で金は余ってるけど時間がちょっとという方にはお勧めですかね。
あと、もう言わずもがなですが、理不尽ビンタがギャグの肝ですので、こういうので「体罰が云々」とか「時代遅れの悪しき慣習が云々」などと嫌悪感が先に来ちゃうタイプの方には絶対合わないです。




気に入り度:4

ええ分かっていますよ。こんなもん馬鹿正直に攻略しようと思った私自身が愚かだってことは。
しかし、途中までは普通に攻略できたのですよ!!いきなりこれまでの方法論が無効になり、総当たりしか方法が無くなったの、途中からなのですよ!!マジでライアーは鬼です!!こうなるともう引き返せない!!

…確かに、中には、思考を巡らせることで効率よく攻略できた取り組みもありましたよ。しかしそれでも、720通り捜索×2回をさせたライアーを、私は絶対に許さない!!

…ただ、それでもギャグパートは面白かったし、作品自体は短いとは言えそれなりに楽しんだのも確か。一色ヒカル先生の素晴らしい声も聞けたし。
そんなわけで、プラスマイナス0とか帳消しだとかは口が裂けても言いませんが、そこそこの気に入り度とさせていただきます。

最後になりましたが、うちの攻略記事使ってプレイすれば、それほど苦労することなく割と楽しくプレイできると思いますよ。



(この作品については、攻略ページにても触れております)

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