デモニオン〜魔王の地下要塞〜

(執筆:2013/11/06)

メーカー

Astronauts
(本作が処女作。以降、割とコンスタントに新作出してる。)

属性

発売時期:2012年4月
ジャンル:SLG
用途:ゲーム、実用
舞台:ファンタジー世界、魔王の棲家
顕著な性属性:
プレイのきっかけ:割と評判良くて陵辱系でゲーム系でしかもセールしてたから。(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:一応全エンド開放。おまけモード未プレイ。

テキスト:4

あらすじ:魔王の従者により、欲望を司る魔王アスタロスが復活。とは言え復活したばかりで力もまだ十全でない魔王は、ひとまず地下の根城の奥に身を置き、魔王討伐にやってくる冒険者達を返り討ちにしながら力を蓄えることに。

魔王が自分の根城で冒険者達を迎え撃ち、次第に人間達の街へと勢力を拡大していく、というのが概要なのですが、作風はむしろ明るい方です。魔王が割と軽めの性格なので、ヒロイン関係の描写は暗い雰囲気であっても魔王が絡んでくると明るくさせられる、そういう印象でしょうか。とは言え基本は陵辱系です。最も明るい部類の陵辱系、有名作で例えるならばランスシリーズから特にどぎつい陵辱だけ省いた(普通の陵辱は残した)くらいの感じですかね。
シナリオは、特に語ることもありませんが、正統派ですね。欠点らしい欠点も長所らしい長所も見当たらず、かといってプレイヤーをそう退屈させない、ほど良い感じに空気なシナリオ(&キャラ描写)です。

ゲーム性:6

ゲームパートは大きく2つに分かれており、まず、配下の魔物やヒロインや罠を使って自身のダンジョンに攻め入ってくる冒険者達を返り討ちにする地下ダンジョンパート。
もう一つは、人間たちの街への侵攻、魔王の力増強、ダンジョン拡張、ヒロインとのHなどを選択する、イベントパート。

ダンジョンパートでは、罠や設備よりも味方ユニット(魔物&ヒロイン)をいかに配置するかというのがメインです。前線に配置されたユニットは戦闘に生き残っている限りレベルが上がっていき、所定のレベル以上になると新スキルを覚えたりもします。
またダンジョンを拡張したりヒロインとのイベントを進めることで、より設置できる設備や罠も増えますので、結果としてダンジョンの増強も出来ます。
イベントパートでの侵攻は、ダンジョンパートで鍛えたユニットを駆使しないといけませんから、ユニットが弱いままでは侵攻も十分に出来ません。この辺りのバランスは、実に上手い具合に出来ていると思います。往年のアリスソフトを彷彿とさせる。

ただ、ダンジョンが基本的に単純な作りですし、ユニット達を鍛えると言っても基本的に自動戦闘ですので(プレイヤーが出来るのはユニット配置の入れ替え、瀕死ユニットの回収&回復したユニットの再配置だけ)、あまりプレイヤーそれぞれの個性が発揮しにくいのですよね。だいたいどのプレイヤーも似たようなプレイスタイルに行き着くと思う。ましてや、攻略サイトなどを見て本格的にヒロイン攻略などをし始めると。

というわけで、ゲームバランスは絶妙だし難易度も複雑さもそう高くないので、プレイしていて楽しいことには違いないんですが、一方で「こういう要素も入れればいいのに…」など、あと一歩の物足りなさや勿体なさもひしひしと感じざるをえない… そういう印象です。

実用性:7

ヒロインはほぼ全員が巨乳です。そして本作最大の特徴の一つと言って良いと思うのですが、塗りがかなり良い仕事してる。結果、エロい。巨乳好きには特に。

ヒロインは多いですが、Hイベント自体はどのヒロインも似たり寄ったりです。どのヒロインも、主人公こと魔王アスタロスが手ずから犯し、自分色の快楽に染めていきます。完全に堕ちるまで、主人公以外がヒロインに手を出したりはほぼありませんので、独占スキーの人も安心してプレイ出来ますね。そして主人公は割とコミカルですしテクニシャンでもありますので、レイプシーンもそう陰惨な雰囲気ではないです。ガチ陵辱ゲーマー以外はにっこり出来ます。Hシーン一つ一つ取ってみても、尺は長すぎず短すぎず、程よい感じ。ゲームパートのおまけであり、かつ今夜のおかずとしても機能しないといけないと考えると、絶妙の長さ加減と言えるでしょう。
さらに陵辱系ゲーマー以外にも配慮された作りということで、陵辱系Hシーンもさることながら、完落ち後の和姦H率も高い。普段なら陵辱スキーの私がこの和姦率の高さに激怒するところなのですが、ここで主人公がわざわざヒロインにいやらしい下着を着せて着エロのフェティッシュを導入しているのですよね。着エロスキーでもある私、「なかなか分かっているな」とうんうんと頷いた。いや、欲を言うとこの着エロにももっとこだわってほしかったんですけどね。ヒロイン達もだいたい似たような格好だし。

問題というか小さな不満はその後で、ヒロインが完落ちした後、さらにイベントを進めると、ヒロイン達は主人公の従者によってそれぞれ決まり切った手法で罠にかけられ、地下の魔物に襲われ、最初は抵抗するものの最終的に快楽落ちして魔物の子を孕まされ出産させられます。こうやって文字に起こすと実に濃厚なシーンが想像されるのですが、この辺りが流れ作業というか雑というか、ご時世の問題もおおいにあるのでしょうが、シーンの濃い内容の割に、全然盛り上がらない。
盛り上がらない理由は、色々とあると思います。全ヒロイン型に嵌まったようなシーン展開になること、出産描写等、一番大事な部分がテキストと効果音だけで済まされること、描写自体が今ひとつパッとしないこと辺りが筆頭です。他にも、罠に嵌められようが出産してようが出産後だろうがSLGパートやその他のイベントには全く関係なく、ヒロインも何事もなかったかのように復帰すること、主人公魔王が一切このパートには関わってこないことなども挙げられるでしょう。

以上をまとめると、結局、割と粒の揃ったHシーンではあるのですが、そのクオリティはどれも「結構良い」止まりなのですね。悪くはないし実用性もあるのはあるのですが、絶賛するほどでもない、と。そういう感じです。

音楽:5

全体的に良いBGMだったと思います。割と盛り上がりました。

ボーカル曲:無

キャラ:4

キャラ萌え要素はほぼ無し。したい人はお好きに、程度。

声:男女

ちょっと記憶が曖昧ですが、パートボイスだったような・・・。つまり、どうでもいいシーンは声が入ってなかったような。少なくともモブキャラ(立ち絵すら無し)には声無しです。また、声が少なすぎるという不満も特に感じず。

声自体にも一切不満ないです。寝取りシーンまで男の声が入ってるのはいつ聴いても微妙な心境になるのですけど。

時間:4

恐らく、大半のプレイヤーが全シナリオ開放まではたどり着くのではないでしょうか。
難易度、面白さ、そしてボリュームという3つの意味で。
ボリュームはそう少なくないですし、割と時間も潰せますが、SLGとしてはかなりコンパクトな部類でしょうね。普通に進めてもせいぜい25時間くらいでクリアかな?

その他

繰り返しになりますが、塗りが実に良い。
あと、ゲームパートは周回プレイ前提で作られています。

お勧め度:7

誰がプレイしても結構楽しいと思えそうな非常に間口の広いゲームに仕上がっているのです。安心して「そこそこおもしろいよ」とお勧めできる出来栄え。一方でゲームパートの深みはあと一歩二歩足りないので、「期待しすぎるなよ」と付け加えることにもなるでしょう。エロゲ初心者にもお勧めできる、全体的に高水準にまとまった作品ですね。
これといった強み、格段の魅力がないのもまた特徴で、そういう意味でも昨今のエロゲらしい一作と言えるでしょう。


気に入り度:6

もう方々で散々言われてるでしょうが、一言で言うと「劣化巣作りドラゴン」ですね、これ。
あのソフトハウスキャラ最高傑作から、様々な要素を取り払いまくり、代わりにHシーン(特に陵辱)を強化したら本作になるでしょう。プレイ中の印象はまさにそんな感じ。
良作か地雷かと問われれば即答で良作と答えますし、満足したかしてないかと問われればしたと答えるのですが、物足りなさを感じなかったかと問われればこれまた即答でしたと答えてしまう、そんな作品でした。
本当に、作りこみが必要十分すぎる。
「もう少し何か光る個性が出てれば、印象ももっと良くなったのにな、けど製作コスト考えるとこれが一番賢い作り込み具合なのかな」などと想像してしまい少し寂しい思いもしました。



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