Muv-Luv Alternative Chronicles 01

(執筆:2010/08/16)



メーカー

age
(「君が望む永遠」「マブラブオルタネイティブ」など正統派シナリオ&良演出ゲーで有名なブランド)



属性

発売時期:2010年7月
ジャンル:ADV,SLG,ビデオクリップ,画像集など
用途:FD,読み物
舞台:オルタワールド
顕著な属性:怪獣娘(?)
プレイのきっかけ:オルタワールドファンだから(プレイ前の期待得点…6点)
プレイ進捗状況:コンテンツはほぼ総なめしたはず。一部音声・ビデオクリップは流し見



テキスト:4

あらすじ1:「THE DAY AFTER」 マブラブアンリミテッドのアフターストーリー。舞台は、G弾投入によりベータを駆逐したが、荒れ果てた地球。太平洋西部で遭難した米軍空母所属の戦術機乗り達が主人公。
あらすじ2:「CHICKEN DIVERS」:軌道降下兵団に所属する戦術機乗り達が、降下を開始するところから物語開始。舞台・時間帯はオルタワールド。ターゲットは…
あらすじ3:「RAIN DANCERS」:欧州戦線で戦う戦術機乗り達の話。オルタの物語より前の時代。

3つの物語が展開されますが、「THE DAY AFTER」が主軸なのでしょう。少なくともこの1作目では。
以下、3つそれぞれについて感想を。

「THE DAY AFTER」:5点
序章…ということで、アクションシーンも少なく、また内容も割とシリアス…というか良くも悪くもageっぽい感じです。メインヒロインが、本作初回特典のおっぱいマウスパッドにも抜擢されたリリアなのですが、物語は主人公とリリアとの観念論的な口論を中心に 展開されるという… オルタで武と冥夜がやってたような口論みたいなのを想像していただければ分かると思うのですが… はぁ、まぁ、こういうの好きな人にはいいんじゃないですかね…。私は別に…。オルタでもそうでしたが、正直私の胸は打ちませんでした。ふーん程度。
…という、リリアの色気ある外見と裏腹に、中身はかなりお堅いのですよ(面白みが不足しているという意味で)。
アンリミテッドのアフターシナリオということで、色々とオルタ世界らしい魅力も勿論詰まっていますし(というか3作の中ではこれが一番「オルタワールドだなぁ」と実感できて良かった)、また主人公も米国人らしからぬキャラで感情移入しやすいなかなかの好青年ですので、総評としては、及第点には届かないけど今後に期待かなぁ…という感じなのですが…

あのラストは、どうなのだ…。
EDソングへと叩き込むあの演出自体は非常に好みなのですが、やってることは、賛否両論でしょう。そして私はどちらかというと否定派。
なんか、続きを読む気が少々減退してしまいました。

「CHICKEN DIVERS」:5点
飯食ってる間に終わった。
…では感想にならないので、もう少し説明を。
オルタでは地上部隊ばかりが描かれていましたが、本作は地球外から直接ハイブを攻撃する軌道降下部隊の物語。
これが、なかなか雰囲気出てて良かったです。「オルタワールドの戦争を、違う側面から」ってのにうまく成功している例ではないでしょうか。
個人的には、絶望的な戦いに身を投じるパイロット達の悲哀が出ていてかなり好みでした。
シナリオ的にアクションシーン中心になるでしょうし、ユーザーも飽きないと思う。というか飽きる前にはエンディング迎えると思う。というか既にメインシナリオの大筋はユーザーには想像ついたと思うのだけど、これはどうするのでしょうね…?今後の展開については、期待より若干不安の方が大きい。

「RAIN DNACERS」:3点
さすがに飯食ってる間には終わりませんでしたが、飯2回分の時間で終わりました。
これがねぇ… どうなんだろう…。公式ページを早くからチェックしていた私ですが、CHICKEN DIVERSとRAIN DANCERS、ライター別の人だったよね?何でか、現在はどちらも同じ人になってますが。で、読んでた感想としてはどうも同じ人な気がしない。こちらの方が、鼻につく感じです。
メインで繰り広げられるのは、女主人公モニカとその仲間達との、欧州人による民族・お国トーク。米国人はどうだとか戦術機の新装備の形状にドイツ人が歓喜だとか、イギリス人のキャラクターがどうだとか。欧州らしさを出したかった&物語の最初なのでキャラ描写が必要だったというのはわかるのですが、それにしても、どうもなぁ…。短いなりにシナリオの個性がはっきりしている「Chicken Divers」に比べて、いまひとつパッとしない印象でした。
ただ、こちらは今後の展開次第で化ける可能性が十分に残されているので、未知数という意味で今後の展開には期待が持てる気もします。

全体的に、評価は低めですが、オルタの舞台に愛着があるならば得点はそれぞれ少しずつ底上げできるでしょう。
また、シナリオ単体で見れば評価は低めですが、特にageの作品はシナリオだけで語れないじゃないですか。演出がかなりすごいので。
そういう意味で、「過度な期待はしなければまぁまぁ楽しめる」レベルではある。かな。



ゲーム性:5

「暁遥かなり2」体験版に全部。
2と銘打ってる割にシステムが1と全く変わってなくて少々しょんぼり。
が、1で激震に乗っていたあの3人が不知火に乗ってたり、1に愛着ある身としては少々 嬉しかったり。
…それにしても、ファンクラブ限定レベルの出来でしかない気はしました。(システムに全く変化ない辺り)



実用性:5

本編にはHシーンは全くありません。あるのは、おまけシナリオコンテンツ。
しかもなんと、ヒロイン快楽系調教・改造ものです。
が…そのヒロインというのが…


突撃級娘てw

いやまぁ・・・ ね?
確かに、他にHシーン入れるところ、どこにもなかったけど…
だからこそ、紅一点ではないですが、こうやって投入して18禁枠になったのも、まぁ私個人としては(敢えて18禁枠にしたところを)評価したいですが…

突撃級娘てw(2回目)

と、失笑しながらプレイしていたのですよ。というか序盤はマジできつかったです。
「というか、完全にターゲット層を間違えているだろ…。こういうのはオルタードフェイブルの方でやってだな…何でガチシリアスものを期待してる私がこんなエログロナンセンス系セルフ同人ものを…(フ゛ツフ゛ツ)」
みたいな感じでブーたれながらプレイしていたのですが、びっくり。ブラックリリスですか、あるいはルネですかっていう。(タイトルからするとシルキーズか?)
ブラックリリスの1/3ほどのボリュームで、毒っ気のある快楽系調教がメイン。
いや、びっくりしました。ただのおまけかと思ってたら、普通に気合入った作りになってる。特にテキスト。描写は特に中盤以降がねちっこくて秀逸だし、中には割と容赦ない記述もあったりして、陵辱ゲーマーの私はそれだけでガッツポーズ。結局実行には至らなかったけど、このご時世によく「抜歯」とか言った。
惜しむらくは本編の演出技術が全く生かされてないことかも知れませんが、おまけとしては十分なクオリティでしょう。まっったく期待してなかった分、意表を突かれました。絵も声優さんも良い仕事していました。どうしちゃったのage。rufの血は絶えてないということですか。
…と思いながらエンドテロップ見たら、やっぱりでした。シナリオ:鬼畜人タムー。
タムー先生の書くエログロシーンはやっぱり良いですね。



音楽:5

BGMは、割とオルタの使いまわしが多かったですが、これは別に問題ないですね。世界観の継承ということで。節度ある使いまわし。

それよりも、ボーカル曲が多かったですね。3曲か。
個人的には「最後のエデン」が、演出も相合わさって結構好み。
そうそう、この「最後のエデン」、作詞者が畑亜貴さんで驚いた。この人まだエロゲ界隈でもお仕事してるのですね。(この人の書くエロゲ曲、好きなのです)

ボーカル曲:3曲



キャラ:3

THE DAY AFTER… 主人公はオーソドックスな感じの温厚で冷静な中尉。ヒロインは金髪美少女おっぱいマウスパッドのリリア。
Chicken Divers… 主人公は臆病な自分を自嘲しつつも責務を全うしようとする小隊長。ヒロインなんかなかった。
Rain Dancers… 主人公は戦術機乗りの若きイタリア娘。ヒロインはヒゲのイギリス人隊長か。



声:男女

男女フルボイス。
リリアの声が、あー私駄目だな… 公式サイトで絵を見た瞬間から青葉りんごさんボイス が脳内再生されてたもので、最初非常に違和感を感じました。
が、物語を進めていくと、まぁ、こんなものかなぁと。ただ、あまり上手い印象はなかったかな。その他については、はい、良かったのではないでしょうか。



時間:3

本編は確かに短いですけどね…
おまけとか全部総当りで見てると、結構時間かかりますよ。
オーディオコメンタリーが収録されてましたが、全部で90分近くありましたし。どんなものかと期待して聞いてみましたが、まぁ…エロゲ製作の舞台裏にも興味ある人にはまぁまぁ楽しめるのではないでしょうか。
あと、何を考えているのか知らないけれど、美郷あきさんを交えて戦術機のプラモ(?)をかっこよく改造する講習動画が収録されています。



その他

システム:ageなので特に不満なく使えるのではないかなぁと。
演出:ageなので細かいところまで演出凝ってるのではないかなぁと。というか、映画のように立ち絵が動きます。動きまくり…ではないけれど、立ち絵とCGとの境界が分からなくなるくらいには色々動く。さすがage。その他、オーディオコメンタリー見て初めて「そうだったのか!」とか気づかされた演出とか。(軌道降下の時に画面背景に表示されてる高度表示が実は限りなく現実に近づけてあったり)




お勧め度:5

全体を通して、シナリオゲーの割にはシナリオもあまりパッとしません。が、これらはあくまで序章。連載形式の第一部です。印象としては、スターウォーズのepisode1ですね。
某週間連載だと「序盤はつまらないけど段々面白くなってきて…」みたいな形式のものは面白くなる前の7週で打ち切られたりもしますが、本作はそういう心配もない。きっと、後半になればなるほど面白くなってくれるに違いない。そう信じています。
というかですよ。
作品からして、オルタファンのための外伝でしょう。マブラブ・オルタのFDが「マブラブ オルタードフェイブル」だとしたら、本シリーズこそがオルタのFD。FDですよFD。FDがコスパ悪いなんてエロゲやってりゃ常識でしょう。資金回収なんだから。
そんなわけで、「信者だけついてくればいい」シリーズ、案の定、「信者しかついて来れない」レベルでした。ただ、これも、今後の展開次第ですよね。この後非常に面白くなる可能性もあるわけだから、乗りたいなら乗ればいいし、乗りたくないなら早々に見切りをつければいいでしょう。
見所は、シナリオだけではないですしね。ageのお家芸である演出は、今回も凄かった。動く動く。

あといまさら大前提ですが、オルタはプレイ済み&オルタワールドに魅力を感じている人以外にはとてもお勧めできません。(Hシーン除く)




気に入り度:5

えっと、全く期待してなかったHシーンだけ私の評価もテンションも絶好調なのですが、そこはおいといて。

まぁこんなものかなぁ…
という感想。期待していたほどでは無かったけど、1作目ということで期待もそう大きくなかった分、大きな落胆を味わったわけでもなかった。

…なんか、頑張ってオーディオコメンタリー聞いてたら疲れてしまいました。
この後も買うつもりですが、あまりにも展開遅かったりどうでもいい描写に拘っているようでしたら、読者の方で7週を待たずして打ち切ることもありえますので、よろしくお願いします。

というか…
THE DAY AFTERの主人公…
絵とかすごくかっこいいし、キャラもいい感じなのだけどなぁ…
はぁ…。


とりあえず、THE DAY AFTERがこの内容であることを踏まえて初回特典をリリアのおっぱいマウスパッドにしようと発案した奴は、自身の発想力に本気で疑問を感じるべきです。



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